[活写] 忘れ得ぬ歴史刻む

建造から76年がたった掩体内部の天井。風化が進み雨水がにじんだ跡やひび割れが目立つ(三重県鈴鹿市で)

 8月15日は、74回目の終戦記念日となる。「伊勢茶」で知られる茶どころ、三重県鈴鹿市の辻義雄さん(72)宅に、太平洋戦争中に築かれた敵機から軍用機を隠す「掩体(えんたい)」が今も残る。

 この構造物は、一帯にあった北伊勢陸軍飛行場の名残だ。鉄筋コンクリート製で幅が約30メートル、奥行き約23メートルのドーム型で、1943年に造られたと伝わる。

 内部は風化に伴うひび割れや雨水がにじんだ跡が目立ち、長い歳月を物語る。終戦後、辺りの土地を開墾して茶作りを始めた辻さんの義父が農機具置き場に使った時期もあり、今も古い農機や資材が残っている。

 2004年には地域の近代史を伝える戦争遺跡として、国の登録有形文化財に指定された。辻さんは「毎年、終戦の日が近づくと見に来る人が増える。掩体は戦争が身近なことだったと教えてくれる」と話す。(染谷臨太郎) 
 

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