本当?「地方重視内閣」 首都圏選出議員21人のうち9人 安倍内閣より2人増

 「地方の活性化」を政権の重要政策に位置付ける菅義偉首相。だが、菅内閣の顔ぶれをみると首都圏(1都7県)選出の議員が21人中9人を占め、安倍内閣より2人増えた。人口が多い地域は選挙区や議員数が多いため必然ともいえるが、地方や農村の声をより積極的に聞くことが課題となりそうだ。
 

掛け声倒れ懸念


 「秋田の農家の長男に生まれた」「日本の全ての地方を元気にしたい」。菅首相は就任会見でこう語り、農産物輸出やインバウンド(訪日外国人)消費の拡大、「ふるさと納税」などを通じて地方活性化に取り組む姿勢を強調した。

 しかし、首相を含む菅内閣の21人のうち9人が首都圏の選出で、割合では43%となる。首相は秋田県出身だが、選挙区は衆院神奈川2区。同県選出が4人で最も多く、東京都が3人、茨城県と栃木県が1人ずつと続く。一方、安倍晋三前首相の最後の内閣は20人のうち首都圏選出が7人で、割合にすると35%だった。

 東京都は、衆院の小選挙区が25あり、参院の定数が12。神奈川県は、それぞれ18、8だ。これに対し、人口が全国最小の鳥取県は、小選挙区が2、参院の定数は島根県との合区で2。人口の多い首都圏は選出議員も多いことが、首都圏選出閣僚の増加の背景にはある。

 もちろん、首都圏の1都7県にも農村部や農業を基幹産業とする地域はある。また、首都圏選出議員でも菅首相のように地方出身者や、安倍前首相のように地方が選挙区でも東京で生まれ育った世襲議員もいる。ただ、与党関係者からも「地方重視なら、もっと地方選出の議員から選んでほしかった」との声が漏れる。

 一方で菅首相は、農相には参院富山選挙区選出で同県議出身の野上浩太郎氏、地方創生担当相には衆院熊本3区選出で、地元紙記者出身の坂本哲志氏を起用。農業・地方政策の要には地方選出議員を配置した。

 立憲民主党の農林議員は「よほど丁寧に地方の声を聞かなければ、地方重視は掛け声倒れだ」と指摘する。

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