ハダニ類”通せんぼ”特殊シート開発 9割通過できず PLJインターナショナル、東京農工大学
同社のニットを編む技術を応用し、「ハダニ行動抑制シート」として開発・商品化した。2022年1月以降の発売を予定。現在、特許出願の準備もしている。
同大学の実験では、梨の枝の中央部にシートを巻き付けて立て、枝の地面側にハダニ類を放飼。24時間後も92%のハダニがシートを通過できず、枝を登れなかった。詳細な仕組みは分かっていないが、同大学の鈴木丈詞准教授は「ハダニの脚の特性と、シートの形状が関係している可能性がある」とみる。
シートには、ハダニ類が付着しにくい特性もあった。ハダニ類は、イチゴの葉かきなどの作業中に衣服に付き、他の株に移ってしまう場合がある。同社はこれを防ぐため、シートを使ったアームカバーも開発。実験では、綿製のアームカバーで作業した場合はハダニが最大20匹付いたが、同シート製のアームカバーには全く付かなかった。
ハダニ類は薬剤抵抗性が発達しやすく、防除上の課題となっている。同社は「シートが対策の一つとなり、農薬の散布回数を減らせる可能性がある」と期待する。
シートの価格は、イチゴのベッドや畝50メートル当たり2万~2万5000円。アームカバーは1組2200円。どちらも先行予約を受け付けている。
問い合わせは同社、(電)0745(27)3395。