〈地の利は人の和に如(し)かず〉という

 〈地の利は人の和に如(し)かず〉という。地勢で有利な条件も、人の団結には及ばない▼中国戦国時代の儒学者孟子の教えである。戦に明け暮れ、人の心もすさんでいただろう。国を治め戦に勝つには民心の和合が必要だった。内に問題を抱えると長続きしないのは、洋の東西を問わない。キリストも教える。「どんな国でも内輪で争えば、荒れ果ててしまい、どんな町でも家でも、内輪で争えば成り立って行かない」(新約聖書)▼心を合わせれば力となる。英国のロッチデールなどで始まった協同組合の思想と実践は全世界に広がり、100カ国以上で12億人が参加する。JAも一翼を担う。競争より助け合い、分断より共生。資本主義の利益追求とは一線を画す。その価値観の輪が広まる▼こちらは新型コロナ禍を前に“内紛”である。発生源や対応を巡って米国と中国が対立。「中国起源説」を広言するトランプ米大統領は、WHOへの拠出金停止で揺さぶる。互いに政治的な思惑もあり、どちらの言い分が正しいかは分からないが、内輪もめをしている間に感染は広がる。世界の感染者数は450万人を上回り、死者は30万人を超えた▼人類はコロナ危機にどう立ち向かうか。あすからWHO総会。大国同士が内輪もめなどしている時ではあるまいに。
 

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