白未熟粒米の発生予測 早期対策へ 花を解析、 特許出願 新潟県農総研
2021年02月21日

開花後5~7日の花のサンプルを解析し、白未熟粒の発生率を診断する(新潟県農業総合研究所提供)
新潟県農業総合研究所は、採取した稲の花のサンプルから白未熟粒の発生率が予想できる診断技術を開発した。見た目では分かりづらい高温障害のリスクをいち早く判断し、品質が低下する前に水管理などの対策実施につなげる狙い。診断技術は現在、特許出願中だ。……
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和牛 世界に向け発信 動画150万回再生 JFOODOの動画話題
和牛の魅力を台湾、香港の消費者に発信しようと、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)が作成した動画「和牛100%.TV」が話題だ。タレントの照英さんが産地を巡り、和牛のおいしさの秘密に迫る内容で、「日本和牛こそが他国産WAGYUとは異なる本物の和牛であることを効果的に伝えたい」と狙う。
山形、滋賀、宮崎、鹿児島の生産者らが登場する産地編と、おいしい食べ方を紹介するクッキング編の計8本を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開し、合計再生回数は約150万回に上る。特に産地編の再生回数が多く、日本の和牛生産への関心の高さがうかがえる。
各回とも5分ほどの動画で、生産者の和牛に懸ける思いや、徹底したトレーサビリティー(生産・流通履歴を追跡する仕組み)などを紹介。宮崎編では、輸出向け認定施設として和牛の食肉処理などを手掛けるミヤチクや、宮崎県立高鍋農業高校の生徒らが出演する。
台湾、香港向けの字幕付きだが、音声は日本語のため、国内の消費者も楽しめる。飼料の工夫や、子牛ごとに与える乳量を管理できる哺乳ロボットの活用など、各生産者の飼養管理も学べる。
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2021年04月18日
原発処理水 海洋放出を決定 風評被害を懸念 農業関係者落胆「極めて遺憾」
政府が13日、東京電力福島第1原子力発電所から出る放射性物質トリチウムを含む処理水を海洋放出する方針を決めたことを受け、福島県の農業関係者からは、落胆と同時に風評被害を懸念する声が上がった。JA福島五連の菅野孝志会長は「福島県の第1次産業に携わる立場として極めて遺憾である」とコメントを発表した。
JA福島県青年連盟の手代木秀一前委員長は、「われわれの思いが反映されなくて残念」と無念さをにじませる。県青年連盟は、国が処理水の処分方法に関するパブリックコメントを募集していた際に、海洋放出などには反対し、トリチウム分離のための技術開発への支援を要望していた。
県内の農家が懸念しているのが農畜産物への風評被害だ。手代木前委員長は「これ以上の風評被害が起きないことを祈るが、いろいろな対策をしても風評被害は起こるのではないだろうか。県産農産物の競争力が落ちないか心配だ」と今後を懸念する。
菅野会長は「政府が説明する風評被害の発生抑止対策には具体性がない」と指摘した。
事故後10年経過した現在も農林水産物の風評被害が継続している実態から、「処理水の海洋放出は海産物ばかりでなく、県農林水産業の衰退が加速するとともに、風評被害が拡大することは確実」とした。
これに加えて「一層の研究開発により、放射能物質の完全除去ができる技術開発を進めるとともに、その間は貯蔵タンクの増設などにより本県農林水産物の安全・安心情報を守るよう切望する」と表明した。
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2021年04月14日

「しみずみらい応援団」プロジェクト テーマ曲CD化 静岡・JAしみず
静岡県のJAしみずは、農産物買い取り販売の売り上げの一部をあしなが育英会に寄付する「しみずみらい応援団」プロジェクトのテーマソングCDを制作した。楽曲で活動を広げようと、歌手を全国から募集。応募者32人の中からオーディションで、京都府出身の本井美帆さんを選んだ。
やさしさを少しずつ
作詞作曲はJA元常務の池田省一さん。……
2021年04月16日

即駆け付け農機修理「Dr.car」出発 農家負担軽減 信頼構築へ JAぎふ
JAぎふは4月から、圃場(ほじょう)で農業機械が動かないなどのトラブルを素早く解決するため、農業機械の整備士が現場に急行する「農機のDr.car(ドクターカー)」の運用をスタートした。
農作業中に機械が故障するなどのトラブルが起こると、農家は、農機を農機センターへ持ち込むが、作業時間のロスや搬入コストなどの課題があった。……
2021年04月17日
気の利いた言葉を残せたら、後悔だらけの人生も少しは救われる
気の利いた言葉を残せたら、後悔だらけの人生も少しは救われる▼「北の国から」(フジテレビ)で主役を演じ、先月88歳で亡くなった田中邦衛さんのせりふが、胸を打つ。「金なんか望むな。倖(しあわ)せだけを見ろ。ここには何もないが自然だけはある。自然はお前らを死なない程度には充分毎年喰(く)わしてくれる。自然から頂戴しろ。そして謙虚に、つつましく生きろ。それが父さんの、お前らへの遺言だ」(『北の国から2002遺言』)▼北海道勤務時代、舞台となった富良野市に何回足を運んだろう。東京が嫌になった男が故郷に帰って、自然の中で生きる。脚本を書いた倉本聰さんから、「一番情けない」印象だったことで主役の黒板五郎役に選ばれた。あまりにぴったりの役だった。今も憧れる▼昭和という時代がどんどん遠ざかる。大きな足跡を残し、訃報が続く。NHK連続テレビ小説「おしん」の脚本を書いた橋田寿賀子さんが、今月亡くなった。享年95。貧乏のどん底からはい上がる女性一代記の名は、「辛抱のしん」などから生まれたと聞く。両親と別れ、筏(いかだ)に乗って最上川を下る場面は、涙が止まらなかった▼きょうは遺言の日。どんな言葉を残そうかと考えながら、お二人のご冥福を祈る。
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2021年04月15日
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2021年04月18日

酪農家向けに点検表 働き方改革を簡易診断 日本生産性本部
日本生産性本部は、日頃の作業に安全性への配慮が足りない部分や、無駄がないかをあぶり出す酪農家向けの「チェックリスト」を開発した。列挙した「やってはいけないこと」が自身の経営にどれだけあるか確認していけば、改善すべき部分が分かる。今後セミナーなどで使い方を説明し、問い合わせがあれば無料で提供する。
「カイゼン」を応用
同本部は企業の人材育成やコンサルティングを手掛ける。……
2021年04月16日

東日本各地で凍霜害 雌しべ枯死広範 山形・サクランボ
先週末の関東から東北にかけての広い範囲で発生した冷え込みの影響で、果樹を中心に各地で凍霜害が出ている。特に国内生産量の7割を誇る山形県のサクランボでは広い範囲で雌しべが枯死し、作柄への影響が懸念されている。
山形県天童市の大町さくらんぼ園では「紅秀峰」を中心に被害を受けた。武田章代表は「近年ない規模での凍霜害。生育が前進し、花が咲きかけていた」と話す。防霜ファンを回したが、氷点下4度近くまで冷え込み、被害が避けられなかった。「昨年はコロナ、今年は凍霜害と生産者にとっては厳しい年が続く」と嘆く。
十分な対策も…サクランボ直撃 想定外の低温 肩落とす
全国随一のサクランボ産地である山形県では、低温による凍霜害で、生産者が悲鳴を上げる。白い花の中、緑色に伸びているはずの雌しべが茶色に染まり、枯死が相次いで確認された。産地は残る雌しべを守り、確実に受粉できるように対策を呼び掛ける。(高内杏奈)
残った雌しべ「受粉確実に」
出荷量が上位の東根、天童、寒河江の各市では、3月から気温が高く降水も少なかったため、サクランボの発芽は平年より5日程度早まっていた。10日から11日未明にかけて最低気温がマイナス4度近くに下がり、長時間の低温が影響。開花直前という最も霜に弱い時期に低温・降霜が重なり、被害が相次ぐ事態となった。
JAさがえ西村山の秋場尚弘さくらんぼ部会長は「ここまで気温が下がるとは思わなかった」と肩を落とす。秋場部会長は、約50キロの収穫を見込む木で雌しべの枯死を確認。「収量は半分あるかどうか心配。ここしばらく日中の気温も低い。例年は15度程度だが、10度を下回る日が続いている。今夜も心配で眠れそうにない」と打ち明ける。 県全体の雌しべの枯死率は主力「佐藤錦」が20~60%、大粒の晩生「紅秀峰」は40~80%に達する。特に「紅秀峰」は晩生ながらも他品種より発芽が早いため、降霜の打撃を大きく受けている。
凍霜害対策として、樹上からマイクロスプリンクラーなどで連続散水し、凍るときに放出する熱を利用する散水氷結法がある。東根市で1・2ヘクタール栽培する岡崎貴嗣さん(47)はこの方法で対策を立てていたが、それを上回る低温で雌しべの枯死が確認された。
同市は昨年、新型コロナでサクランボ狩りに来る観光客が激減した。だが、ふるさと納税などで着実にファンを獲得してきた。岡崎さんは「来年も買うと言ってくれた消費者を裏切らないよう、残った雌しべの受粉を確実にしたい」と人工授粉の徹底で着果率を高めることを誓った。
JAさがえ西村山は14日に緊急会議を開いて被害状況を把握。生産者に、ちらしなどで凍霜害対策と人工授粉の徹底を呼び掛けることを確認した。
福島県では梨や桃などの果樹とアスパラガスで被害が出た。長野県では、11日現在で10市3町2村の農作物被害が、2億4220万円に上った。松本地域ではリンゴや梨などの果樹やアスパラガスに被害が出た。
栃木県によると、13日現在、梨で約5億4938万円の被害が発生。芳賀町や高根沢町など3市3町で花への低温障害が生じた。群馬県でも14日現在各地で梨、リンゴ、柿、サクランボの花が枯死する影響が出た。
新潟県内では新潟市など9市町で果樹の凍霜害が発生。13日現在、梨を中心に西洋梨や柿、桃など約400ヘクタールで花芽の褐変が確認されている。
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2021年04月15日

疑似グルーミング装置使用 子牛の体重2割増 農研機構
農研機構は、母牛の毛繕いを再現できる電動回転ブラシ「子牛用疑似グルーミング装置」を使うと、使わなかった子牛に比べて体重の増加率が2割高かったと明らかにした。群飼育移行時の生存率も高かった。同機構は「乳用牛に比べて誕生時の体重が軽い黒毛和種は肺炎や下痢などの影響が大きい」として、肉用牛の繁殖農家でのメリットを説明する。
ナイロン製のブラシは長さが40センチ、直径17センチの円柱状で、牛舎の柱などへ子牛の体高に合わせた位置に取り付ける。牛がブラシに体を押し付けるとスイッチが入ってモーターが毎分30回転し、体を離すと止まる。
農研機構が開発し、2016年から農家での実証を続ける。同機構畜産研究部門の矢用健一主席研究員によると、これまでの実証で黒毛和種の生後3カ月間12頭1群で飼った場合、ブラシを使用した牛は、使用しなかった牛と比べて体重の増加率が23%向上。群飼育移行時にブラシを使わなかった牛は10頭残存したが、ブラシを使うと11頭残った。試験では子牛1頭が1回約1分で、1日20分ほど装置を使っていた。
養牛農家では、母牛の発情を早く促すために生後1週間ほどで子牛を母牛から離して飼育する。子牛は母牛に体を毛繕いしてもらう「グルーミング」を受ける機会が減ると、ストレスになる恐れがあるという。
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=yswKRrjaVxs
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2021年04月14日
消石灰のコンクリ散布 効果発揮には「水まき」必須 室蘭工業大
室蘭工業大学は、家畜疾病の原因となる細菌やウイルス対策に使う消石灰について、消毒効果を得るには水分が15~20%程度必要だと突き止めた。土に散布する場合は直接散布で使えるが、乾燥したコンクリートには消石灰20キロ当たり3~4リットルの水を散布すべきだとした。消毒効果の持続期間は屋外で2週間から1カ月で失われることも確かめた。
研究は口蹄疫(こうていえき)や豚熱、鳥インフルエンザの対策として……
2021年04月13日

緑肥作物でリン酸減肥 キャベツ、ニンジン2割 ソルガムのすき込み有効 千葉県農林総研センターが実証
千葉県農林総合研究センターは、冬取りキャベツと秋冬ニンジンの作付け前に緑肥作物を栽培してすき込むと、元肥のリン酸を2割ほど減らせることを確認した。土壌微生物中のリン酸が増え、リン酸の吸収量が増えたとみる。有機物の補給効果で、土づくりにもつながると期待する。
冬取りキャベツの作付け前にすき込むために、5月下旬から6月上旬に緑肥作物のソルガムを播種(はしゅ)し、8月にすき込む。……
2021年04月09日
農機 交通死亡事故減らず 8割単独、誤操作が主因 昨年23件
トラクターなど農耕作業用自動車が絡んだ交通事故のうち、死亡事故はほとんど減らず、横ばいで推移していることが警察庁の集計で分かった。死亡事故の8割が単独事故で、その要因はハンドルなどの「操作不適」が7割を占めた。警察庁は農水省と連携して確実な運転操作や、シートベルトとヘルメットの着用などを呼び掛けている。
警察庁がまとめた「農耕作業用自動車の交通事故発生状況」によると、2020年の死亡事故は23件、重傷事故は31件。……
2021年04月08日
省力樹形で事例集 果樹作業負担を軽減 農研機構
農研機構は、果樹の省力樹形の栽培事例集を作成した。国のプロジェクト研究の成果をまとめたもので、開発した自動走行車両や収穫ロボットも盛り込んだ。機械が導入しやすく、作業者の負担が少ない樹形を提案し、高齢化や人手不足への対応を目指す。同機構のホームページで公開している。
対象の品目は温州ミカン、中晩かん、リンゴ、日本梨、西洋梨、ブドウ、柿、オウトウ、桃、栗。……
2021年04月08日

ICTを駆使 水害対策に
水害対策に、川や池の増水を知らせるシステムが相次いで登場している。近年相次ぐ水害から情報通信技術(ICT)を駆使して命を守ろうとするものだ。地域の防災関係者などに通知し、住民に知らせるなど“防災力”の向上に期待をかける。
内水氾濫を検知 亀岡電子が京都で実証
センサーメーカーの亀岡電子は3月から、水路脇や道路脇に設置する浸水検知センサー「KAMEKER(カメカー)3」を売り出した。……
2021年04月07日

農家から店舗へ イチゴ積み公道走る ロボ2台リレー自動配送 任せて 茨城県で初実験
新型コロナウイルス下、高齢化が進む農村部での新たな物流技術の開発へ──。農家から集荷した農産物をロボットが公道を走行して店舗まで自動で配送する実証実験が、茨城県筑西市の道の駅「グランテラス筑西」で始まった。自動運転技術と配送ルートを最適化する技術を組み合わせた2台が、公道を利用して作業を行うのは国内初という。担い手不足対策や高齢化などで運転免許を返納しても農産物を出荷でき、コロナ禍での接触感染防止にも期待がかかる。実験は13日まで。(木村泰之)
労力減、感染予防も
実験では、原動機付き自転車の扱いでナンバープレートを付けた公道走行用と、道の駅の敷地内を走るロボットを組み合わせて、農園前から店舗まで届ける。初日、道の駅近くの90アールでイチゴを栽培する石川正吾さん(46)が、公道走行用ロボットにイチゴ約2キロを積み入れた。ロボットは農園前から道の駅へ出発し、無人で走行した。道の駅に着くと、関係者の手で構内用ロボットに積みかえた。安全を確認する随行者と店舗までの合計約200メートルを時速3キロで走った。
石川さんは「直売所には1日7、8キロのイチゴを出荷する。忙しくなると人手もままならない。コロナ禍で人との接触を避けたい農家が、道の駅まで出向かなくても出荷できるようになる」と新たな相棒を歓迎した。
13日までに石川さんの他、片道1キロ圏内の農家から小玉スイカやミニトマトなどを集荷したり、道の駅の商品を近隣の民家に届けたりする。
このロボットは、電動車椅子を改造したものだ。ベンチャー企業のティアフォーなどが開発した。三次元地図を記憶させてセンサーで感知した周りの状況を、人工知能が選んだ最適なルートで重さ10キロまでの荷物を運ぶ。人が遠隔監視をするが、障害物があれば自動で止まる。
実験の事務局を務める東京海上日動営業企画部の松下雄担当課長は「1台で作業を完結できることが目標だ。農家からJAの集荷場など基地までの1、2キロを自動配送ロボットが出荷を担い、免許がなくても農業を続けてもらえる社会にしたい」と力を込めた。
須藤茂市長も「自動配送ロボットは、高齢化など農業を取り巻く課題の解決だけでなく、コロナ禍で求められる非接触物流システムの可能性も検証できる」と期待した。
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=yswKRrjaVxs
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2021年04月06日