[未来人材] 33歳。 県外から就農、地域のトマト振興けん引 安定経営のモデルに 田家一衡さん 岐阜県海津市

「農業はもうかることを示したい」と語る田家さん(岐阜県海津市で)

 「農業はもうかることを証明したい」。岐阜県海津市のトマト農家、田家一衡さん(33)は、自分自身の頑張りで経営を切り開ける農業の可能性に魅力を感じ、県外から移住、就農した。担い手がいなくなる現状を打破したいと、自ら安定経営のモデルになろうと奮闘する。養液栽培と土耕栽培の両方に取り組み、JAにしみの海津トマト部会のホープとして地域をけん引する。

 愛知県出身。実家は農家ではないが、生物好きが高じて大学は農学部に進学した。大学院の修士課程にも進み、1年間休学してスイスで露地野菜を学ぶなど、農業の基礎知識と現場経験の両方に習熟した。

 その後、観光牧場に就職したものの「自分の力で農業を生涯やりたい」と考え、岐阜県就農支援センターでの研修を経て、2015年に就農した。

 不安よりも「自分の思ったように栽培ができる『わくわく感』が強かった」という。新設したハウスは20アールで、トマトを養液栽培する。1作目は湿度管理が甘く若干の病害が出たものの、目標だった10アール当たり収量26トンは達成。今は安定して30トン取れるように、改善を続けている。

 今作から、地域の空きハウス30アールを借りて土耕栽培も始めた。就農当時から、国の農業次世代人材投資資金(旧・青年就農給付金)の支給が終わる前に経営を拡大しようと計画していた。土耕栽培は土づくりや肥培管理など、養液栽培と勝手が違う部分も多いが、海外研修や前職で、トラクターやマニュアスプレッダーを使った経験が役立った。

 1人で始めた農業だったが、今は妻とパート従業員7人、農繁期には両親も手伝う。熟練者は少なく、労務管理の面で試行錯誤の毎日だが、田家さんは「こんなに楽しい職業は他にない」と言い切る。憧れだった個人事業主となり「農業は成功するも失敗するも自分次第。その責任感が面白い」と話す。

 今後は、ハウスの管理を任せられる後進の育成や、さらなる規模拡大も視野に入れる。若者が就職先として選ぶような「もうかる農業」を体現するのが夢だ。(古田島知則)

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