巨人の終身名誉監督長嶋茂雄さんには、高校野球の歴史を変えたと思うチームがあった

 巨人の終身名誉監督長嶋茂雄さんには、高校野球の歴史を変えたと思うチームがあった▼蔦文也監督率いる池田高校(徳島)である。ノーアウトでランナーが出ると、決まったように送りバント。そんな甲子園の常識を打ち破るように、初球から思い切り振って攻める。その攻撃的な野球で、夏の甲子園を制した。長嶋さんが目標とするベースボールだった。『野球は格闘技だ』(角川文庫)にある▼けれん味のないプレーと、筋書きのない試合が魅力の高校野球。地方の公立高校が、都会の強豪高校を破ると球場は盛り上がる。池田高校の「やまびこ打線」が爽やかな風を巻き起こし、一昨年準優勝した金足農高(秋田)は、「雑草軍団」と呼ばれ、全国の農業者に勇気と感動を与えた。今春のセンバツに出るはずだった帯広農高(北海道)の活躍に、期待を寄せていたファンも多かったろう▼夏の甲子園の中止が決まった。春夏連続での中止は、史上初めて。新型コロナの感染防止を考えてのことだが、高校球児のみならず、心待ちにしてきたファンからも落胆の声が届く。生徒の健康が第一。苦渋でも賢明な判断と受け止めたい。新型コロナ禍を乗り越えた先に、きっと、それぞれの「甲子園」が待っている▼その時こそ、「栄冠は君に輝く」
 

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