光秀が面白い。大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」
2020年11月29日
光秀が面白い。大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」。“逆賊”明智光秀を主人公にした以上、通説を覆す意図は想定されたが、ここまでやるとは▼マイナーな戦国武将たちも存在感を放つ。良く描かれたためしのない足利義昭は、貧者に寄り添いこの世から戦を終わらせたいと願う善意の人である。豪放な松永久秀、緻密な筒井順慶しかり。摂津晴門なる初めて聞く人物が、裏で成り上がり者・信長の足を引っ張る。片岡鶴太郎さんの怪優ぶりがあっぱれ▼光秀を描いた肖像画は1枚だけ現存する。大阪府岸和田市でこの春見た。女性のように涼やかな顔立ちで、万の軍を率いた武将のイメージから程遠い。市内の本徳寺が所蔵する。この寺を開基した南国梵桂という僧が落ち延びた光秀の息子との言い伝えが残る。光秀は義昭側近として歴史の表舞台に登場し、前半生はよく分からない▼謎多き人物の極めつけは〈本能寺の変〉である。怨恨(えんこん)説、野望説、黒幕説、暴君討伐説など、その動機を巡ってさまざまな説がある。大河が新たな説を立てるか、楽しみだ。題名の〈麒麟〉とは、王が仁ある政治を行う時に現れる聖なる獣だという。信長の印章は「天下布武」、花押は麒麟の麟をかたどったものとされる▼コロナウイルスと闘う菅首相の元に麒麟は来るか。
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雪被害、20道府県6766件 支援「適切に対応」 農相
野上浩太郎農相は15日の閣議後記者会見で、大雪によって岩手、秋田、新潟など20道府県から、農業用ハウスなどの施設6766件の被害報告を受けていると明らかにした。農相は「引き続き現地との連絡を密にしながら被害状況を把握し、農林水産業への影響を最小限にするよう、適切に対応したい」と述べた。
農水省によると、15日午前7時半現在で、ハウス6359件、農業用倉庫215件、畜産用施設192件の被害報告を受けた。……
2021年01月16日

所得向上、労働力不足対応…提案通じ農家に貢献 TAC大会表彰
JA全農が14日にオンラインで開いたTACパワーアップ大会の発表で、受賞JAは地域に応じた提案を通じ農家の所得向上や課題解決に貢献していると報告した。新型コロナ禍を受けた労働力不足対応や多収品種の普及、コスト減・省力化、スマート農業活用などを支援。TACは行政や他団体との連携でもリーダーシップを発揮している。
最優秀のJA表彰全農会長賞となった岐阜県のJAぎふは、高収益な米・小麦の3年5作体系を提案。……
2021年01月16日
農業分野の技能実習生 1~3月2000人予定 人手不足を懸念 入国停止で農相
野上浩太郎農相は15日の閣議後記者会見で、1~3月に来日を予定していた農業分野の外国人技能実習生らが約2000人に上ると明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、技能実習生を含む外国人の新規入国は停止中で、生産現場の人手不足が問題となる可能性がある。野上農相は影響を注視しつつ、代替人材の確保を後押しする考えを示した。
昨年12月末時点で今年1~3月に来日予定だった技能実習生らの数を、都道府県やJAなどに聞き取ってまとめた。昨年もコロナ禍による入国制限で3~9月に技能実習生ら約2900人が来日できず、人手不足となる農業経営が出ている。
野上農相は会見で「今後、日本にいる技能実習生らの在留延長や他産業からの雇用などによる代替人材の確保が必要になっていく」と指摘。代わりの人材の確保に必要な経費を支援する「農業労働力確保緊急支援事業」を通じて、生産現場を支える考えを示した。
政府は14日から緊急事態宣言の解除まで、例外的に認めていた技能実習生らビジネス関係者も含めて外国人の新規入国を一時停止している。
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2021年01月16日

なくそうコロナ差別 「シトラスリボン」で運動 愛媛・JA松山市
JA松山市CS(顧客満足度)向上委員会は、新型コロナウイルス感染者や医療従事者への差別をなくす運動「シトラスリボンプロジェクト」に乗り出した。全職員が各自でリボンを作り、制服の胸元や各職場内に掲示して賛同の意を示す。今後は来店客にもキットやリボンを配り、地域への波及効果も期待する。
プロジェクトは、コロナ禍で生まれた差別や偏見を耳にした県内の有志が、住みやすい社会を目指し始めた。……
2021年01月18日

冷食販路拡大に注力 各産地野菜の特色生かす ホクレン×JA宮崎経済連 共同開発
ホクレンがJA宮崎経済連と連携して開発した冷凍食品が好評だ。北海道で製造していない宮崎産の冷凍野菜と組み合わせ、ラインナップの強化を図る。北海道、宮崎共に両産地の野菜を使った冷凍食品の販路拡大に力を入れたい考えだ。
ホクレンは、道内外の協力企業でミックスベジタブルやカットポテト、カボチャなど道産野菜を使った冷凍食品を製造し、販売する。……
2021年01月17日
四季の新着記事
営業先で食事どころをぶらりと立ち寄り、食べたいと思ったものを気兼ねなく食べる
営業先で食事どころをぶらりと立ち寄り、食べたいと思ったものを気兼ねなく食べる。その至福の表情がいい▼食通に人気の「孤独のグルメ」(テレビ東京)である。輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎を演じる松重豊さんの食べっぷりと、“独り言”が人気に火を付けた。和洋なんでもあるが、入るのは庶民的な店。9年前に始まったグルメドキュメンタリーは、韓国や台湾など海外でも好評を博す▼放送後は、並ばないと入れなくなるので、「じっくり味わうには、放送前がいい」との知人の紹介で、昨年末、大みそかに放送される直前の店に入った。東京・虎ノ門のビル街の一角に、撮影舞台となった西洋料理「平五郎」はあった。ステーキもおいしいが、福島産を使ったというご飯に、舌鼓を打つ。肉と米。相性の良さの再発見である。五郎さんも高菜の油炒めを載せ、「何杯でもいける」▼こんなにおいしい米の消費が減って、生産者は36万トンもの減産に頭を悩ます。理由はいろいろある。とぐのが面倒だとか、おかずがいるだとか、他に食べるものがあるとか。飢餓に苦しむ人々から見ればぜいたくな悩みだろうが、日本の主食の現実である▼食卓の向こうで水田が荒れる。こんな時こそ、みんなでご飯をもう一杯。きっと農村が救われる。
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2021年01月21日
めっぽう寒い日が続くと思ったら、春の日差しが注ぐ
めっぽう寒い日が続くと思ったら、春の日差しが注ぐ。いつも季節は移ろう▼きょうは大寒(だいかん)。寒さが一番厳しい時季に入った。今冬は、冬型の気圧配置が続き、日本海側は年明けから大雪に見舞われた。故郷からは、「屋根から下ろした後の処分に困っている」との便りが届く。物理学者の中谷宇吉郎は、「雪は天から送られた手紙」としゃれたが、こうも多いとうんざりだろう。雪国に住む人々には、晴天続きの太平洋側がうらめしい時季でもある▼それでも、春への序章は始まっている。「三寒四温」。7日の周期で寒暖を繰り返し、春の気配が漂うようになる。大寒の初候は、「款冬華」。〈ふきのはなさく〉と読む。いてついた地面に、フキのとうが出始める頃を表した。まだしばらく寒さは続くが、地の下では春への支度が着々と進んでいる▼先日、近くの公園を歩いていたら、ロウバイが透き通るような黄色い花をつけていた。かれんである。中国が原産であることから唐梅(からうめ)ともいう。玉梅、スイセン、サザンカと合わせ、雪中四友(せっちゅうしゆう)と呼ばれ、文人画に好んで描かれた。〈素通りのできぬ蝋梅(ろうばい)一樹あり〉青木陽子▼受験シーズンが佳境に入った。コロナに負けず、乗り切ってほしい。みんなに、「サクラサク」の知らせが届きますように。
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2021年01月20日
江戸時代の俳諧師井原西鶴が残した言葉に、「人間は欲に手足のついたるものぞかし」がある
江戸時代の俳諧師井原西鶴が残した言葉に、「人間は欲に手足のついたるものぞかし」がある▼人間誰にでも欲望があり、その欲望を満たしたい誘惑に駆られる。そんな人間の「さが」を表した。無理難題でも、大金を積まれれば、心を動かさない人はそういない。〈地獄の沙汰も金次第〉という格言まで残っている。きれい事だけの世の中ではなかろうが、閻魔(えんま)様の裁きも金次第では正義が廃る▼民主政治の健全な発達が害されてはならない。そんな目的で、戦後、政治腐敗を懸念したGHQ主導で、政治資金規正法が作られた。そして、不祥事のたびに規制が強化された。まるでいたちごっこだが、またぞろ「政治とカネ」が絡む疑惑である▼安倍前政権下で農相を務めた吉川貴盛氏が、収賄罪で東京地検に在宅起訴された。在任中に、大手鶏卵業者「アキタフーズ」前代表から、現金500万円を受け取ったとされる。前代表は、家畜のストレスを減らす国際基準案が国内業者に不利にならないように働き掛けた、という。大臣室を現ナマの受け渡しに使うとは、言語道断。まさか、農林行政がゆがめられたとは思いたくないが、国会での究明が必要だろう▼新型コロナ禍でも、必死に食料を供給する農業者が見詰める。自民党は、襟を正すしかない。
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2021年01月19日
〈百日の説法屁(へ)一つ〉
〈百日の説法屁(へ)一つ〉。菅首相が昨年12月14日の夜、8人で会食したとの報に接し頭に浮かんだことわざである▼100日にわたり仏の教えを説いた坊さんがうっかりおならをしたことで、ありがたみが台無しになったという話。長い間の努力もわずかな失敗で無駄になることの例えである▼首相はこの日「GoToトラベル」の全国一斉停止を発表した。遅きに失したとはいえ、コロナ感染防止優先へとかじを切る姿勢を示したように見えた。その直後の会食。政府が「原則4人以下で」と呼び掛けているのを尻目に、である▼今、国会議員の会食が問われている。首相が批判された後も大人数でのそれが相次いで発覚。各党は飲食を伴う会合の自粛などを呼び掛けている。きょう召集の国会に政府は、コロナ特措法などの改正案を提出する。時短営業の要請に応じない事業者などへの罰則を設けるという。〈身をもって範を示す〉。松下幸之助の言葉である。「(そういう)気概のない指導者には、人びとは決して心からは従わない」(『松下幸之助一日一話』)▼感染対策に強制力を持たせる決定を国会が下すのであれば、自らを厳しく律していると分かる形で示すことが肝要である。そうでなければ立法府への国民の信頼が揺らぎ、法案への支持は得られまい。
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2021年01月18日

日の出パッションフルーツプリン 東京都日の出町
東京都日の出町の温泉施設「生涯青春の湯つるつる温泉」が製造・販売する。町内の野口農園が栽培したパッションフルーツと福嶋牧場の搾りたての牛乳を使った新商品だ。
濃厚な牛乳にジャム状にしたパッションフルーツを練り込んだ。
プリンは柔らかく滑らかな口溶けで、パッションフルーツのソースに入っている果実の種が食感にアクセントを加える。お年寄りから子どもまで楽しめる甘酸っぱくてトロピカルな味わいだ。
同温泉の職員が開発し、週末に売店で販売。「地元の農産物を使った商品開発を展開し、来場客に地場産品をPRしていきたい」と意気込む。
1個200円。問い合わせは「生涯青春の湯つるつる温泉」、(電)042(597)1126。
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2021年01月18日
焼け焦げたがれき、白い花束、線香のにおい、手を合わせる人
焼け焦げたがれき、白い花束、線香のにおい、手を合わせる人▼1995年1月17日未明に発生した阪神・淡路大震災の記憶である。大火災に襲われた神戸市長田区を取材した。あれから26年。町並みは復興しても災害は続いていることを『希望を握りしめて 阪神淡路大震災から25年を語りあう』で知る。高齢化する復興住宅と孤独死、心身に障害を負った「震災障害者」とその家族の苦しみ…▼編者の牧秀一さんは「よろず相談室」を立ち上げ、被災者を訪問し、生活支援を続けてきた。本書はその活動の記録と被災者の人生の証言集。「ひとときでも話し相手になることは、『置き去りにされていない』と実感できる時間になる。少しでも気持ちが晴れれば、少しずつ前を向けるようになる。そう信じてやってきた」。遠くにいても手紙を書くことがつながり続ける支援になるという▼東日本大震災をはじめその後も震災は相次ぎ、気象災害は頻発。コロナのような疫病は世界同時災害をもたらす。一方でボランティアや寄付、クラウドファンディング、ふるさと納税、応援消費など支援の仕方は多様化し、ネットの普及でつながり方も広がった▼誰もが被災者になり、誰もが支え手になれる時代。大切なのは「お互いさま」の精神と「忘れない」との思いだろう。
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2021年01月17日
1991年1月17日、米国主導の多国籍軍がイラクを空爆し、湾岸戦争が始まった
1991年1月17日、米国主導の多国籍軍がイラクを空爆し、湾岸戦争が始まった▼イラクによるクウェート侵略が原因。フセイン大統領は、米国は介入しないと判断していたとされる。イラクは敗北し、米国の「テロとの戦い」でフセイン政権は崩壊した。指導者の判断ミスは国を危うくする▼38年1月16日は日本にとってそうした日である。日中戦争の最中、近衛文麿首相は「国民政府を対手(あいて)とせず」と声明。「和平なんてしないというもので(略)泥沼化」(半藤一利著『昭和史1926―1945』)。日本はその後、三国同盟の締結、南部仏印進駐と対米戦争への道を進む。時の首相も近衛で、石油の全面禁輸など米国の報復に驚いたという▼政治学者の猪木正道さんは『日本の運命を変えた七つの決断』で、太平洋戦争の開戦では「東条よりは近衛の責任の方がはるかに重い」と断罪。「与えられた状況のもとにおいては、最も有利な、最も危険のない道を選ぶのが政治家としての使命」と指摘する。日本のコロナ初感染者の発表から1年。爆発的感染拡大に近い地域が増え、入院に優先順位を付けなければならない事態も生じている。政治家の使命に照らし菅首相の責任はいかほどか▼前出の半藤さんが亡くなった。著作から史実の見方を学んだ。
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2021年01月16日
「全米が泣いた」をうたい文句にした映画「大コメ騒動」が封切られた
「全米が泣いた」をうたい文句にした映画「大コメ騒動」が封切られた▼映画は、大正7(1918)年、富山県で起きた米騒動の史実による。主人公は、米を船に積み込む漁村の「おかか」たち。シベリア出兵を控え、米の価格が高騰する。家族と暮らしを守るため、米問屋に直談判、ついには米の積み出しを阻止しようと体を張って実力行使し、価格引き下げを勝ち取る。「女米一揆」は新聞で取り上げられ、各地の運動に火をつけていく▼働く女性による民主化運動の嚆矢(こうし)だろう。映画でリーダー役のおばばが言い放つ。「理想や主張で腹いっぱいになるんがやったら、誰も苦労せんわ」。資産家や警察の脅しに一歩も引かない。「負けんまい」「やらんまいけ」。命懸けの決起が、社会を動かしていく▼主演の井上真央さんが、公開イベントで語っている。「名の無い人たちの頑張ろうとする力が(社会を)大きく変えていくのだろうなと思う。この時代に勇気を与えられるような作品になっていると思います」。コロナ禍に豪雪被害。井上さんは、大変な時だからこそ、映画や娯楽が「一筋の光」になればと願う▼時は移り、世は空前の米余り。値崩れの危機を前に政府の腰は重い。「令和の米騒動」で、「全米作農家が泣いた」とならぬよう祈る。
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2021年01月15日
またぞろ巣ごもりに逆戻り
またぞろ巣ごもりに逆戻り。そこで少し頭の体操にお付き合いを▼次に掲げる歌を声に出して読んでいただきたい。「鳥啼(な)く声す 夢覚(さま)せ 見よ明け渡る 東(ひんがし)を 空色栄(は)えて 沖つ辺(へ)に 帆船群れ居ぬ 靄(もや)の中(うち)」。実はこれ「いろは歌」。仮名48文字を1字ずつ織り込んだ作品▼日本語博士・藁谷久三さんの『遊んで強くなる漢字の本』にある。明治36(1903)年、「万朝報」という日刊新聞が募集した「いろは歌」の傑作である。次は回文の秀作。「時は秋 この日に 陽たづねみん 紅葉(こうえふ)錦の葉が 龍田川(たつたがは)の岸に殖(ふ)え 鬱金(うこん)峰づたひに 陽の濃き淡(あは)きと」。全部仮名にして、下から読んでほしい。そのすごさが分かる▼作者や出典はよく分かっていない。だが日本語博士をもってしても、この詩文の長さと出来栄えに匹敵する回文は見たことがないという。「たけやぶやけた」に比べるのは失礼だが、万葉の趣さえ漂う。個人的に好きなのは、不謹慎ながら故立川談志師匠を読み込んだ「だんしがしんだ」▼ネットの回文専門のサイトにはコロナ禍を読んだ傑作が多い。「策ないわ 探すも菅さ ワイ泣くさ」「菅の危機警告 小池聞き逃す」。その見事さに脱帽。脳トレに回文作り、あなたもいかがですか。憂さ晴らしにもうってつけ。
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2021年01月14日
冬将軍というより白魔である
冬将軍というより白魔である。「家から出るのも大変」。富山の親戚から悲痛な声が届く▼北陸や新潟などは、死傷者も後を絶たず、自衛隊派遣の非常事態に。その惨状はさながら現代の『北越雪譜』である。同書は、越後の商人で文人でもあった鈴木牧之による迫真の豪雪ルポ。江戸のベストセラーにして名著である。雪国に住む者の恨み節が随所に出てくる。意訳するとこんな具合だ▼暖かい地方の人は銀世界をめで、舞い散る雪を花や宝石に例え、雪見の宴などを楽しむが、毎年3メートルもの雪に覆われるこちらの身にもなってほしい。楽しいことなどあるものか。雪かきで体は疲れ果て、財産も費やし、苦労の連続だ─。今も昔も変わらぬ豪雪地帯の悲哀だろう▼コロナ禍や雪害に苦しむ人たちに一足早く春を届けようと、富山市花き生産者協議会が、富山駅の自由通路を特産の「とやま啓翁桜」で飾り、道行く人を楽しませている(13日まで)。産地の山田村花木生産組合では、豪雪で配送に影響が出たが、今月約5万本の出荷を見込む。「人々の心に安らぎを届けたい」と石崎貞夫組合長▼暖かい部屋で7、8分咲きにした後、涼しい場所に移すと1カ月は花を楽しめるという。凍(い)てつく冬に咲く桜のように、つらく厳しい時を乗り越えたい。
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2021年01月13日