[改革実績 点から面に](4) 新規就農支援 育成研修4年で35人 大規模法人コース新設 JAえひめ中央

JA技術員(左)と「紅まどんな」の花芽の様子を確認する神野さん夫妻(松山市で)

 愛媛県のJAえひめ中央は新規就農者の育成で実績を上げている。2015年に新規就農研修センターを設置。果樹と野菜で、これまでに35人が就農し、地域の担い手に育っている。JAが管理する成園化した園地を新規就農者に貸し出し、未収益期間中の手取りを確保する取り組みも進む。18年度は、大規模法人を育成するため「法人経営者育成コース」を設置。耕作放棄地対策の次の一手と位置付ける。

 管内は全国有数のかんきつ産地。だが、高齢化が著しく、毎年160ヘクタールの耕作放棄地が発生するなど、担い手の確保が喫緊の課題だった。

 その課題克服に向け、JAは15年に新規就農研修センターを設置。2年間の研修で座学から実践まで幅広く学ぶ。

 「研修センターがなければ就農していなかった」。松山市でかんきつや野菜、花木を1・4ヘクタールで栽培する神野哲彰さん(41)は、妻のさやかさん(34)と研修センターを修了し、就農した第1号。就農してから3年半、徐々に地域の担い手としての意識が芽生えてきた。

 神野さんが所属するJA伊台支所管内は5年前から「紅まどんな」(愛媛果試第28号)などの中晩かんの施設栽培面積を拡大。神野さんは、研修センターで学んだことを生かし、周囲の農家にかん水や防除に関してアドバイスする。

 神野さんは「2年間でかん水や摘果の基本を学べたことが財産になっている。これからも地域の農業を盛り上げたい」と意気込む。

 かんきつは苗を植えても結実まで年数が必要で、その間は所得が得られない。そこでJAは、未収益期間の対策に乗り出す。JAが整備・成園化した約4ヘクタールの園地を新規就農者が栽培管理し、販売収入を得られるようにする。また、年齢によって農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)の対象外となる就農希望者にJAが独自助成するなど、定年後帰農の受け入れも力を入れる計画だ。

 研修センターでは、18年度から設置した「法人経営者育成コース」で、就農後に大規模な園地を管理できる経営者を育成する。

 JAは「産地は担い手を求めている。あの手この手で新規就農者の獲得を目指す」と強調する。
 

全国 担い手対策実践8割超


 地域農業の継続に向けて、担い手育成は欠かせない分野だ。JA全中の18年度調査によると「新たな担い手の育成や担い手のレベルアップ対策」を実践するJAは81%。16年度に比べて8ポイント増えた。

 JAによってさまざまな支援策を用意。新規就農に関する相談窓口担当者の設置は61%、JAやJA出資法人での実習は24%、無利子・低金利融資などの支援制度は26%のJAが実践する。

 JAグループは就農者の募集から研修、就農、定着まで一貫した支援や市町村との連携を重視する。全中は優良事例をまとめた手引も作り、支援拡大を後押しする。
 

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