米、NAFTA離脱も 日本 FTA影響を警戒

 トランプ米大統領が北米自由貿易協定(NAFTA)からの離脱を表明する可能性があると、ロイター通信が10日、報じた。カナダ政府当局者の見方として伝えた。米国はNAFTAの再交渉を通商分野の最優先課題としてきただけに、仮に離脱した場合には、米国が対日自由貿易協定(FTA)交渉入りへ圧力を強めることを警戒する声が、農業関係者から強まる可能性がある。
 
ロイター通信は、カナダ政府当局者の話として「トランプ氏が間もなく、離脱を表明する確信を強めている」と報じた。メキシコ政府関係者は、米国が離脱を宣言すれば、今後再交渉に加わらない見通しだとも伝えた。

 米国、カナダ、メキシコは3月までにNAFTA再交渉の妥結を目指しているが、交渉は難航。米国は、自動車部品の原産地規則で、米国に有利な提案を突き付け、カナダとメキシコは反発している。トランプ氏はこれまでも再交渉が不調に終われば、離脱すると表明していた。1月下旬にはNAFTAの交渉会合が予定され、米国の出方が注目される。

 トランプ政権は、日本とのFTAにも意欲を示していたもののNAFTAの再交渉に人手を割かれているため、優先順位は低いとされてきた。仮に離脱すれば、貿易赤字相手国の日本に矛先を向ける可能性はあるが、米国は対韓FTAの再交渉にも着手。今後の通商政策をどう描くのか、日本の政府関係者は、30日に予定される一般教書演説に注目している。

 ロイター通信はカナダ政府当局者の見方として、米国の離脱表明は、交渉を有利に運ぶための戦術の可能性があるとも伝えた。カナダ、メキシコは米国の主要貿易相手国で、メキシコに生産拠点を置く自動車産業や、輸出を拡大してきた農業界はNAFTAの恩恵を受けている。こうした業界はトランプ氏の支持層でもあるため、離脱表明には慎重な見方もある。

 自民党農林議員の1人は、米国が2国間交渉に向けた対日圧力を強めてくることを警戒する一方、日本が早期発効を目指す、米国を除く環太平洋連携協定の新協定(TPP11)に対し、「メキシコやカナダがどう出るのか」と注目する。

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