「人間は考える葦である」

 「人間は考える葦(あし)である」。哲学者パスカルの有名な言葉である。人間は自然の中で最も弱い存在だが、考える力を持っているが故に尊い▼その言葉を思い出したのは、今週、片山善博早稲田大学大学院教授の話を聞いたからだ。地方の未来を語る片山さんの口を何度もついて出たのが「考える力」。それほど地方は思考停止に陥っている。鳥取県知事や総務相を務めた同氏だけに、中央、地方双方の駄目なところが目につく▼ピント外れの思いつきで、金太郎あめのような「地方創生」を押し付ける中央政府。ふるさと納税やプレミアム商品券がその典型だと手厳しい。地方自治体側も「中央の指示待ち」「忖度(そんたく)」行政に堕して、すっかり劣化してしまったと▼「地域のことは自分たちで考え、行動するという気概と力量を持ってほしい」と片山さん。地方再生の必要条件は「自治力」と「免疫力」。それには自治体も議会も住民も「考える力」を養い、磨くしかないと口を極めた。「一身独立して一家独立し、一家独立して一国独立し、一国独立して天下も独立すべし」。福沢諭吉の箴言(しんげん)が、今の地方の状況に重なるという▼「考える力」はJA自己改革にも当てはまる。自主・自立の「自治力」、外圧に打ち勝つ「免疫力」を持つ強い葦でありたい。

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