全国13生花卸連携 共同仕入れ視野に 協議会始動
2021年03月04日
大田花きやなにわ花いちばなど、花き卸13社が市場機能の強化を目的に立ち上げた協議会が3日から本格始動した。物流の効率化に加え、市場が地域の花き産業を活性化する役割を担えるよう、花き卸の再編を視野に改革に乗り出す。共同仕入れ体制の確立や地方卸の集荷機能の強化などを図り、産地に信頼される市場の確立を目指す。
名称は「勉強会―共同仕入機構―日本地域文化振興協議会」。……
名称は「勉強会―共同仕入機構―日本地域文化振興協議会」。……
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法人議決権緩和 規制改革WG内でも異論 優良農地支配を懸念
政府の規制改革推進会議農林水産ワーキンググループ(WG)が関心を示す農地所有適格法人の議決権要件緩和を巡り、同WG委員の農業経営者から否定的な意見が相次いでいたことが議事録から分かった。要件を緩めた場合、農業関係者以外の資金力がある出資者に農地を支配されかねないなどの指摘が出た。身内からも異論が噴出したが、同会議は要件緩和を迫る姿勢を崩していない。
資金調達円滑に→経営権脅かす
こうした指摘が出ていたのは3月5日のWG会合。……
2021年04月11日

「高知なす」機能性を前面に 販売戦略紹介 JAグループ
JAグループ高知は12日、機能性表示食品「高知なす」のお披露目会を高知市で開いた。JA高知県の秦泉寺雅一組合長や信州大学の中村浩蔵准教授らが出席。17日の「なすび記念日」を前に、「高知なす」に含まれる血圧改善効果など機能性成分や、機能性を生かした今後の販売戦略について報道関係者らにPRした。
JAグループ高知で生産・出荷する「高知なす」は2020年9月、生鮮ナスでは全国で初めて、消費者庁の機能性表示食品に登録された。血圧改善や気分改善の効果があるとされるコリンエステルが他の農産物よりも多い。
中村准教授は「ナス機能性研究の成果と今後の期待」を報告。JAグループ高知は出荷の際の包装について、機能性を表示した新しい包装袋に切り替えていることを紹介した。
機能性表示食品「高知なす」フェアは、関東エリアから地域ごとに始める。機能性をアピールしながら、ドラッグストアなどへの取引提案にも取り組む。
県域高知なす部会の清岡克弘会長は「高知なすのポテンシャルが実証されてうれしい。サプリメントやお菓子の材料など、今後の活用の幅が広がる」と期待を寄せた。
「高知なす」の20年度の出荷量は約2万トン。4~6月の最盛期の出荷量は日量100トンを上回る。JA高知県安芸地区が主産地。
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2021年04月13日
米トランプ政権時に輸入 トウモロコシどこに? 275万トン→実は6万8000トン
あのトウモロコシはどこに──。
14日の衆院農林水産委員会で、2019年8月に安倍晋三首相がトランプ米大統領(ともに当時)に輸入の意向を伝えた米国産トウモロコシの行方を巡るやりとりがあった。
質問者は立憲民主党の亀井亜紀子氏。「前から疑問だが」と前置きすると、「トランプ政権の時にトウモロコシを緊急輸入したかと思うが、どこに行ったのか」と尋ねた。
これに対し葉梨康弘農水副大臣は、19年7月に国内で害虫のツマジロクサヨトウを確認し、食害による飼料不足の懸念が生じたと説明。そこで、農畜産業振興機構の「飼料穀物備蓄緊急対策事業」で米国産を手当てしたと改めて答弁した。
当該トウモロコシの行方について、葉梨副大臣は当初、「国内で保管されて、使用されたということだ」と答弁。だが、直後に「国内で保管されたということだ」と言い直し、輸入後に使われたかどうかは言葉を濁した。
本紙の取材に対し、農水省は「同事業では報告を求めているわけではないが、順次使用されたと考えている」(飼料課)と説明する。輸入量は当初、最大275万トンと想定したが、結果的に害虫の被害が懸念ほど拡大せず、約6万8000トンに収まったという。
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2021年04月15日

本郷和人さん(歴史学者) 母の手料理こそ一番のごちそう
母は栄養士で、東京栄養専門学校という栄養士を育成する専門学校の立ち上げから関与していたんですね。僕が幼稚園の頃、まだ洋食があまり普及していない頃から、母はドライカレーや手ごねハンバーグを作ってくれました。
前の東京オリンピックの時、帝国ホテルの村上信夫シェフが選手村の料理を管轄されていましたが、母はその下で働いていたんです。だから僕の家には金メダルがあるんですよ。料理のスタッフに贈られたわけです。母が言ってましたけど、選手村の調理に携わるに当たって、家系から何から全部調査されたそうです。
うちは両親と僕と弟、それに祖父母と父の姉が住む大家族でした。祖父と祖母は、サトイモの煮っ転がしとかが好きなんですね。母は和食も得意で、祖父母が喜ぶような料理も実においしく作ってくれて。だから僕は、子どもの頃から煮っ転がしとかも大好きでした。
僕は小さい頃、体が弱かったんです。それで親が心配して、小学校1年生の時に、1学期間だけ仙台の田舎に預けられました。毎日、朝露を踏んで駆けっこすると、体が良くなるんじゃないかというような話で。
その時に僕が預けられた家では、農作業もやっていたんですね。出荷しない野菜を食べさせてくれました。おいしかったなあ。仙台で、野菜のおいしさに目覚めました。
東京に戻ってからは、母の漬物のおいしさも分かるようになって。キュウリやナスの漬物があれば、それだけでご飯3杯いける、みたいな感じになりました。
おいしいものをどんどん食べなさい。それが母の教えでした。家でおいしいものを食べたからか、小学校の給食がまずく感じて。今になって思えば、懐かしさは感じますよ。でもおいしいと思ったことはない。よく、給食のことを回想して、「おいしかった」という人がいるじゃないですか。僕には信じられません。
中学・高校時代、母はずっと弁当を作ってくれました。でもそれだけじゃ足りないんです。2時間目が終わると、弁当を食べちゃいました。4時間目が終わると、食堂へ。カレーが80円、ラーメンが70円でした。時々、80円でチャーハンが、70円で焼きそばが出たんです。そちらはけっこう人気。数に限りがあって、あっという間になくなるんですね。チャーハンと焼きそばが出る日は、皆、食堂に向かって飛んで行きました。
母が東京栄養専門学校で働いていた頃、東京大学史料編纂(へんさん)所の菊地勇次郎という方が教えに来ていたそうです。菊地先生は後に史料編纂所の所長になられた方です。食物史を得意としていたので、その講義のためにいらしていたんですね、アルバイトで。母によると、菊地先生はとてもすてきな方で人気があったそうです。小学校4年生くらいの時、歴史が好きだった僕に母が言いました。
「あなたは東大に入って、史料編纂所に行けばいいんじゃない」
僕は27歳で史料編纂所に入りました。その年、京都の醍醐寺に調査に行ったんですよ。その調査団のトップが、史料編纂所を辞めていた菊地先生でした。声は掛けなかったけど、顔は見てます。
母はがんで57歳で亡くなりました。末期は、東大のそばにある日本医大病院に入院したんです。僕は大学から自転車で、母の病床に通っていました。同じ頃、病院には菊地先生も療養されていたのです。不思議なご縁を感じました。(聞き手・写真=菊地武顕)
ほんごう・かずと 1960年東京都生まれ。東京大学、同大学院で日本中世史を学ぶ。東京大学史料編纂所教授。「戦国武将の明暗」「戦国夜話」「日本史のツボ」など多数の著書で歴史を分かりやすく説明する。近著に「『失敗』の日本史」(中公新書ラクレ)、「『違和感』の日本史」(産経セレクト)がある。
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2021年04月10日
東西冷戦後の世界秩序で最も深刻な脅威は、文明と文明の断層である
東西冷戦後の世界秩序で最も深刻な脅威は、文明と文明の断層である▼米国の政治学者のハンチントンが、著書『文明の衝突』で指摘した。世界中を震撼(しんかん)させた「9・11」の同時多発テロは、キリスト文明とイスラム文明の対立の激しさを物語った。あれから20年、今度は、中華文明との激突である。米国が中国との対決姿勢を鮮明にし始めた▼大統領に就任したバイデン氏は、「21世紀における民主主義の有用性と専制主義との闘い」と言い放った。米議会も少数民族ウイグル族への虐待は、「ジェノサイド(大量虐殺)」とする。敵味方をはっきりさせたい国柄ではあるが、トランプ前政権を上回るような強硬姿勢に、中国は敵対心むき出しに▼両国の緊張が高まる中である。菅首相が訪米し、ワシントンでの首脳会談に臨む。台湾問題や、東・南シナ海で活発化する中国の海上覇権活動に対抗する包囲網が話される。それはそれで重要だが、米軍への「思いやり予算」が増額されたり、牛肉のセーフガードの緩和などで農畜産物をこれ以上買わされたりするのは、勘弁願いたい▼地理上も文化的にも、米中に挟まれる日本。断層の懸け橋になるくらいの覚悟なら、世界から見直されるかも。菅外交やいかに。
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2021年04月16日
経済の新着記事
切り花 品目間で明暗 洋花好調、菊は葬儀用が苦戦
春の需要期が過ぎ、切り花相場は品目で明暗が分かれている。家庭用など用途の広いカーネーションやバラといった洋花は平年と比べ1~3割高で推移。一方、葬儀や供え花に使う輪菊や小菊は1~3割安と低迷する。業務用の仕向けが多い産地は、新型コロナウイルス禍の需要不振から販売が減少する中、新たな販路を模索している。(柴田真希都)
直近の取引があった14日の日農平均価格(全国大手7卸のデータを集計)は、カーネーションやバラ、ガーベラが平年比2、3割高。いずれも小幅だが3営業日連続の上昇で、この時期には異例の高値基調だった。「家庭での普段使いの他、開店の祝い花や装飾など用途が広く、売れ行きが良い」(大田花き)。
今年の切り花全体の相場を見ると、1、2月は大きく下落した。大都市圏の緊急事態宣言再発令と低温が直撃し、月別の日農平均価格は平年比2割安の1本当たり53円と低迷。一方、3月は送別会や彼岸向けの仕入れが進んだことから70円と高水準で、販売量も過去2年を上回り、活発な取引となった。
しかし、彼岸が明け通常期に戻ると、菊類などが再び平年を下回る展開に。輪菊は彼岸後から11営業日連続で平年比1、2割安で推移し、14日は39円と2カ月ぶりに40円を割った。小菊も8営業日連続で平年を1~3割下回る。「量販店の仏花束の動きが鈍い。新型コロナの感染再拡大によって、主要な購入層の高齢者が店に行く頻度が減っている」(同)。
通常であれば、小売りや加工業者が前もって多めに仕入れるケースも多いが、コロナ下では消費の先行きが不透明なため、仕入れを必要最小減に抑える傾向だ。物日向けは間際に足りない分をせりで買う業者が増え、せりよりも高く売れるはずの注文販売分があおりを受け、苦戦している。
輪菊の主産地、JA愛知みなみ(田原市)では、今年度の注文の年間契約分が大きく減った。「コロナ禍による葬儀縮小で上位等級の減少が大きい」(同JA)。減少分を補うため、従来輸入品を使っていた業者に置き換えを提案したり、5月の「母の日」に向けた墓参り需要(母の日参り)を当て込み、積極的に注文を取るなど、新たな販路の開拓に努めている。
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2021年04月16日

米の新顔 期待と不安 福島「福、笑い」 秋田「サキホコレ」 需給緩和、コロナ…
米どころの東北地方で、今年から来年にかけて福島県と秋田県のオリジナル品種が相次いでデビューする。県はブランド化に力を入れるが、米の需給緩和や新型コロナウイルス禍が影響し、販売環境は決して良くない。他県の銘柄米も数多くある中、幸先の良いスタートが切れるのか──。生産者は気をもんでいる。(音道洋範)
福島県からは2021年秋に「福、笑い」がデビュー。秋田県では22年秋のデビューを前に、今年から「サキホコレ」の販促を本格化させる。両品種とも、県は“最上位品種”と位置付けている。
「福、笑い」は21年に25ヘクタール、130トンの生産を計画。県やJAなどでつくる協議会が、毎年需給を見極めて生産量を調節することで希少価値を高め、高価格の維持とブランド確立を進める。
「『福、笑い』の存在感を高めていきたいい」と話すのは福島県農産物流通課だ。パッケージは青色を基調にして人々の顔を描いたものを採用。農業生産工程管理(GAP)認証の生産者だけが栽培できるなど、独自性を打ち出す。
福島県白河市で、新品種を栽培する入方ファーム代表の薄井惣吉さん(67)は、福島県産米は原発事故の「風評被害」が残ることを挙げ、「福島の生産者が、希望やプライドを取り戻すきっかけになれば」と思いを込める。
薄井さんによると昨年、「福、笑い」の生産者買い取り価格は1俵(60キロ)1万8000円前後と、同県産「コシヒカリ」を6000円ほど上回った。香りが立ち、強い甘味があると評価され、生産者の期待は大きい。
一方、販売環境は悪化している。農水省によると2月の福島中通り「コシヒカリ」の相対価格は前年比12%値下がりした。今秋以降も米価下落への懸念は根強く、薄井さんは「『福、笑い』がデビュー後にどれだけ市場に受け入れられ、価格を維持できるかが鍵だ」と語る。
秋田県産の「サキホコレ」も、21年秋にプレデビューする。味にこだわりを持つ消費者や飲食店などを主な顧客と想定し、今年は80ヘクタール、約400トンを生産する予定だ。
県は知名度の高い「あきたこまち」で培った販路や米どころのイメージを活用し、販路拡大につなげる考え。首都圏と県内の米穀店や百貨店を中心に売り場を広げていく計画で、「価格以上に価値のある米だと消費者に感じてもらいたい」(秋田米ブランド推進室)と期待する。
ただ、秋田米もコロナ禍や近年の豊作傾向で在庫が増加。県農業再生協議会が20年に行った試算では、21年6月末時点の推定在庫量は15万5733トンと、過去5年で最大となる見込みだ。県の担当者は「『サキホコレ』は販売サイドの関心が高く、数量も少ないため影響はない」とみるが、秋田米を扱うある米穀業者は新品種に期待しているとした上で「メイン品種の値下がりが止まらない中、ブランド米への下押し圧力も相当なものになるだろう」と不安を抱える。
明確な印象 打ち出せるか
農産物のブランドづくりに詳しい静岡県立大学の岩崎邦彦教授
米は毎年さまざまな銘柄米が出ているが、消費者が明確なイメージを持っている銘柄米は極めて少なく、ブランドではなく商標にとどまっているのも多い。
農産物のブランドを確立させるためには、産地が明確なイメージと特徴を持ち、それを消費者に共有してもらうことが大切だ。
味や食感などはもとより、形状、栽培方法など何らかの形で日本一と打ち出せるほどの個性を持つことが必要ではないか。
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2021年04月13日

イチゴ輸出に勢い 2カ月で前年の8割 アジア圏中心
イチゴの輸出に勢いがある。財務省貿易統計によると2月のイチゴ輸出量が493トンとなり、単月では初めて10億円を突破。輸出量も、1月から2カ月連続で前例のない400トン超えとなった。日本産の品質面への評価に加え、新型コロナウイルス下の巣ごもり需要を海外でも獲得している。(高梨森香)
大粒・食味に定評 コロナ下の巣ごもり需要つかむ
日本産イチゴは香港、シンガポール、タイ、台湾、米国などに輸出。2014年から輸出量が伸び、18年には過去最高の1237トンを記録した。19年は不作で1000トンを割り込んだが、コロナ下で物流が停滞した20年も1179トンと18年に次ぐ輸出量を維持。10年と比べて11・5倍になったが、21年はその20年の年間量の8割に当たる913トンを2カ月間で輸出している。
日本産イチゴは海外市場では国内価格の3~6倍で流通するが、大粒の見た目や食味の良さから現地の富裕層を中心に人気が高い。福岡県のJA全農ふくれんの担当者は「コロナ下で輸送用の航空便が減便となる課題があった一方、訪日できない外国人の現地での家庭消費が旺盛だった」と指摘する。
イチゴは輸出の有力品目で、「今後、さらに需要は拡大する」(全農インターナショナル担当者)との見方は多い。越境のインターネット通販サイトを活用した輸出を進める主産地の栃木県は、シンガポールやマレーシアなどで県産イチゴを使った料理教室をコロナ下も開催。海外市場への売り込みを強める姿勢だ。
政府は農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略で25年にイチゴの輸出額86億円を目標に掲げ、全国12産地を「輸出産地」に指定。国内需要を満たした上で輸出向けも確保できるよう生産基盤の強化を急ぐ。農水省は「基盤強化を軸に、流通段階での品質保持、相手国の防除基準やニーズに合わせた生産で輸出量を伸ばしていく」(園芸作物課)と話す。
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2021年04月11日
台湾、56年ぶり干ばつ 農産物被害 日本産に期待高まる
台湾で昨年、1964年以来初めて台風が上陸せず、降雨量は、地域によっては例年の2~6割に減少した。その影響で、タマネギなどの農産物に被害が生じている。今後も干ばつ傾向が続くことが見込まれることから、有力な輸入国である日本に期待する見方も出ている。
日本の農水省に当たる農業委員会(農委会)によると、昨年、台風が上陸しなかったため降雨量は例年の2~6割に減り、56年間で最も少ない年となった。&
干ばつの影響で、8日現在、3715ヘクタールの農産物に被害が生じている。品目別では、マンゴーへの被害が2162ヘクタールと最も多く、次に茶、梅、タマネギの順となった。
今年1期作としてかんがいが必要な面積は、23万6000ヘクタール。しかし、75%に当たる17万8000ヘクタールで水不足が深刻になる恐れがある。農委会は、今後も干ばつ傾向が続くとみて、関連病害虫の防除を進め、農業被害を最小限に抑えるように呼び掛けている一方、干ばつによるタマネギなど野菜生産量の減少で日本産の需要が高まるとみられている。台湾は昨年、日本から前年の4・3倍に当たる3万7624トンのタマネギを輸入した。日本は、米国や韓国を抜いて初めて輸入量が1位となった。今年1~2月の輸入量も、前年同期の2・8倍の5269トンと1位を維持している。
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2021年04月11日

和子牛せり 名簿にゲノム育種価 能力判断の新指標 群馬・渋川市場
和牛子牛を取引する群馬県の渋川家畜市場で9日、せり名簿への「ゲノミック育種価」の表記が始まった。血統や体格などに加え、子牛の能力を判断する新たな指標として提示し、評価向上や取引の活性化につなげる。分析を担う家畜改良事業団によると、ゲノミック育種価をせり名簿に記載するのは全国初の試み。(斯波希)
ゲノミック育種価は、和牛の能力をゲノム(遺伝子)の違いで評価する。
2021年04月10日

ダイダイ地域の顔に 「サワー」PR実行委も発足 静岡県熱海市
ダイダイで熱海を元気に――。全国有数のダイダイ産地・静岡県熱海市では生産者と食品卸、飲食店などが一体となって、地域活性化とダイダイのブランド化に注力する。その一環として熱海市の飲食店関連団体は9日、「熱海だいだい実行委員会」を発足した。ダイダイの活用によって地域経済を循環させ、縮小するダイダイの生産基盤維持にもつなげたい考えだ。
委員会は熱海料飲連合会、熱海社交業組合、県飲食業生活衛生同業組合熱海支部の3団体が立ち上げた。……
2021年04月10日
干し芋 うま~い アイデア 販売方法で“巣ごもり”消費者つかめ
サツマイモを蒸して乾燥させた干し芋が、新型コロナウイルスの感染拡大による巣ごもり需要で売り上げを伸ばす。干し芋を手掛ける茨城や栃木の農家は、新たに接触を避ける消費者に向けて自動販売機を活用したり、筋トレ愛好者向けの独自商品を開発したりするなどして消費者の心をつかんでいる。(木村泰之)
自販機設置 売り上げ増 接触少ない買い物
飲み物と干し芋が買える自動販売機。黒澤さんが商品を整理していた(茨城県ひたちなか市で)
農水省によると、2019年産の茨城県の干し芋の生産量は3万2118トンで、全国の87%を占める。中でも400戸以上の干し芋農家がいるひたちなか市でサツマイモ「べにはるか」を約5ヘクタール作る黒澤太加志さん(43)は、国道245号沿いに1月から自動販売機で干し芋を売る。黒澤さんは「干し芋と飲み物が一緒に買える自動販売機は他にないだろう」と胸を張る。飲み物の缶やペットボトルの他、平干しと丸干しの2種類が選べる。透明なカップや箱に入った140グラム入りと170グラム入りが、1個650円で購入できる。
自販機を置いた国道沿いは、観光地の国営ひたち海浜公園に近い。黒澤さんは、店舗の営業時間外でも往来客が買うと見込んだ。赤と黒に塗られた目を引く自販機で売る干し芋は売り上げを伸ばし、観光客だけでなくコロナ禍で、人との接触を減らした買い物を望む客などが訪れる。3月中旬の時点で約90個売れて、1日に2回補充することもあった。
自販機設置を機に観光客が買うようになり、リピーターとなって通販でも購入したことで、20年は前年比1・5倍の3000万円を売り上げた。「茨城の人にとって干し芋は冬の食べ物。だが、全国では年中食べるものになってきた。以前は5月で加工を終えていたが、あまりの売れ行きに周年で加工したい」と話す。
筋トレの“相棒” 購買層絞り商品開発
購買層を限定した干し芋も生まれた。栃木県壬生町の約4ヘクタールで「べにはるか」を有機栽培する戸崎農園は、トレーニングをする人向けの干し芋「フィジーモ」を2月から販売する。農園の戸崎泰秀さん(46)は「干し芋フェアを開いた時、筋肉質な人が続々と買っていった。そんな人向けに売れるのでは」と企画の経緯を話す。干し芋は、糖の吸収が穏やかで血糖値の急上昇を抑えられるといわれる。
ダンベルを上げながら干し芋を口にする中川さん。「かみ応えがある干し芋はトレーニングに最高でもはや主食」と語る(栃木県壬生町で)
1袋50グラム入りを6袋1400円で販売する「フィジーモ」は、鍛えた肉体のバランスの美しさを競う競技のフィジークに由来する。購入した栃木市の中川博登さん(46)は「干し芋を筋トレの相棒にしてから便通が良くなり、100キロあった体重が78キロになった。糖質制限をしながら固形物が食べたいときに干し芋はぴったり」と勧める。
筋トレに励む人の声を踏まえたフィジーモは、かむ回数を増やそうと乾燥時間を長くした。カロリーコントロールや保存のしやすさを考え、チャック付きの小分け包装にした。
戸崎さんは、コロナ太りの解消でスイーツを自粛する層に受け入れられてきたとして、「20年は干し芋だけで年間2000万円を売り、昨年の2倍増だった。売り方を工夫すれば干し芋は挑戦しがいある品目だ」と力を込める。
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2021年04月08日

規格外の花販路拡大 取扱店コロナ前の17倍 来年度は1000カ所目標 東京・ハナネ
市場規格外の花を扱うハナネ(東京都港区)の販売量が拡大している。先月はブックオフなど取扱店が51店に増え、新型コロナウイルス流行前の3店から17倍となった。花売り場を設置した店では、本業の売り上げ増につながる効果も出ている。
同社は市場規格外生花をどれでも1本100円で販売する「花つみ」を展開。……
2021年04月07日

かごしま新茶 1キロ2574円 前年超え
2021年産「かごしま茶」の新茶初取引が5日、全国のトップを切って鹿児島市のかごしま茶流通センターであった。前年の約15倍となる6万8953キロが上場され、1キロ平均価格は2574円と前年を139円上回った。
茶業関係者は「上場数量は大幅に増えたものの、一定の品質の茶が集まったため、平均価格は昨年を上回った。まずまずの滑り出しだ」と話す。……
2021年04月06日

おいしい炊飯術紹介 消費拡大へ動画公開 全米販
米卸で組織する全国米穀販売事業共済協同組合(全米販)は、楽しくおいしく炊飯してもらうための動画「COME ON(カモン)炊飯術」を作成し、動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開した。ラップの歌で、計量の仕方やとぎ方などおいしく炊くためのポイントを紹介。米の消費拡大を目指す。
全米販のキャラクター「おこめケン」が登場。……
2021年04月04日