関東地方を流れる江戸川の土手を歩いていると

 関東地方を流れる江戸川の土手を歩いていると、あちこちに土の盛り上がりが目立つ所に出合う▼なぜこんな所に多いのか疑問だったが、川を管理する江戸川河川事務所の説明で合点がいった。春にはアブラナ科の花が斜面一帯を覆い、根が腐ると餌にするミミズが増える。そのミミズを追い掛けてモグラが集まってくるらしい。食物連鎖である▼川の水は水道用水にも使われるから、除草剤などの薬剤は使えない。河川事務所では年2回ほど機械で刈り取りをして「鎖の切断」に懸命だが、子孫を残そうとする自然の繁茂力はしぶとく、いたちごっこが続く。見る人の目を楽しませる「黄色いじゅうたん」は、洪水から人の命を守る堤防を“虫食い”にする厄介者でもある▼こちらの堤も気になる。農業用ため池である。おととしの西日本豪雨で決壊が相次ぎ、下流で死者を出した。全国に17万近くもあるが、所有者や管理者がはっきりしないのも多い。国は防災管理を強化する法律を作って「届け出」を求めているが、思いの外低調である。新たな負担を恐れて潜ってしまったか。集中豪雨や地震で堤が破れ、人的被害を出しはしないかと心配は募る▼記録的な暖冬だった季節の歩みは速い。集中豪雨に備え、先手先手の安全管理を心掛けたい。

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