大震災後 初の実り 県内最後の農地復旧 岩手県陸前高田市

稲の生育の様子を確認する金野さん(岩手県陸前高田市で)

 岩手県陸前高田市の高田沖地区の水田で、東日本大震災以降初めてとなる、待望の収穫を迎えようとしている。同地区の28ヘクタールは県内最後の被災農地復旧事業を今春完了させた。下旬から始まる9年ぶりの収穫を、農家は待ちわびている。

 「津波で海風から田を守っていた5万本の松林がなくなった。心配していたが、生育は順調でほっとしている」と話すのは、金野千尋さん(68)。金野さんは同地区で市オリジナル品種の米「たかたのゆめ」など5ヘクタールを栽培している。関係機関の指導を受けながら肥培管理を行い、収穫にこぎつけた。「1穂当たりのもみ数も他地区の水田と遜色ない」と満足げだ。

 同地区は市内で最も海沿いに面しており、津波で表土の流出やがれきの堆積によって壊滅的な被害を受けた。その後も復興事業に伴う盛り土の仮置き場となったことで、農地として復旧するまでに時間を要した。

 震災から8年半が経ち、当時担い手だった農家の高齢化や離農が進んでいる。金野さんは「営農再開を契機に、若い農家が増えてくれればいい」と期待する。

 同地区の復旧工事が完了し、県内の復旧対象となった542ヘクタール全域で営農が再開された。宮城県でも今年度中に1万3000ヘクタールある被災農地の復旧工事が完了する見込み。一方、福島県では東京電力福島第1原子力発電所事故に伴う立ち入り制限で、双葉町、大熊町の228ヘクタールの農地がいまだ手つかずとなっている。
 

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