百穀春雨に潤う

 百穀春雨に潤う。雨があらゆる穀物を潤し育てる時季である▼きょうは平成最後の二十四節気の穀雨。「こくう」と読む。この時期は天気が数日周期で変わることが多い。雨が田畑を潤し、穀物の種や木々の新芽の生育を助ける。春の節気は立春、雨水、啓蟄(けいちつ)、春分、清明と巡り、穀雨が最後となる。その初候は「葭(あし)始めて生ず」。水辺の葦(あし)が芽吹き始めることを表す▼雨には、いろいろな呼び名がある。穀物を育むのは瑞雨(ずいう)で、草木を潤すのは甘雨(かんう)という。開花を促す催花雨(さいかう)もあれば、菜の花が咲くころの菜種梅雨もある。春の長雨は春霖(しゅんりん)と呼び、ウツギの白い花を腐らすような卯(う)の花腐(くた)しは、五月雨の異称である。〈傘さしてつくしつみけり春の雨〉竹村鍛▼穀雨の終わりには、夏の始まりを告げる「八十八夜」が訪れる。八と十と八の三つの字を組み合わせると「米」になるから、農作業に縁起のいい日ともされてきた。程なく田には水が張られ、田植えが始まる。機械化が進み一家総出の風景は見られなくなったが、農家の心は何となく弾む。晩霜に油断はできないが、待ち焦がれた新茶の季節を迎える。八十八夜に摘んだお茶を飲むと長生きするといわれ、愛飲者は多い▼雨の中の農作業が増える。安全第一で、事故にはくれぐれも注意したい。 
 

おすすめ記事

四季の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは