農地集積 話し合い支援充実を 全中が政策提案 円滑化事業は継続

 政府・与党が近く議論を始める農地中間管理機構(農地集積バンク)など農地関連制度見直しに向け、JA全中は11日、理事会で政策提案を決めた。煩雑で時間がかかる機構の事務手続きの簡素化や、農地の集積・集約に向けた地域の徹底した話し合いへの支援充実などを求めるのが柱。併せて議論される可能性がある農地所有適格法人(農業生産法人)の要件は、緩和しないよう求める。

 機構を通じて農地を借りるには、借り入れ時と転貸時に別の計画を作り、その周知期間もあるため、農水省によると3カ月程度かかる。また借り手は農地の利用状況の報告を毎年義務付けられ、煩雑だとして敬遠されている。政策提案では、事務手続きの抜本的な簡素化の必要性を強調。貸借期間は機構が独自に柔軟に設定できることなどを周知し、地域実態に応じた運営の徹底も求める。

 地域実態を踏まえた農地の集積・集約に向け、人・農地プランや地域営農ビジョンといった地域農業の将来像の徹底した話し合いや、地域ぐるみでの担い手の確保・育成を進める地域への支援充実を訴える。農地の出し手と受け手双方に集積・集約を促す支援措置の拡充、関連予算の十分な確保なども必要だとした。

 JAなどを通じて農地を転貸する農地利用集積円滑化事業の継続も求める。機構を通じた農地集積・集約に移行する傾向にあるが、2017年度の同事業による貸借面積は1・8万ヘクタール超で一定の実績があり、JAなどの円滑化団体が農地の利用調整や担い手育成に貢献していることを考慮した。

 農業生産法人の要件見直しは、前回の役員・構成員要件の緩和(16年4月)や国家戦略特区(兵庫県養父市)での条件付きの一般企業の農地所有解禁(16年9月)から間もないため、十分な検証が必要だと指摘。一般企業の農地所有につながりかねない要件緩和や同特区の全国展開はしないよう要請する。

 14年3月施行の同機構関連法は、施行後5年をめどに制度を見直すと定めている。また政府の規制改革推進会議は17年11月の提言で、農地所有適格法人の役員・構成員要件の見直しについても、同法の施行後5年をめどに「さらなる改革について検討を進めていく」としていた。

 政府・与党は自民党の農林関係人事が決定次第、機構見直しの議論を始める見通しだ。
 

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