運転はご近所さん市街地へ送り迎え 実証試験スタート 岩手県陸前高田市

実証に参加する利用者の住民(岩手県陸前高田市で)

 岩手県陸前高田市で、地域の人が運転手となり免許を持たない高齢者らを車で市街地まで送迎する実証実験が始まった。山あいにある横田地区から市中心部の複合商業施設まで片道約10キロを毎週1回、送迎する。3月まで続け、交通機関との競合や利用者の声を踏まえ、導入の可否を検討する。住民は便利になるだけでなく、利用者間の交流にも期待する。

 同市横田地区は、高齢化率が43%と高く、住民のうち女性を中心に2、3割が免許を持っていないと見られる。バスも最寄りのバス停からは1キロ以上離れ、1日に5便。午前7時台の次のバスが午後0時台と、特に免許を持たない高齢者にとって不便だった。

 住民らで研究会をつくり、実証に取り組む。7人乗りのレンタカーを市が費用負担し、研究会が借りる。運転手は登録された14人の住民が務める。利用できるのは事前に登録した免許を持たない34人、多くが高齢者や女性だ。1回最多で6人を市中心部まで送迎する。

 送迎を体験した佐藤いさ子さん(63)は「利用して良かった。夫の体調も悪く、こういった送迎があればいい。車の中の雰囲気も良く世間話をしていた」と笑顔で話す。

 送迎ドライバーの一人、菅野悦雄さん(67)は「高齢者の引きこもり対策にもなる。将来、自分を含めたドライバーが利用者になるかもしれない」と今後を見据える。市は「タクシーやバスなどの事業者と競合しない制度設計を考えたい」とする。
 

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