昆虫→家畜飼料に 飼養農場建設相次ぐ EUで認可の機運

 欧州連合(EU)では、家畜飼料の原料となる昆虫を飼養する農場建設が活発だ。これまでの昆虫飼料は、養殖魚とペットの餌に使用を限定していたが、今後は家畜飼料用にも拡大する可能性が浮上したからだ。世界の食肉消費量の増加に伴い、穀物原料の飼料増産に限界が見え始めたのが背景にある。
 

フランス 年2万トン製造も オランダ 穀物代替で注目


 フランス北部のアミアン市近郊。昆虫原料のペットフードを製造するインセクトは、昆虫を飼養する大規模農場の建設を進めている。2021年の稼働を計画。昆虫粉末飼料の生産能力は年間最大2万トンを見込む。同社は、EU域内の幼虫業者や培地材料メーカー、農業関連団体など約20社と供給・消費ネットワークも構築した。「養殖魚類とペットの餌以外に、家畜飼料にも用途が広がることを見込み、規模を拡大する」と意気込む。

 オランダ南部のベルヘン・オプ・ゾーム市でも、昆虫を原料とする飼料メーカーのプロティックスが、家畜飼料用を見込んだ昆虫農場をこのほどオープンさせたばかりだ。

 穀物製造機器メーカーなどからの新たな出資を受け、17年に設立した1号農場に続き、第2号を開設した。同社は「穀物飼料の増産は、森林伐採などの環境負荷を増やすので限界がある。そこで、代替の昆虫原料の家畜飼料が注目を浴びている。EUの認可は時間の問題とみる農業関連企業からの出資が増えた」という。

 昆虫原料の飼料に対し、EUは17年7月、既存の動物性タンパク質の加工規制を見直した。初めてアメリカミズアブ、イエバエ、ミールワーム、コオロギを養殖魚類やペット向けの飼料原料として認可した。

 EU域内20カ国の飼料業者や農業関係業者52団体でつくるNPO「人間の食事と家畜飼料への昆虫使用を推進する国際プラットフォーム(IPIFF)」は今年2月、昆虫別の生産と管理についての安全衛生規格を確定した。アントワン・ヒューバート会長は「規格は昆虫原料の安全性を裏付けるもので(家畜飼料向けの)EU認可を促すだろう」と期待する。

 IPIFFによると、EU域内で約20カ国が18年に計6000トンの昆虫を養殖し、そこから1900トンのペット・養殖魚用の飼料を生産した。同団体はEUが家畜飼料への使用を認可すれば、域内生産量が、25年には121万トンに増えると見込む。 
 

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