天皇杯決まる イカリファーム(滋賀)など7個人・団体 大臣賞・会長賞も


 農水省と日本農林漁業振興会は2日、農林水産業で優れた功績を挙げた経営者らに贈る「農林水産祭天皇杯」で、2024年度(第63回)の受賞者を発表した。米麦大豆を大規模に展開するイカリファーム(滋賀県近江八幡市)など7個人・団体を選んだ。11月23日の式典で表彰する。

 同法人は農産・蚕糸部門で受賞した。収益の見える化や情報通信技術(ICT)による生産管理で効率的な経営を実現。県内の麦生産をけん引、女性活躍の面でも評価された。

 園芸部門で受賞した福島県のJA会津よつば昭和かすみ草部会は、夏秋期で全国最大の宿根カスミソウ産地を支える。新規就農希望者を継続的に確保し、就農後も高い定着率を誇る。

 山形県南陽市の蔵王ファームは畜産部門で受賞。肉用牛の一貫経営で、牛情報のクラウド管理による生産性向上、飼料用米やエコフィードなど地域資源活用で評価を受けた。

 なかひら農場(長野県松川町)は、りんごジュースなど6次化商品を展開して経営を発展させ、地元の雇用を創出。多角化経営部門で選ばれた。

 えーひだカンパニー(島根県安来市)はむらづくり部門で受賞した。人口減少が進む比田地区を守るために設立。全世帯へのアンケートをもとに、地元産米のブランド化や高齢者の買い物支援など多方面で地域を支える。

 林産部門はT-FORESTRY(神奈川県小田原市)が受賞。木々にワイヤを張り空中滑空できるようにするなど、森林をレクリエーションの場として活用したサービスを展開する。

 水産部門は中辻清貴氏(北海道利尻町)が受賞した。

内閣総理大臣賞と日本農林漁業振興会会長賞

 農林水産祭の内閣総理大臣賞と日本農林漁業振興会会長賞の受賞者は次の通り。農産・蚕糸、園芸、畜産、林産、水産、多角化経営、むらづくりの7部門で個人・団体を選出。女性の活躍が顕著な2団体も選んだ。

◇内閣総理大臣賞
▽農産・蚕糸・経営(大豆)=農事組合法人秋津営農組合、代表・上田徳行(熊本市)
▽園芸・経営(スプレイ菊)=山田裕也(愛知県豊川市)
▽畜産・経営(酪農)=須藤晃、淳子(前橋市)
▽林産・技術・ほ場(苗ほ)=惣田政宏(北海道広尾町)
▽水産・経営(地域活性化)=株式会社天洋丸、代表・竹下千代太(長崎県雲仙市)
▽多角化経営・経営(水稲、スプレイ菊)=有限会社川口グリーンセンター、代表・白鳥正文(宮城県栗原市)
▽むらづくり・むらづくり活動=中泊町農産物加工販売施設出荷者協議会、代表・田中恵津子(青森県中泊町)
▽女性の活躍=園芸・経営(ベビーリーフ)=株式会社みっちゃん工房、代表・光永カオリ(熊本県益城町)

◇日本農林漁業振興会会長賞
▽農産・蚕糸・産物(茶)=三根孝之(佐賀県嬉野市)
▽園芸・経営(ブドウ)=JA岡山加茂川ぶどう部会、代表・瀬尾和弘(岡山県吉備中央町)
▽畜産・技術・ほ場(飼料生産部門)=広島県酪農業協同組合、代表・温泉川寛明(広島県三次市)
▽林産・経営(林業経営)=山田芳朗(静岡市)
▽水産・産物(水産加工品)=有限会社三好蒲鉾、代表・三好忠之(山口県萩市)
▽多角化経営・経営(ソバ、加工用トマト他)=株式会社かまくらや、代表・藤本孝介(長野県松本市)
▽むらづくり・むらづくり活動=特定非営利活動法人アグリやさと、代表・柴山進(茨城県石岡市)
▽女性の活躍=農産・蚕糸・経営(水稲)=株式会社穂々笑ファーム、代表・堀内由希子(岡山県赤磐市)
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