高速バス地方から 青果“相乗り” 少量でも低コスト JAグループなど東京都心に販路

 JA全中や農林中央金庫、三菱地所などが連携し、地方の特色ある農産物を高速バスで東京・丸の内周辺エリアに運んで販売する取り組みが、成果を上げている。昨年8月の開始時に比べ、利用する県は倍増の12県、取り扱い農産物は4倍の延べ137品目、マルシェ(直売イベント)の開催頻度は週1日程度から3、4日まで拡大した。少量でも低コストで送れる利点を生かし、特産農産物などの認知度向上に役立っている。

 「産地直送あいのり便」として、JA直売所などから農産物を買い取り、高速バスのトランクの空きスペースに入れて運ぶ。大手町、丸の内、有楽町エリアの飲食店や百貨店、社員食堂などに納品する。オフィスビルなどでマルシェも定期的に開く。

 協力するバス会社は当初、茨城、福島県などの5社。地元に貢献でき、空きスペースを使って利益を得られるため徐々に拡大。岩手、秋田県などの会社も加わり、6月時点で12社が協力する。

 マルシェは同エリアの13カ所で開き、各地の農産物を販売する。定期開催の定着などで1回当たりの売上高も伸びた。農産物を納める店舗は6月時点で15店。安定的に確保・輸送する仕組みが整い、今後拡大に力を入れる。

 三菱地所は、あいのり便を既存物流の代替ではなく、需要開拓のための新しい流通経路と位置付ける。「単に運ぶのではなく需要も一緒に確保する。生産者側のJAグループと消費者側の三菱地所の連携で、生産から販売まで一気通貫で取り組める」(広報部)と話す。

 石川県のJA金沢市は週に2回、サツマイモ「五郎島金時」などの加賀野菜やカラフルニンジンなどの珍しい野菜を運ぶ。加賀野菜は、マルシェでもたびたび売り切れるほどの人気だ。JA直販企画課の登内良太課長補佐は「今まで出せなかった小ロットで出荷できるのは大きい。見た目や味に特徴があるので有利販売できる」と話す。

 千葉県のJAきみつは、運営する直売所のトウモロコシやメロンなどの農産物を、大手百貨店の高島屋などに納める。週に1回のペースで3月から運行を始めたが、6月には10回運行した。輸送回数が増え、売り上げは倍増したという。

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