米マッチングフェア2021 業務用米拡大へ  2月中旬まで全国6会場で商談会開催


生産者と実需者の新たな結びつき探る


 業務用米に特化した商談会「米マッチングフェア2021」が2月中旬まで産地を中心に全国6カ所で開かれる。第1回として、さいたま市の大宮会場で13日に開かれたフェアには、JAグループや農業法人、中食・外食業者などの担当者が参加。米消費量の減少に加え、新型コロナウイルスの影響で食生活のリズムが変化する中、需要に合わせた生産の在り方や最近の消費動向に関する意見を交わし、業務用米の新たな結びつきを探った。


 米マッチングフェアは、需要に応じた水田農業の取り組みを推進する「全国農業再生推進機構」の主催で、農水省の補助事業を活用して企画した。昨年12月に実施したオンライン商談会に続いて今回は実際に対面でやり取りする機会を設け、セミナーや産地PRと組み合わせて展開。翌日は産地に出向く現地交流会も用意した。


販路開拓へ特長をアピール


 大宮会場には東北、関東などの産地から11社・団体、実需者側が20社の合計で約50人が参加した。産地PRでJA全農みやぎは、主力品種の「ひとめぼれ」が2021年産で誕生から30周年を迎えたことを紹介するとともに、宮城県を挙げて特別栽培米の拡大に取り組んでいること、食事や食卓に合わせて「ササニシキ」や新品種の「だて正夢」、玄米ブランドの「金のいぶき」などを提案していることを説明。同米穀販売課・東京販売事務所の石井覚所長は「宮城米の味わいの違いをぜひ知ってほしい」とPRした。


パックご飯などをPRするJA全農みやぎの職員パックご飯などをPRするJA全農みやぎの職員


 個別商談は1回当たり25分間を基本に進め、安定取引の開拓・実現へ要望や条件などを出し合った。年間数千㌧を扱うという大手給食会社の担当者は複数の商談に臨み、「実際に会って話を聞くことが重要。その機会を得られて良かった」と振り返った。アフターコロナを見据えた取引先の開拓を視野に入れており、「実需者ニーズに合わせた生産をしているかが重要なポイント」と強調。その指標として、農産物や農作業の安全性などを管理する農業生産工程管理(GAP)の取り組みを挙げた。


実需者と商談する生産者団体実需者と商談する生産者団体


産地銘柄だけでなく“スペック”に軸足を


 商談を前に、米を巡る情勢を主題にしたセミナーも行い、食品産業新聞社米麦日報部の大島翔平部長が講演。主食用米の需給見通しや価格の推移などを説明した。2022年産以降の作付けに向けた考え方のひとつとして、「業務用米は産地銘柄だけにこだわらず、食味などの“米のスペック”に軸足を置いた方が良い」との見解を示した。


セミナーで米を巡る情勢について理解を深める参加者セミナーで米を巡る情勢について理解を深める参加者


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 今後、フェアは1月28日に新潟市で開き、2月の福島(7日)、秋田(8日)、山形(15日)、大阪(18日)へと続く。

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○参加した生産団体の声

JA常陸 営農部 鈴木宏和部長

実需者らの声を基に作付け検討


 米価が厳しい状況の中、組合員が再生産可能な価格を何とかして確保していきたいとの思いで参加したところ、思いがけず6社からお声掛けいただいた。JAで集荷する米の8~9割が「コシヒカリ」だが、商談を通じて実需者によっては冷めてもおいしい米や粘りのない米への関心が高かったり、多収性品種を求める声を聞いたりした。

 実需者との安定した結びつきを実現・継続するために、単年ではなく複数年での契約を望んでいる。今後、実需者の要望を踏まえて「コシヒカリ」一辺倒ではない米作りができるかどうかをあらためて検討し、生産者との作付けの議論に結び付けていきたい。

 商談に先立ち、他産地の紹介を聞き、産地継続への取り組みの在り方を再認識させてもらう機会にもつながった。


○参加した実需者の声

ほっかほっか亭総本部マーケティング本部
商品部 商品購買課 秋山竜也課長

常に均一のおいしさ求め産地銘柄米をブレンド


 米作りに関わる生産者らと直接会って話せる貴重な機会として毎回参加している。本気で売りたいと思っている産地が参加するからこそ、新たな仕入先の開拓に結びつく可能性が高い。米の仕入れ担当としても、生産者の声を聞き、現場を訪ねて産地についての理解を深めたい。

 商談では限られた時間の中で、わが社としての米に対する考え方や思いなどを伝えた。顔が見える生産者やJAの米を基本に、産地銘柄米をブレンドして均一のおいしさを消費者に届けることを意識している。

 食味や硬さなどの観点から現時点での主力品種は「コシヒカリ」と「ひとめぼれ」になっているが、各地で弁当を購入してくれるお客さまから常に合格点を取り続けることを目標に新たな産地とのつながりを探している。

【お問い合わせ】
米マッチングフェア2021事務局
株式会社 グレイン・エス・ピー
℡:03(3816)0672
https://kome-matching.com/ 


<制作:日本農業新聞 事業開発部>