最新ニュース
除草剤 ボートが散布 GPSで水田自走 北海道大学が開発
北海道大学は、自動運転で水田に除草剤を散布するロボットボートを開発した。試験では、衛星利用測位システム(GPS)の位置情報を基に、かじとブレーキを制御し自走できることを確認。今後は除草剤の散布試験もする。トラクター、田植え機、コンバインの“三種の神器”のロボット化と併せて、水上ボートの実用化で稲作の労力削減を加速させる。
農家、カフェと連携 トウガン魅力PR イベントで愛知大サークル 活動スタート
愛知大学の学生が設立した、消費者と東三河の農家をつなぐサークル「ローカル・ボイス」が本格的な活動を始めた。第一弾として29日、豊橋市の農家、カフェと連携して、トウガンのフルーツポンチを蒲郡市の祭りで提供した。手作りの店内広告(POP)も展示し、トウガンの魅力をPRした。
サークルの発起人は地域政策学部3年生の神野元汰さん(20)。大学入学後に全国を回り、農業を学び、農家と交流するうちに、生産現場の思いを消費側に伝えたいと思いたった。同学部のキャンパスがある東三河で、生産者と消費者の懸け橋をしたいと、16年に立ち上げた。
消費の現状を知るためにスーパーや直売所で300人にアンケートして分析。第一弾としてトウガンのフルーツポンチの販売、PR活動の実施にこぎつけた。フルーツポンチに使うトウガンの提供は野菜農家の平松教孝さん(44)、調理はカフェ「ノード」が協力した。
同日はフルーツポンチを200食を準備。特別に用意した10キロのトウガンをくりぬき、器として展示した。栽培についての特大のPOPや、写真をまとめたアルバムも設置。来場者に産地のこだわりや思いを伝えた。
平松さんは「トウガンはなじみの薄い野菜。学生の活動を通して、もっと知ってもらえたらうれしい」と期待する。神野さんは「今後もイベント出展などで実績を積みながら、共に東三河の農業を発信していきたい」と話す。
サークルは30日にも出展し、フルーツポンチの販売と特大POPやアルバムを展示する。
海外初の商標登録 「西尾の抹茶」マーク 販路拡大と模造対策
西尾茶協同組合の「西尾の抹茶」のブランドマークが、台湾で商標登録を受けた。同マークの海外での登録は初めて。組合は今後の抹茶の海外展開や模造品対策の足掛かりになると期待する。
農業の人手不足 深刻 バイトさえ・・・農家悲鳴 有効求人倍率が急上昇 支援策も解決見えず
有効求人倍率がバブル期を超える高水準となる中、農業の生産現場でも労働力不足が深刻化している。職種別の有効求人倍率は右肩上がりで、他業種を上回る水準。担い手の規模拡大や農業法人の増加で雇用労働力を必要とする一方、全産業的な人手不足もあり、収穫期など短期アルバイトの確保も難しい。経営の維持・拡大にも支障が生じかねない状況だ。
米麦や野菜、果樹などの栽培や収穫作業をする「農耕作業員」の有効求人倍率は2012年度の1.08から、16年度は1.63まで上昇した。有効求人倍率は、仕事を探す人1人に対し、何件の求人があるかを示す。1を上回れば人より仕事の方が多く、倍率が高いほど人手が足りない。
全業種の有効求人倍率は12年度に0.82、16年度は1.39。28日発表の17年6月分は1.51で、景気回復や団塊世代の大量退職を受け、43年4カ月ぶりの高水準となった。
こうした全産業的な人手不足の中、農耕作業員は全体の数字を上回る。規模を拡大して家族労働力だけでは作業をこなせなくなる担い手農家や、従業員を常時雇用する法人経営が増えていることが背景にある。
農業専門の求人情報サイト「あぐりナビ.com」が掲載する求人件数は現在約1000件で、昨年の平均数から倍増した。運営会社で東京都新宿区にあるアグリ・コミュニティの正木宏和マネジャーは「景気回復で求職者が製造業などに流れ、人手不足に悩む農家が増えている」と指摘する。
有効求人倍率は常時雇用の求人が対象だが、JA全中は「農繁期などだけの短期アルバイトも確保しづらくなっている」(JA支援部)とみる。(1)これまで作業を頼んでいた親族や地域の女性らが高齢化でリタイアした(2)他産業も求人を増やし時給を上げる中、代わりを見つけられない――ケースが多いという。
盛岡市の野菜農家は「募集をかけても人が集まらないという農家が多い。短期間だけ来てもらうのは難しく、コンビニエンスストアで働いた方がいいと言われる」と語る。肉体労働に加え、短期間限定で作業時間が天候に左右される農業は稼ぎにくく、敬遠されているようだ。
こうした状況を受け、行政やJAは支援策を探る。愛媛県のJAおちいまばりは13年から職員による援農隊、15年からは人材派遣会社と提携した労働力支援も始め、かんきつ農家が主に利用する。人手不足がボトルネックとなり「規模拡大だけでなく、産地の維持もできなくなる」との危機感からだ。
農水省は16年度から、産地単位で人手の募集や調整をする「労働力確保戦略センター」の設置を支援する事業を開始。全中やJA全農、日本農業法人協会などが昨年立ち上げた「農業労働力支援協議会」は近く、農業人材の安定確保に向け政策提言する。
ただ、今後の国内人口の減少を見据えると、抜本的な解決策が見つけにくいのが現状だ。外国人労働力の活用などに期待する声も根強い。(岡部孝典)
牛肉SG 強く批判 米農務長官「米国産 販売妨げ」
日本が輸入冷凍牛肉に緊急輸入制限措置(セーフガード=SG)を発動することを受け、米国のパーデュー農務長官は28日の声明で「農産物に関する日米の重要な貿易関係を損なう」と強い懸念を表明した。日本政府に対応を要求しており、10月にも開かれる日米経済対話で、米側がSGの見直しや2国間貿易協定を求める可能性が高まる。
[食農応援隊 大学生リポート](5) 東北の魅力を届けよう! 筑波大学学生団体食と酒 東北祭り実行委員会 被災地を知り応援したい
「食と酒 東北祭り」は、東北のおいしい食べ物と地酒がそろう祭りです。筑波大学の学生が企画・運営し、茨城県つくば市で開催しています。東日本大震災を受けた東北を応援したい、との思いから始動しました。誰もが気軽に参加できる「祭り」という形で、東北とつながるきっかけとなる場をつくり、東北の魅力をつくば市に届けたいと考えています。
祭りの主役は「人」です。出店者、来場者の他、関わる全ての人々の存在がなければ当日はやっていけません。おいしい物の後ろには、必ずそれらを作る人がいるのだということ、私たちを魅了する東北には、そこに住む人、街をつくっている人がいるのだということを忘れてはならないと思います。
東日本大震災から6年。そこに住む人々は、どのような6年を送ってこられたのか。今、どのような表情で、どのような思いで生きているのか。そこで魅力あふれる東北を創っているのはどのような人なのか。学生の立場から、形にとらわれない方法で東北の人々の現状を知り、応援していきたいという思いで日々活動しています。
祭りを通じて、たくさんの笑顔と、たくさんの人とのつながりが生まれますように。そして、さまざまな東北を体感できる、心に残るものとなるよう、一丸となって頑張っています。 (代表・黒田枝里=筑波大学)
キャンペーン「若者力」への感想、ご意見をお寄せ下さい。ファクス03(3257)7221。メールアドレスはwakamonoryoku@agrinews.co.jp。フェイスブック「日本農業新聞若者力」も開設中。
[あんぐる] うなばら越えてしまからしまへ 牛の運搬船「農協やえやま」(沖縄県八重山諸島)
沖縄本島から400キロ。日本の最南西端に位置する八重山諸島で、JAおきなわが独自に運航する牛専用の運搬船が活躍している。主に小さな離島の農家が生産した肉牛の子牛を、本土への出荷拠点である石垣島に集める役目を担う。初代の就航から40年以上、離島の農業を支え続ける。
人口は約220人で牛3000頭超――。「人より牛が多い島」として知られる黒島の港に今月13日正午すぎ、「農協やえやま」が着岸した。全長20メートルの白い船体の所々に浮かぶさびが、年季を感じさせた。
この日は、島で奇数月に開かれる牛のせり日。この船は、せり落とされた同島産の子牛を運ぶためにやってきた。船のランプドアが岸壁に橋渡しになるように開くと、船員が牛を誘導。中は約70頭で“満員”になった。
「農協やえやま」の船員は全員JA職員。黒島や小浜島、竹富島、西表島、新城島から石垣島まで牛を運ぶ。同島からは大型の船で鹿児島港に向かい、全国の肥育農家に届けられる。
同JA八重山地区営農振興センター長の石垣信治さん(53)は「JA独自の船なので柔軟に運航スケジュールを決められる。急な出荷にも対応できる」と利点を話す。
八重山諸島における牛の運搬船の歴史は古く、米軍払い下げの小型船に頼った時期もある。だが運べる頭数が少ないなど限界があった。
この状況を打ち破ったのはJAだった。同県竹富町の竹富町農協(当時)が特注の船を建造し、「農協丸」の名で1975年に就航。肉牛生産を伸ばす素地をつくった。現在、同諸島では約750戸が合わせて年間約1万頭の子牛を出荷。うち2割は、石垣島以外の離島だ。
2代目の「農協やえやま」は92年から運航する。黒島の繁殖農家、玉代勢元さん(41)は「飼料やトラクターも運んでくれる。この船がなければ島の農業は成り立たないね」と、船を眺めながら話した。(富永健太郎)
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=R53_Qja-dIU
牛肉SG 米国 制度見直し要求 経済対話のテーマに
政府は28日、冷凍牛肉の輸入関税を一時的に引き上げる緊急輸入制限措置(セーフガード=SG)が8月1日から発動すると発表した。28日に確定した4~6月の輸入数量が、発動基準となる数量を上回ったため。SGの影響を主に受ける米国からは、発動しにくい仕組みにするよう求める声が早くも上がる。だが、SGは国内生産への影響を回避するため国際的に認められた制度だけに、米国の揺さぶりに左右されず、国際ルールを貫くことが求められる。
SGは世界貿易機関(WTO)のルールに基づく国境措置。日本の牛肉の場合、全世界からと、経済連携協定(EPA)の未締結国からの累計輸入数量の両方が、前年度の四半期ごとの累計輸入数量の117%を超えると発動する。EPAの未締結国が対象となり、38.5%の関税率が50%に引き上がる。
28日に確定した貿易統計では、4~6月の冷凍牛肉の輸入量は全世界からが8万9253トンで前年同期比117.1%、EPA未締結国からが3万7823トンで同124.8%となり、発動基準を超えた。中国の米国産牛肉の輸入解禁を背景に商社などが買い急ぎ、輸入が急増したとみられる。SGは来年3月末まで発動する。
SGの影響を主に受けるのが、冷凍牛肉の輸入量で4割近くを占める米国。米国食肉輸出連合会は27日に発表した声明で、「今年の輸入増は日本の肉牛農家に悪影響は与えていない」とし、日本の国内生産への影響とは無関係に、輸入数量だけで発動する仕組みを批判した。米国と競合するオーストラリアに対する日本のSGは、年間で設定された基準数量を上回らない限り発動しない仕組みのため、より発動しにくいとも不満を示し、見直しを迫っている。
こうした中、麻生太郎副総理兼財務相は28日の閣議後会見で、SGについて「日米経済対話の場等々を活用して議論していくことになると思う」と言及。山本有二農相も閣議後会見で、SG発動を3カ月の輸入実績で判断する現在の制度に対し、「少し長いスパンで考えれば、より良いかなとは思う」と述べた。
JA全中の奥野長衛会長は同日の会見で、米国との牛肉の生産コストの差は大きいとして「日本の畜産をしっかりと守り、育てていくために、SGは必要だ」と訴えている。政府は、生産現場の声を十分踏まえた慎重な対応が必要になる。
[アグリフロンティア 6・上] 敏腕 養鶏軸に6000万円 小松 圭子さん(34)(高知県安芸市)
販売単価は100グラム700円を超える、日本最高級の鶏肉。適度な歯応えと、かむほどに出てくるうま味。その名は「土佐ジロー」。若い移住女性はこの鶏と出合い、「限界集落」といわれる山里ににぎわいをもたらした。
高知県安芸市畑山集落。人口は40人。その7割が高齢者だ。この地で農業法人「はたやま夢楽」の代表、小松圭子さん(34)は年商6000万円をたたき出す。子ども2人を産み育て、20、30代の移住者2人を迎え入れた。集落に希望が芽吹き始めた。
2010年、地元の農家、靖一さん(59)と結婚し、愛媛県から移住した。「夫と25歳離れた年の差婚」「土佐ジローで地域活性化」。山間地への移住は、物珍しさもあり50以上の新聞、雑誌、テレビが取り上げた。
そんな横顔だけがクローズアップされる圭子さんには秘められた経営手腕がある。徹底した経費削減、広報戦略、商談能力、広げる人脈・・・。冷静で落ち着いた口調の一方、経営能力を背景に地域への高い志を抱く。
「1000年続いてきた集落を今の価値観でなくしてはいけない。事業として結果を示したい」。夫と共に描く未来の集落がある。
5000羽のジローの飼養と米、ユズの栽培。行政から指定管理を受ける温泉宿、ジロー料理を提供する食堂を営む。経営の底だった移住後から年間1000万円ずつ売り上げを伸ばし、経費は3割以上切り詰めた。「鶏を鶏らしく育てる」。ジローを軸にした経営だからこそ、厳しい過疎集落だからこそ、できる農業を実現した。
・[アグリフロンティア 6・下]は下の見出しをクリックしてください。
山里に活気呼ぶ女性移住者 「限界」の壁 私が破る 宿や食堂 、応援団も
キャンペーン「若者力」への感想、ご意見をお寄せ下さい。ファクス03(32 57)7221。メールアドレスはwakamonoryoku@agrinews.co.jp。フェイスブック「日本農業新聞若者力」 も開設中。
[アグリフロンティア 6・下] 山里に活気呼ぶ女性移住者 「限界」の壁 私が破る 宿や食堂、応援団も
小松圭子さん一家と社員以外は高齢者という、小さな山あいの里。そこへ「土佐ジロー」を求める客がたくさん集うようになった。小松さんが経営する「はたやま夢楽」には今春、東京出身の20代の社員も入った。
若い社員が続々
半世紀で住民が20分の1になった畑山集落。この地で圭子さんは2人の子どもを生んだ。多くの客も、若い社員も呼び込んだ。ジローで活気は、確実に少しずつ戻っている。
圭子さんの改革で「はたやま夢楽」の経営は赤字から黒字に転じた。しかし、生きると決めた小さな集落にはさまざまな考えがある。都市との交流や新参者を歓迎しないお年寄りもいる。相談、交渉する行政の対応が、圭子さんには冷たく映ることがたびたびある。それでも思う、「畑山を残したい」と。
仲間が感心するほど、困難を乗り越えてきた。最大のピンチは東日本大震災の時。日本全体の自粛ムードで、宿の客が激減した。鶏肉の大口の取引先が経営不振で倒産。長年、夫の靖一さん(59)が準備してきた増羽計画も中止に追い込まれた。山間集落の若き革命児も、この時ばかりは人知れず、悔し涙を流した。
経営改善に奮闘
だが、諦めない。経営改善に向け、できることは何でもやった。宿で出す料理は予約を優先し、日帰り入浴は中止。客単価重視路線に切り替えた。年間7000人を超えた来客数は3000人弱に減った。
取引先は、卸から個人や飲食店にシフト。ジローのおいしさが理解できる飲食店を探し、直談判した。飼料の仕入れを県外から地元の飼料用米に転換するなど、餌代を3割削減。販売先が見つかるまで飼い続けていた飼養期間は、ジローのうま味を最も引き出す150日に徹底した。
小松家だけの孤軍奮闘ではない。応援団ができた。行政との交渉を地元商工会の女性たちが手伝ってくれたり、全国の仲間がピンチを励ましてくれたり。靖一さんは「自分も頑張ってきたつもりだが、(妻は)100倍すごい。たくさんの人とつながり、恐れず経営を工夫していった」と素直に思う。
地元に住み鶏舎で働く辻和代さん(65)は「いろいろ言う人がいても、圭子さんがいなければ会社も集落も続かなかったと思う。人が来るから道路が工事されるようになり、少しだけど道幅が広がっている」と感謝する。
生きる場所求め
愛媛県宇和島市の小さな集落で育った圭子さん。古里への思いを抱き、大学時代は全国の「村おこし」の現場を訪れ、集落のため奮闘するたくさんの人と出会ってきた。靖一さんもその一人。圭子さんは、地方紙の記者になった後も毎年1回、畑山集落を訪れた。生きる場所を探していた27歳、“押しかけ女房”のように結婚した。
幼い時から心の奥底には、人口が少ない過疎集落への思い入れがある。「限界集落」、あえてそう表現する。「限界とは本音では思っていない。限界に、可能性を開く」。圭子さんは言い切る。
今も危機に直面している。県が5月にジローのふ化に失敗し、ひなの供給が一時ストップ。損失は数百万円に上る見通しだ。努力ではどうしようもできない事態が突然、襲ってくる。
それでも前を向く。仲間の支えがある。若い社員、子どもがいる。同志の夫がいる。「土佐ジロー」を糧に、“限界”の壁を打ち破る。
<メモ> 「はたやま夢楽」のある高知県安芸市の畑山集落は、住む人のいなくなった複数の集落跡地を通り過ぎ、15キロ続く細い1車線の道を行くとたどり着く。「土佐ジロー」は、採卵鶏としての飼育が主。小柄なジローは肉用種としての飼育は難しいが、同社が厳しい生産条件の下で極上の鶏肉を生み出している。
全農薬に「原体規格」 農水省検討 効率生産でコスト減
農水省は、農薬の材料となる「原体」の製造について、有効成分の下限と不純物の上限などが守れれば方法の変更ができるよう検討を始めた。原体はこれまで、有効成分と製造方法を管理する仕組みだった。検討案では、欧米で主流となっている有効成分と不純物の組成に着目する。製造方法を効率的な手法に変えられるようになるため、農薬の生産費削減が期待できるという。
2年間は「無我夢中」 奥野会長 最後の定例会見
8月に任期満了で退任するJA全中の奥野長衛会長が28日、最後の定例記者会見に臨み、2年間の任期を「光陰矢のごとし。忙しく働き、無我夢中で走ってきた」と振り返った。次期会長に内定しているJA和歌山中央会の中家徹会長については、現在も全中理事を務めているため、「これから全中が何をしなければいけないかはご承知のはずだ」と期待した。
[つなぐ 若手農業女子の挑戦 4] 富山・JAみな穂管内 おいしいやさい部 高付加価値を追求 女性目線で直売所出荷継承
富山県のJAみな穂管内の若手女性農業者10人でつくる「おいしいやさい部」は、高齢農家が支える直売所出荷の世代交代に向け、端境期出荷や新規品目など、付加価値の高い野菜作りを目指して技術を高め合っている。地域のベテラン農家やJAの営農指導員らに技術を学びながら、メンバーが共通の品目を栽培。消費者に近い女性の視点を生かした品目選定や販促手法など、次々と新たなアイデアを生み出している。
同部は、昨年できた新しい組織だ。メンバーは、元々別のグループで交流のあった20~50代の女性農業者。プライベートで集まっても、会話の中心は常に農業のことばかり。主穀作との複合経営で園芸品目を生産する農家が増える中、「やるならワンランク上の付加価値のある野菜を出荷したい」と、同部を立ち上げた。メンバー間で知識や情報を共有すれば、個人で学ぶよりも効率的にレベルアップできるとの狙いもある。
初年度となった昨年は端境期を狙い、10月半ばに出荷するインゲン3品種を比較栽培した。調理を想定して太さや長さをそろえて袋詰めしたり、試食販売で品種ごとに食べ方を提案したり、女性の視点を活動に生かした。メンバーの出荷物には共通のシールを貼り、部のPRにもつなげることにした。
それぞれ本業で忙しく、全員が集まれる機会は年5回ほどだが、無料通信アプリケーションのLINEで連絡を取り合い、生育状況や病害虫への対処法などを頻繁に確認し合っている。品目ごとの部会などでは、男性が主体で質問しにくい空気もあるが、同世代の女性同士ならではの質問のしやすさもメリットになっている。メンバーの藤澤ちひろさん(31)は「気軽に同世代の先輩に相談できる貴重な場になっている」と話す。
今年は、メンバー全員がカリフラワー栽培に挑む。昨シーズンで管内唯一のカリフラワー専業農家を引退した福島幸雄さん(68)の技術を引き継ぐ狙いだ。約40年間栽培し、勉強会でも講師を務めた福島さんは「引き継いでくれるのはうれしい。一人でも多くの人に作ってもらいたい」と期待する。
次世代を担うメンバーの共通の目標は、直売所への野菜の出荷を増やし、地域農業を盛り上げていくことだ。JAの農産物販売加工施設「みな穂 あいさい広場」は、旬の農産物や加工品をそろえ、地域に親しまれる一方、時期によっては、地元の農産物の出荷が少なくなる課題がある。
森下さゆり部長は「今はお母さん世代が頑張って直売所に出荷してくれているが、将来は自分たちが引き継いでいくという思いがみんなにある。やる気のあるメンバーをどんどん増やしていきたい」と力を込める。「この子たちが作った野菜はおいしい」と、消費者に認識してもらえる野菜作りを目指し、メンバーの挑戦は続く。(おわり)
(この連載は斯波希が担当しました)
キャンペーン「若者力」への感想、ご意見をお寄せ下さい。ファクス03(3257)7221。メールアドレスはwakamonoryoku@agrinews.co.jp。フェイスブック「日本農業新聞若者力」も開設中。
現場踏まえ対応を 農業競争力プログラム 全国知事会
全国知事会は27日、盛岡市で全国知事会議を開き、農業振興を柱とした「地域経済の好循環の拡大に向けた提言」を採択した。農業振興を地域社会の基盤と位置付け、提言5項目のうち2項目を農業関連とした。政府が昨年決めた「農業競争力強化プログラム」を進めるに当たって、農業・農村の実情を十分踏まえるよう求めた。改革を急進的に進める政府に対し、くぎを刺した格好だ。日欧経済連携協定(EPA)をはじめ、国内農業への影響に懸念を示し、丁寧な情報提供を求めるとした。
雪や風に負けない 木造ハウス実証 広島県廿日市市
広島県廿日市市に木造構造のビニールハウスが登場した。市内産材を活用して大雪、台風などの影響を受けずに農業生産ができるかを実証しようと、市の事業で3月に設置。地元のJA佐伯中央が実証試験に協力し、効果を確かめる。
同市が2016年度の「市産材活用モデル事業」として取り組んだ。幅6メートル、長さ25メートルで、主に市内産の杉を使う。施工費や材料費などで520万円かかった。
同市飯山のJA研修農場に設置。50センチほど雪が積もる場所で、パイプハウスでは雪の重みに耐えられないこともある。JA職員が管理し、7月上旬に小ネギの種をまいた。使い勝手は通常のパイプハウスと変わらないという。
費用対効果が課題だが、市は「農業の振興とともに木材の新たな需要を作っていきたい」(産業振興課)としている。
冷凍牛肉SG発動 業者 冷静な見方も
4~6月の冷凍牛肉の輸入量が一定量を超え、関税率を引き上げる緊急輸入制限措置(セーフガード=SG)が8月1日から発動することを受け、米国産を扱うスーパーで値上げへの懸念がある一方、輸入業者は影響は限定的と冷静に受け止める。発動を事前に見越して米国産の在庫を積み上げていたことが理由だ。
全厚連 会長に雨宮氏(長野)
JA全厚連は27日、東京都内で通常総会後に経営管理委員会を開き、会長に雨宮勇氏(JA長野厚生連会長)を選任した。空席になっていた副会長には前田隆氏(JA愛知厚生連会長)を選任した。加倉井豊邦会長は同日付で退任した。
17年産作況 早期米は豊作傾向 高知、宮崎、鹿児島「やや良」以上
農水省は27日、西南暖地の2017年産早期栽培米の作柄概況(7月15日現在)を発表した。対象となる4県のうち、生産量の大部分を占める高知、宮崎、鹿児島がいずれも「やや良」以上で、豊作傾向となっている。田植え期以降、天候がおおむね順調に推移し、生育が良好に進んだ。
冷凍牛肉の輸入急増 来月 SG発動へ
冷凍牛肉の輸入量が急増し、輸入が一定量を超えると関税を引き上げる緊急輸入制限措置(セーフガード=SG)が14年ぶりに発動することが、26日分かった。米国産の現地相場が安かったことに加え、中国が米国産の輸入解禁に踏み切ることから、一部業者が仕入れを強めた。発動すれば、現在38.5%の関税率が50%に高まる。日本と経済連携協定(EPA)を結ぶオーストラリアなどは対象国から除外される。
すし観覧車 そうめんスライダー 夏の食卓 玩具で楽しく
子どもや親せきが集まる夏休みに、おもちゃで食卓を盛り上げて――。玩具大手タカラトミーの子会社、タカラトミーアーツ(東京都葛飾区)は、食卓向け玩具の開発に力を入れる。観覧車やスライダープールといったアトラクションさながらの模型から、すしやそうめんが飛び出す商品などで食の遊び心をかき立てる。
今月20日に発売した「天空パーティー 寿し大観覧車」(1万778円)は、握りずしが観覧車に乗って回転する。レバーを操作すると、すしがジェットコースターのようなレールを伝い、手元に滑り降りる。
「回転ずしは家族連れに人気がある。商品では空中で縦に回してみようと発想した」と同社。装置は遊園地の富士急ハイランドが監修。作る過程も楽しめるよう、キャラクター型のしゃりの握り具もセットにした。
夏の定番、そうめんと子どもが好きなプールを合体させたのが、4月に発売した「ビッグストリーム そうめんスライダー エクストラジャンボ」(1万8144円)。スライダープール型の流しそうめん器だ。
コースは全長5メートル。監修した東京サマーランドの最新プールを参考に、滑るそうめんを左右に大きく揺らす機能も備え、麺をすくう楽しさを演出する。「大人からの支持も集め、発売日から品薄になるほど好調な売れ行き」と同社。
冷たいデザート系では、顔型のシリコンカップにプリンやゼリーなどのカップスイーツと牛乳を入れ、手でもみしだくと、自家製シェイクができる「もみっとシェイクン」(1944円)。もむたびにカップの顔がコミカルに変形する。
同社によると、家族層やパーティーの需要が中心で「孫が遊びに来るようになった」「毎日そうめんでも子どもが喜ぶ」などの反響がある。同社は「身近なメニューで、何度でも楽しめる。食事を写真に撮ってSNS(インターネット交流サイト)で楽しむ人が増えており、今後も伸びるカテゴリー」と話す。ラーメン、カレーなどの玩具にも挑む考えだ。
