国産ニンニク 増産機運も スペイン産競合 2割安

 高値が続いていたニンニクの相場に陰りが出ている。国産と競合するスペイン産の輸入増や、好調だった黒ニンニクなどの加工需要が弱まっているためだ。昨年までの高値で増産の動きがある中、国内産地からは値崩れを心配する声が上がる。

 2019年1月~7月12日の日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は1キロ1220円と、同時期の過去5年平均(平年)比2割安。前年までの高値反動やスペイン産の輸入増が要因とみられている。

 国内流通の割合は5年ほど前まで国産と中国産が半々だった。1キロ1500円前後の国産、同200円前後の中国産とすみ分けができていた。しかし近年、存在感を高めているのが同500円前後のスペイン産だ。

 財務省の貿易統計によると、18年の輸入量は1466トンと8年連続で前年を上回った。今年も5月までの累計が638トンと前年同時期比2割増。現状の勢いで推移すると前年を2割近く上回る見通しだ。一方、17年産の国産全体の出荷量は1万4500トンだった。

 輸入増を受け、スーパーの取り扱いは増えている。首都圏で展開するスーパーは、国産を1玉258円(税別)、スペイン産を半値以下の同98円で販売する。バイヤーは「1玉100円以下という売りやすい価格に加え、中国産より風味やブランドイメージが優れている」と話す。店頭では、アヒージョやパエリアといったスペイン料理との相性の良さをPRして売り込み、販売は順調だという。

 加工業者の手控えも相場に水を差す。健康食品として黒ニンニクへの加工需要は伸びたが、青森県内の加工業者は「1箱(10キロ)2万円を超えるなど、仕入れ価格が高過ぎて一部の業者は青森産に手が出なくなっている」と指摘。他県産や海外産の仕入れを模索する動きがある。

 昨年までの高値を受け、国内は増産の動きが盛んだ。秋田県大館市は10ヘクタールのニンニク団地を整備。北海道や西日本でも増産の動きが相次ぐ。軟調相場に国産の7割近くを占める青森県の警戒感は強い。JAおいらせの六戸地区のニンニク部会長の山本初夫さん(65)は「近年の高値を念頭に、機械導入を進めた農家や、将来の計画を立てた新規就農者がいる。相場下落が続くかどうか心配」と気をもむ。

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