最新ニュース
豚コレラ対策 国の関与、検疫強化 家伝法改正へ自民提言
豚コレラ(CSF)やアフリカ豚コレラ(ASF)の対策を強化するため、自民党は28日の農林合同会議で、来年の通常国会での家畜伝染病予防法の改正に向けた政府への提言を決めた。飼養衛生管理の指導に関する国の関与の強化や野生動物対策の法律への位置付け、検疫担当職員の権限強化など、幅広く求める。アフリカ豚コレラは予防的殺処分の対象とする。……
ワクチン空から 農水省試験
農水省は28日、豚コレラの感染拡大を防ぐため、野生イノシシ向けの経口ワクチンをヘリコプターで上空から散布する実証実験を群馬県東吾妻町で初めて行った。人が入りにくい山間部で散布し、豚コレラウイルスの拡散を防ぐ「経口ワクチンベルト」を構築する一環。試験結果や関係自治体と意見交換しながら、来月にもヘリを使った散布に乗り出す。
同日は、自衛隊のヘリに農水省職員も乗り込み、同町の県畜産試験場吾妻肉牛繁殖センターの牧草地に経口ワクチンを散布した。高さや速度を変えて、経口ワクチンが届く範囲などを確認した。野生のイノシシでは、これまでに12県でウイルス陽性の個体が見つかっている。
日本農業新聞の購読はこちら>>
価格では戦えぬ 経営安定へ対策拡充を 日米協定強い懸念 乳用種産地の北海道士幌町
北海道の畜産現場で日米貿易協定への危機感が強まっている。特に懸念されているのが、安価な米国産牛肉と肉質が近い国産乳用種。競合による価格低下が心配される。国産乳用種は、和牛より値頃感がある国産牛でテーブルミートとして需要は底堅く、農家の経営安定対策が求められている。
北海道士幌町。乳用種頭数が約3万頭と全国屈指で、同町が管内のJA士幌町は乳用種去勢牛の産地化を進めてきた。ホクレンを通じ都府県のスーパーを中心に出荷している。消費地との関係強化にも注力。乳用種農家らでつくる同町肉牛振興会は毎年、スーパーの担当者を招き、給餌などを体験してもらうなど交流し、信頼を築いている。今年は地域団体商標を取得し、ブランド力向上にも余念がない。
国産乳用種は、値頃感があり、海外産より安全・安心な国産牛として人気だ。しかし、相次ぐ大型貿易協定の発効や、日米貿易協定で関税削減が見込まれ、苦境に立たされようとしている。
政府の試算では、米国など海外産の牛肉価格は競合する国産乳用種の6割程度。関税削減で価格差はさらに広がり、需要を奪われかねない。農水省によると、環太平洋連携協定(TPP)と日米貿易協定による牛肉の生産減少額は最大約786億円。全品目の中で最も多く、北海道は2割ほどを占める。
さらに近年は、和牛生産に誘導するTPP対策などで乳用種雄の頭数は減少傾向で、子牛やもと牛の価格は上昇。枝肉価格は高まっているが、経営を圧迫する。
こうした状況でも、振興会メンバーは、取引を続ける実需者への供給責任を果たすため、懸命にロス削減や効率化を徹底している。同振興会会長で乳用種約1000頭を飼う力石和彦さん(45)は「より良い牛をどうつくるか、一人一人が信念を持って取り組んでいる。価格では太刀打ちできない。意欲ある生産者が経営を続けられるような対策を打ってほしい」と訴える。
産地は畜産経営の安定に向け、畜産クラスター事業の要件緩和などを求めている。
JA士幌町は「今後も需要に応えていくためにも、農家が再生産できるような対策が必要だ」(畜産部)と要望する。
増える食品輸入監視強化を 安全検査実施1割
2018年度の輸入食品の届け出件数が過去10年で最も多くなる一方、安全性を確認する検査割合が8・3%にとどまっていることが、厚生労働省のまとめで分かった。TPPなど大型貿易協定の発効で、輸入食品の増加が見込まれる中、国民の安全な食生活を守るためにも、国の監視体制の強化が必要といえそうだ。
輸入食品の届け出件数は年々増えている。1975年は30万件を下回っていたが、貿易の自由化で右肩上がり。2010年度に200万件を突破、18年度は248万件の届け出があった。
輸入食品は輸入時、届け出審査を経て、必要に応じ食品衛生法に適合しているか確認する検査を行う。①初輸入時など定期的に輸入者が行う指導検査②多様な食品を幅広く監視するため統計学に基づき計画的に国が行うモニタリング検査③違反の可能性が高いものは輸入の度、輸入者が行う検査命令──がある。
18年度は指導検査約9万2000件、モニタリング検査約5万6000件、検査命令約6万件で合計は約21万件。届け出件数約248万件に対し検査割合は8・3%だった。検査割合は、中国製冷凍ギョーザ事件後の09年度(12・7%)をピークに減少している。
こうした状況について食ジャーナリストの小倉正行さんは「輸入はさらに急増する。9割を超える食品が届け出審査だけで、検査を経ずに国内流通している。安全性は担保できるのか」と監視体制を疑問視する。
また、大腸菌などの微生物や有毒物質に汚染し法違反となったのは780件(延べ813件)で廃棄や回収などの措置が取られた。検査命令約6万件に対する違反割合は0・35%だが、小倉さんは「安全性を高めるため、食品監視員や検査件数を増やすなどの対応が必要」と指摘する。
日本農業新聞の購読はこちら>>
種苗保護へ規制強化 法改正で自民提言 登録品種増殖 許諾制に
自民党は28日の農林合同会議で、来年の通常国会での種苗法改正に向けた政府への提言を決定した。新品種の流出を防ぐため、海外への持ち出しを規制し、品種登録した品種(登録品種)の増殖は許諾制とするのが柱。農家に過度な負担とならないことや、優良種苗の安定供給なども求める。
提言では、新品種の海外流出を防ぎ、開発を一層促すため、知的財産として適切に保護する必要性を指摘。種苗法を改正し、開発者が輸出禁止や栽培地域の限定といった条件を付けた場合、条件に違反する持ち出しを差し止め可能にするよう求める。都道府県などが開発した品種の地域外栽培の規制も念頭に置く。
法改正に当たり、登録品種は、農家が次期作用に自家増殖するのも含めて許諾制とするよう要望。草丈や葉・花の形、成熟期や香りなど品種の特徴を記録した「特性表」を使い、海外流出を含む権利侵害の立証をしやすくすることも求める。
一方、生産現場には自家増殖の許諾制に懸念がある。このため在来種や、品種登録されていなかったり登録期間が切れたりした「一般品種」の増殖は、制限されないことの説明も促す。利用者が許諾を得やすくし、農家に過度な負担とならないことも求める。
主要農作物種子法(種子法)の廃止による農家の不安を受けて、優良種苗が持続的・安定的に供給されるよう、種苗法改正を踏まえて必要な措置を取ることも盛り込んだ。海外での品種登録の促進や、新品種の研究開発予算の充実なども求める。
農水省は来年の通常国会に、種苗法の改正案を提出する。提言は、同党野菜・果樹・畑作物等対策委員長の武部新氏を座長としたワーキングチームがまとめた。
武部氏は「日本で開発した品種が流出して海外で栽培が広がり、日本からの輸出品と競合している。国内農業への影響が大変懸念される」と法改正の意義を強調した。
日本農業新聞の購読はこちら>>
種苗保護へ規制強化 法改正で自民提言 登録品種増殖 許諾制に
自民党は28日の農林合同会議で、来年の通常国会での種苗法改正に向けた政府への提言を決定した。新品種の流出を防ぐため、海外への持ち出しを規制し、品種登録した品種(登録品種)の増殖は許諾制とするのが柱。農家に過度な負担とならないことや、優良種苗の安定供給なども求める。
提言では、新品種の海外流出を防ぎ、開発を一層促すため、知的財産として適切に保護する必要性を指摘。種苗法を改正し、開発者が輸出禁止や栽培地域の限定といった条件を付けた場合、条件に違反する持ち出しを差し止め可能にするよう求める。都道府県などが開発した品種の地域外栽培の規制も念頭に置く。
法改正に当たり、登録品種は、農家が次期作用に自家増殖するのも含めて許諾制とするよう要望。草丈や葉・花の形、成熟期や香りなど品種の特徴を記録した「特性表」を使い、海外流出を含む権利侵害の立証をしやすくすることも求める。
一方、生産現場には自家増殖の許諾制に懸念がある。このため在来種や、品種登録されていなかったり登録期間が切れたりした「一般品種」の増殖は、制限されないことの説明も促す。利用者が許諾を得やすくし、農家に過度な負担とならないことも求める。
主要農作物種子法(種子法)の廃止による農家の不安を受けて、優良種苗が持続的・安定的に供給されるよう、種苗法改正を踏まえて必要な措置を取ることも盛り込んだ。海外での品種登録の促進や、新品種の研究開発予算の充実なども求める。
農水省は来年の通常国会に、種苗法の改正案を提出する。提言は、同党野菜・果樹・畑作物等対策委員長の武部新氏を座長としたワーキングチームがまとめた。
武部氏は「日本で開発した品種が流出して海外で栽培が広がり、日本からの輸出品と競合している。国内農業への影響が大変懸念される」と法改正の意義を強調した。
日本農業新聞の購読はこちら>>
無洗米 SDGsに貢献 国連会議で東洋ライス
米の総合メーカー・東洋ライス(東京都中央区)は27日、スイス・ジュネーブの国連欧州本部で開かれた人権などに関する国際会議に参加し、同社の米の加工技術による環境や健康への貢献と、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)との関わりについて報告した。同社によると、日本の企業がSDGsについて国連で報告するのは今回が初めて。
会議は25~27日までの日程で開かれ、世界約190の国と地域から3日間で約2000人が参加した。
同社が独自に開発した「BG無洗米」の普及で、下水処理などで発生していた二酸化炭素(CO2)の排出量をこれまでに50万トン以上削減したことなどを紹介。加工過程で取り除いた米のとぎ汁成分を有機質資材として活用し、循環型農業を実現していることなども説明した。日本の主食である米に関する多様な事業を通じ、「気候変動に具体的な対策を」など、17項目を掲げるSDGsの目標のうち、14項目に寄与していることを報告した。
雑賀慶二社長は「(今回の報告を)日本の農業や米の文化が、SDGsの取り組みとつながっていることを国際社会に発信するきっかけにしたい」と話した。(ジュネーブ斯波希)
日本農業新聞の購読はこちら>>
日米協定参考人質疑 開放水準で見解二分 参院外交防衛委 審議不足に批判も
参院外交防衛委員会は28日、日米貿易協定について3人の参考人から意見を聴取した。日本の農産品の市場開放水準が環太平洋連携協定(TPP)を超えたかどうかで評価が割れ、日本が求めた自動車・同部品の関税撤廃や追加関税の発動回避が約束されたかどうかを巡っても見解が分かれた。政府の情報開示や国会での審議の不足を指摘する声も上がった。
農産品の市場開放水準を巡り、中央学院大学の中川淳司教授は米や水・林産物を関税撤廃の対象から除外し、TPP以下に抑えたとして「日米貿易協定の関税交渉で日本は互角以上の成果を挙げた」と評価した。
だが、東京大学大学院の鈴木宣弘教授は「TPP水準は既に(11カ国で)実現している」として追加開放になると指摘。牛肉のセーフガード(緊急輸入制限措置=SG)は機能しないとの見方を示した。
鈴木教授は、国内の農業生産額は最大9500億円減少するとの独自試算を提示。協定には、米国が農産品について「特恵的な待遇を追求する」とあり、米国内の農業団体も市場開放を求めていることを踏まえ、追加の農産品交渉が「すぐに起こる」と指摘した。
日本政府が確約したと主張する自動車・同部品の関税撤廃、追加関税の発動回避は中川氏が「(米国に)約束させた」との認識を示した。一方、鈴木氏は「(協定には)交渉を続けるとしか書いてない」、アジア太平洋資料センターの内田聖子共同代表は「日米の政府説明が食い違う」と否定的な見方を示した。
国会審議の在り方を巡り、内田氏は、打撃を受ける国内農家への説明や国会で審議時間が不足していると批判。日米両政府が来年1月1日の発効を目指す日程には「合理的な根拠がない」とし、日本の国会審議は大統領選を有利に進めたいトランプ米大統領の意向に沿って、「拙速に進められている」と懸念を示した。
参院で連合審査 再協議巡り攻防激化
参院は28日、日米貿易協定の承認案について関係委員会の連合審査会を開いた。発効後の追加交渉を巡り、野党は一層の農産品の譲歩をしないよう要求。茂木敏充外相は関税交渉の対象は自動車・同部品だけを想定しているとし、「どの分野を交渉するかは、今後の協議で決まる」と従来の答弁にとどまった。
審査会は外交防衛、農林水産、経済産業各委員会の合同で開いた。
日米両政府は、協定発効後、追加交渉に向けた予備協議を始める。国民民主党の徳永エリ氏は、自動車・同部品の関税撤廃時期が決まらず追加交渉に持ち越したため、農産品が取引材料になると懸念。「これ以上、農産品は譲らない姿勢で交渉に臨むと、はっきり言えないか」と詰め寄った。
江藤拓農相は「そういう姿勢で臨む」と強調した。茂木外相は「どの分野を交渉するにせよ、国益に反するような合意をするつもりはない」と述べた。再協議規定については、「単に米国側の意図が書いてある」だけと説明した。
無所属の安達澄氏は、自動車・同部品の関税撤廃を目指せば、農産品の市場開放を迫られると予測。「日本農業を守るためにも、(関税撤廃を裏付ける)具体的文言を残すべきだった」と批判した。江藤農相は「(国益に反するものは受け付けないとの)決意に変わりはない」と強調した。
日本農業新聞の購読はこちら>>
汚泥肥料、ハウスの熱源、農業用水… “下水パワー”発揮 国交省と公共団体が推進チーム
全国各地で、下水道から発生する汚泥やメタンガス、再生水を農作物の栽培に有効活用し、ブランド化する自治体が増えてきた。国土交通省などは下水道を生かした農作物を「じゅんかん育ち」と名付け、地域と共に安全性や効果の分析、周知を行う。タマネギやニンニクなど“下水道パワー”で多様な農作物が育ち、食に大きく貢献している。
安全実証、広がる活用
汚泥や再生水の中には農業に欠かせないリンなどが含まれ、肥料にしたり、処理水を農業用水に活用したり、発生する熱や二酸化炭素(CO2)をハウス栽培の熱源として活用したりできる。下水道由来の肥料は、葉の成長を促す窒素の含有量が高いことが特徴だ。
同省は2013年から地方公共団体と「BISTRO下水道推進戦略チーム」を結成し、“下水道×農業”の普及を進めてきた。科学的に安全であることも実証されており、下水道法では現在、下水汚泥再生の努力義務が課せられる。
ただ、課題は下水道のイメージの悪さだ。そこで同省では名称を公募。現在は、人が排出した下水を作物の栽培に利用して再び生かすなど、食の循環に貢献することから「じゅんかん育ち」としてPRする。
同省によると、下水道から発生する汚泥は18年度で242万トン。そのうち肥料や土壌改良材に生かされる「緑農地利用」は14%に上る。処理水は18年度で155億立方メートル。全国各地で「じゅんかん育ち」食材が生まれている。
土壌改善、食味向上も
酪農が盛んな北海道標津町。役場は乾燥させた汚泥を農家に配布している。受け取った農家は窒素の含有量が比較的少ない牛ふんを混ぜた混合肥料を作り、牧草地の肥料にしている。同町汚泥肥料研究会によると、汚泥肥料の方が従来の化学肥料に比べて牧草の生育が良好で、窒素化学肥料の使用量も従来の3分の2まで減らすことができた。土壌中の栄養成分も増え、搾乳量の増加や肉質向上にもつながったという。
秋田県大仙市の上野台堆肥生産協同組合は、下水道由来の汚泥を発酵させた肥料「アキポスト」を製造・販売する。15年度の販売量は475トンで、全量を県内で売る。稲作を中心にそば、エダマメ、ホウレンソウなどの肥料として使われている。
アキポストを使う水稲農家の中には「米・食味鑑定コンクール」で米の味や色つやなどが評価され、5年連続で「ベストファーマー認定」を受けた農家もいるほどだ。一方で、安全性や効果の周知はさらに必要で、下水道の汚泥と聞くだけで否定的な反応をする人も少なくないという。
同組合の山岡和男専務は「適切な処理を施せば、汚泥は素晴らしい肥料になる。何より行政の後押しが必要だ」と訴える。
5ヘクタールの農地で枝豆を作る大仙市の農家、鈴木辰美さん(72)はアキポストを10年ほど利用する。「エダマメの味が良くなった気がする。糖度も上がり、甘くておいしいと評判だ」とうれしそうだ。
印象の改善や 管理周知必要
下水道資源による特産品の栽培や、循環型農業を学ぶ体験授業なども広がっている。一方で、製造方法によっては特有の臭気が気になる他、牛鶏ふんとの混合や攪拌(かくはん)する作業の手間、イメージの悪さなどの課題も残る。
東京農業大学の後藤逸男名誉教授は「国や地方自治体が農家に向けてガイドラインの作成や、効果や適切な管理方法の周知に力を入れていくべきだ」と指摘。また、再生エネルギーや下水道資源の活用に詳しい長岡技術科学大学の姫野修司准教授は「農業分野にとって下水道資源の活用は可能性のある分野。自治体やJAによる普及推進活動が必要だ」と説明する。
日本農業新聞の購読はこちら>>
母さんの頑張り反響 豪雨被災地の「花ドレ」人気 福岡県朝倉市の女性グループ
福岡県朝倉市で活動する女性グループ「宮園たんぽぽの会」が作る、コスモスの花びらドレッシング「乙女の花ドレ」が販路を広げている。九州北部豪雨の被害農地で育てたコスモスを使い、復旧を後押しするという商品コンセプトに共感が集まった。通信販売、地元観光協会、高校文化祭などで扱う。見た目の鮮やかさ、手作りの味が評判を呼んでいる。
2017年の豪雨で被害があった同市黒川地区宮園集落の農地や荒廃地でコスモスを育て、収獲する。ドレッシング製造の拠点は地元公民館。同グループ4人が、花びらにタマネギ、塩こうじ、植物油、穀物酢を加えて手作りする。
さっぱりとした和風の味わいと美しい彩りが人気だ。サラダ以外にも豚しゃぶやカルパッチョ、パスタなどにも合うという。18年秋に商品化した。1本(200ミリリットル)750円。
需要増を受け、グループは通年販売も検討。コスモスの花びらなどをミキサーにかけた後、冷凍保存する方法を試みる。商品開発・販売に協力する、あさくら観光協会の里川径一事務局長は「災害に負けずに頑張る地域のお母さんたちの思いが地域の励みになればいい」とエールを贈る。
日本農業新聞の購読はこちら>>
種で作ろう花飾り Xマス、正月華やかに
身近にある野菜や花の種で、アクセサリーやインテリアの小物を作ってみませんか? 「たねアート」を提案するタキイ種苗(本社・京都市)の大嶋優子さん(43)に、クリスマスや正月の飾りに利用できる花飾りの作り方と楽しみ方を聞きました。
大嶋さんは、女性社員が中心となって立ち上げた「たねぢからプロジェクト」のメンバーです。大嶋さんらは、色や形、模様などが個性的でかわいらしい種の魅力に着目。「検査基準を満たさず廃棄される種を利用して、魅力を伝えたい」と、種を使った作品作りを始めました。
紹介する花飾りは円形の台紙の上に、花びらや花芯に見立てた種を貼って作ります。特別な道具は使わないので、誰もが手軽に楽しめるのが特徴です。
「台紙の裏にブローチピンを付けてアクセサリーにしたり、磁石を付けてメモを挟むマグネットにしたりと、いろいろな楽しみ方ができる」と大嶋さん。マニキュアのトップコートを塗るとつやや光沢が出て、耐久性も高まります。色を付けるときはアクリル絵の具を使いましょう。
野菜を食べた後に残った種を利用する場合は、水で洗い、しっかりと乾かしてから使います。10センチ角ほどの紙の上に台紙を置いて作ると、作りやすくて便利です。
花飾りの手作りキット「フラワーマグネット」は、同社のネット通販で販売しています。
「たねアート」の作り方
動画が正しい表示でご覧になれない場合は下記をクリックしてください。
https://www.youtube.com/watch?v=gM6T52tS_QE
日本農業新聞の購読はこちら>>
農村創生で交付金を 基本計画へ提言 全国町村会
全国926の町村で組織する全国町村会は27日、東京都内で全国大会を開き、食料・農業・農村基本計画の見直しに向け、「農村価値創生政策」の実施などを盛り込んだ農業・農村の政策提言を決議した。農業発展、農村振興、多面的機能発揮の三つの視点で、農村の価値を持続的、安定的に高める交付金創設などの必要性を主張。関係人口拡大などで多様な主体が活躍できる地域づくりを進め、都市農村共生社会を目指す。
提言した「農村価値創生交付金」(仮称)は、地域独自の多様な取り組みが展開できるよう、国が使途の大枠を決め、自治体に客観的な基準で配分する内容。……
直播向き米品種 耐病・耐暑多収強み 農研機構
農研機構・東北農業研究センターは27日、倒伏しにくく、直播(ちょくは)栽培に適した水稲品種「しふくのみのり」を育成したと発表した。これまでの直播栽培向け品種「萌(も)えみのり」に比べて暑さやいもち病に強いのが特徴。良食味で多肥直播栽培の10アール当たり収量は750キロを超える。……
地域の課題へ本気度100% 中学・高校生が株式会社 農業、草刈り、人づく 熊本県氷川町
熊本県氷川町で、女子高校生が社長、中学生らが役職員を務める株式会社が、耕作放棄地の解消や珍しい農作物の栽培実験などに挑戦している。古里の課題を解決し、持続可能な地域にしようと起業。大人たちとも物おじせずに交渉し、決算など難しい局面もがむしゃらに学んで奮闘する。
記者活動で問題意識
同町の高校生や中学生が経営するのは「(株)氷川のぎろっちょ」。同社の役職員は、2ヘクタールでかんきつを栽培する農家で当時は新聞販売店を経営していた岩本剛さん(62)が立ち上げた「子ども記者クラブ」に参加する小中高生20人だ。
会社の活動は年間およそ60日。農業部、草刈り部、ひとづくり部など五つの部署で、60アールの耕作放棄地の草刈りやアボカドをはじめ新たな地域の特産品になる農作物の栽培実験などを手掛ける。
発端の子ども記者クラブは、自分の体験や地域のイベントなど“子ども目線”で取材、執筆し、新聞折り込みに入れるミニコミ紙で、町民に伝える活動を担うもの。クラブは当初、町内を中心に小・中学生15人が集まり、毎週末に取材に励んでいた。
会社発足のきっかけは、記者クラブに設置した「まちの課題探究解決コース」。1期生だった中学生5人が、地域を歩く中で耕作放棄地や空き家、ごみが多いという地域問題に気付いた。
解決に向け、草刈りや空き家を生かす事業に取り組みたくても、行動するには資金や信頼の担保が必要になる。会社の発足は自然な流れだった。
「会社を作ればカッコイイし、大人に本気度も伝えられる」と社長になった高等専門学校2年生の竹山実李さん(16)。事業計画を練り、定款作成を学び、勉強会や研修を重ねた。最年長の竹山さんが印鑑証明を取得できる15歳になった2018年2月に会社を設立した。
広報部長の中学3年生、堀川桃子さん(15)は「初めはお菓子を食べる時間につられて加わった。でも、ごみとか荒れ地とか地域の問題を知って何とかしたくなっ・た」と笑顔で明かす。
町の名前残したい
学校では学べない経験は新鮮で楽しいという。設立には、お年玉などで集めた2万円を5人それぞれが出資。草刈り機など農機購入には、町内外から260人が寄付してくれた。
活動を支える岩本さんは元役場職員。25年前に地域デザインを研究する早稲田大学の後藤春彦教授に出会って人生観が変わり、地域づくりに情熱を注いできた。
後藤教授の教え子で全国各地で地域づくりに携わる研究者や大学生らと、子どもたちが交流する機会を何度もつくった。地域を真剣に思う大人や大学生と触れ合う中で、子どもたちは成長したという。
「街づくりは100年かけてやるもの。子どもには地域を知り、提案ではなく行動してほしいと思った。3世代かけて人材育成をしたら地域は続く」との信念を岩本さんは抱く。その思いを中・高生起業家はしっかりと受け止めている。
塾や部活で忙しくても「週末の1時間だけでも」と活動に顔を出す。決算など苦労が多い上、売り上げはほとんどなく赤字のため、保護者や岩本さんが資金を支援する。それでも社員の中学2年、寺岡拓海さん(14)は「氷川の名前をずっと残したい。八代郡の中でもピカイチの町なのでもっと有名にしたい」と、諦めない。
同社は今後、人材育成事業を強化する方針だ。堀川さんは「将来は後藤先生みたいに建築家になって、建築の技術で地域をデザインする。そのためにも今、頑張る」と張り切る。
同社はステップを踏んで、数十年後の最終目標に、氷川町で土地が有効に利用され、新たな雇用を生み出す事業が生まれ、町全体がにぎわっていることを据える。
今後、現在の役職員は進学などで地域を離れるが、竹山さんは「後継者に安心して任せられる基盤をつくり、経営を軌道に乗せてバトンタッチする。年を取ったら、会社を運営する後輩を手伝うのが夢」と、将来を見据える。
日本農業新聞の購読はこちら>>
SNS料理コン 知恵絞って“カボス映え” 大分県振興協議会
あなたなら何に絞る?──。大分県カボス振興協議会は27日、カボスを使った料理の投稿をインターネット交流サイト(SNS)のインスタグラムで募った「マイカボ選手権」の入賞作品を発表した。グランプリは、アカウント名「kiirokabosu」さんの「カボスバーガー」。ハンバーグ種にカボスを絞り、さらに皮もトッピングするなどカボス満載の一品だ。
選手権は、カボスの消費拡大を目指して初めて開いた。8、9月に募集し、756件の投稿があった。審査基準は、画期的なアイデアや、プロが見ても納得し“カボス映え”することなど。
カボスバーガーは、ハンバーガーと、カボスを餌に与えて育てた「かぼすブリ」のフィッシュバーガーの2種類。ハンバーグ種に果汁を絞ったことで、ふっくらジューシーでさっぱり仕上がったという。大人用はカボスのスライスも挟む。
特別審査員を務めた料理家の栗原心平さんは「カボス満載のハンバーガーだ。パティの肉汁にカボスが寄り添い、絶妙なうま味を引き出しそう」と講評した。協議会は「カボスの使い方が分からないと言われることが課題だ。受賞作品を紹介して消費拡大につなげたい」と意気込む。
準グランプリは、アカウント名「sakurazusa」さんの「桃とカボスのレアチーズケーキ」を選んだ。
日本農業新聞の購読はこちら>>
日米協定 農家規模問わず支援 肉用牛増頭手厚く
日米貿易協定の合意を受け、国内対策として政府が検討する総合的なTPP等関連政策大綱の改定案の概要が26日、分かった。農業対策では生産基盤の強化に向け、「規模の大小を問わず」に意欲ある農業者を支援する方針を明記。目玉事業となる肉用牛の「増頭奨励金」で飼養頭数が一定未満の農家の助成額を手厚くするなど、中小・家族経営に配慮する。
改定案では農業対策について、国内外の需要に応えるため、生産基盤を強化する必要性を指摘。従来の対策には大規模農家偏重との指摘もあったが、中小・家族経営が国内農家の多くを占めることを踏まえて見直す。棚田や中山間地域などの重要性も明記する。
「増頭奨励金」は、日米貿易協定で米国に牛肉を低関税で輸出できる枠が拡大したことを受け、肉用牛の繁殖雌牛を増やす農家などに助成する。飼養頭数が一定未満の農家には1頭当たり20万円以上を出す方向で調整。それ以上の規模の農家より助成額を手厚くする。
畜産クラスター事業で中小・家族経営の支援を拡充する方針も明記し、家畜排泄物の処理の円滑化対策も盛り込む。
麦や大豆などの増産を念頭に、堆肥の活用による全国的な土づくり運動も進める。スマート農業の活用は条件不利地も含めて強化する。中山間地域などでの優先採択枠を設定する方向だ。
農産物の輸出促進では日本貿易振興機構(ジェトロ)が事務局として中小企業の海外展開を支援する「新輸出大国コンソーシアム」と、JAなどとの連携を強化する方針。
大綱は12月上旬にも改定する。政府は2019年度補正予算に、国内農林水産業対策として3250億円程度を計上する方向で調整している。
日本農業新聞の購読はこちら>>
ブドウ果肉まで赤 ワイン用品種出願 大阪府
大阪府立環境農林水産総合研究所は、果肉まで暗赤色で、濃い赤色のワインが造れる醸造用ブドウ「大阪R N―1」の品種登録を出願した。一般的な赤ワイン用品種に比べ、植物色素のアントシアニン含量が数倍になるという。地球温暖化の影響による高温で果皮の着色不良が問題となる西日本などの地域でも高品質なワイン造りにつなげられる有望品種として期待される。
赤ワインは原料のアントシアニン含量が多ければ、濃い赤色に仕上がる。「大阪R N―1」の果実のアントシアニン含量は、赤ワイン用品種として知られる「ピノ・ノワール」や「メルロー」を数倍以上に上回る。国内で栽培されている既存品種にも果肉まで赤色になるものはあるが、単独で醸造しても風味が優れなかった。「大阪R N―1」は果実品質が良く、単独で醸造しても風味が良いワインになる。
この品種は府内の醸造所(ワイナリー)が40年ほど前に育成した。2018年に同研究所が新設した「ぶどう・ワインラボ」が、既存品種と異なる特性を持つことを確認した。今年3月5日に出願した。親はまだ特定できておらず、解析を進める。
苗の生産体制を整え、府内を中心に普及を進める考えだ。同研究所は「西日本を中心に、温暖化による高温で原料ブドウの果皮色が出にくくなっている。新品種で課題に対応できる」と有望視する。
日本農業新聞の購読はこちら>>
イノシシ経口ワクチン 空中散布12月から 群馬であす実証試験 山間部対策に期待
江藤拓農相は26日の閣議後会見で、豚コレラ(CSF)感染拡大防止のため、野生イノシシ向け経口ワクチンの空中散布を12月にも本格化させる方針を明らかにした。複数県にわたって豚コレラ発生地域を経口ワクチンで取り囲んでイノシシに接種させ、豚コレラウイルスが域外に拡散するのを防ぐ「経口ワクチンベルト」を構築する一環。28日の群馬県畜産試験場内での実証実験を踏まえて実行に移す。
野生イノシシ対策について江藤農相は、防護柵だけでは「移動を防ぐのは、なかなか難しい」との認識を示した。
ワクチンベルトは現在、地中にワクチンを埋める形で各地で構築を進めているが、山が急峻で人間が入ることができず、ワクチン埋設が難しい場所でもイノシシは容易に移動していくと指摘。ベルトの実効性を高めるため「切れ目がないよう、急峻な山にも散布しなければならない」と空中散布を重視した。
実証実験は、同試験場吾妻肉牛繁殖センターの敷地内の牧場で実施する。防衛省の協力を得て、自衛隊相馬原駐屯地(群馬県)所管のヘリコプターを使い、速度や高度、風向きなどを考慮し散布方法を確認する。
実験後に開始する空中散布の対象地域は、都道府県や市町村と意見交換しながら設定するとした。
また、日本、中国両政府が動物衛生検疫協定に署名し、中国への牛肉輸出再開が前進したことを受け、江藤農相は早期再開に期待を寄せた。具体的な再開時期について、個人的な考えとして、「(中国の)習近平国家主席が来日される。そういう一大イベントの時に開いたら素敵だと思う」と、来春の習氏来日に合わせた再開に意欲を示した。
日本農業新聞の購読はこちら>>
基本計画見直し 農地、人材減に危機感 原因分析求める声 農政審企画部会
国の農政の指針となる食料・農業・農村基本計画の見直しに向け、農水省は26日、食料・農業・農村政策審議会企画部会を開いた。農地や農業就業者をどう確保するかに議論が集中。農地面積の減少が現行計画の見通しを大きく上回って進んでいることへの懸念や農地荒廃の原因分析を求める声が相次いだ。……
日米協定審議で参院委 農業議論深まらず
参院外交防衛委員会は26日、日米貿易協定の承認案の審議を続けた。野党側は自動車の追加関税回避や関税撤廃の根拠を問いただした一方、茂木敏充外相らは従来答弁を繰り返し、やりとりは平行線のまま。農業分野の質問も少なく、協定以外の質問も相次ぐなど、議論は深まりを欠いた。
自動車の追加関税について、日本政府は米国との首脳会談で回避を明確に確認していると説明してきた。立憲民主、国民民主などの共同会派の小西洋之氏は、首脳会談でトランプ米大統領がどういう言葉で追加関税を発動しないことを了承したのかをただした。
茂木外相は具体的なやりとりには触れず、「同盟関係にある日米の首脳間の合意で極めて重い。守られるものだと当然考えている」と述べた。
小西氏は、根拠となる文書ややりとりが示されていないことに、「具体的に証明するものが何もないのであれば、審議の前提を欠く」と批判。開示可能な内容を米国と調整した上で示すよう求めたが、その後も平行線の議論が続いた。
協定を巡っては、農産品でも、牛肉セーフガード(緊急輸入制限措置)が発動した場合の再協議や、国内農業に対するより精緻な影響試算など論点が多い。衆院では野党側から資料の要求も出ていた。ただ、この日の審議では農業分野の合意内容についての質問はわずかだった。
日本農業新聞の購読はこちら>>
直売所そーっとのぞいて見て メダカ養殖に愛情 催しでも人気、農業と二役 茨城県日立市 勝間田守さん
茨城県日立市の勝間田守さん(72)は農業の傍ら、観賞用に改良されたカラフルなメダカを養殖して人気だ。専用のビニールハウスを建て、5年ほど前から本格的に養殖を始めた。今は色とりどりのメダカを80種類、2万匹まで増やし、地元の直売所や、イベントでメダカすくいを出店して販売する。
勝間田さんは、愛好家の友人の薦めもあって、各地の交換会などに参加するようになり、さまざまな種類のメダカを少しずつ増やした。
メダカは洗いおけやプランターに水を張って飼っている。種類別に150~200匹ほどをグループにし、一つのおけやプランターに入れ、50平方メートルほどのハウス内と屋外で管理する。
養殖を始めた翌年から地元の直売所「十王物産センター鵜喜鵜喜」などで販売を始めた。700ミリリットルのふた付きのプラスチックケースの上部に穴を開け、通常の品種は10匹、珍しいものは雄、雌の2匹ペアで販売する。
シーズンには1日20ケースほどを販売するが、1匹数十円から、高いものでもペアで1000円程度と手頃な値段も人気の理由だ。
イベント時期には市や直売所などから声が掛かり、「メダカすくい」で出店もする。小さな子どもから高齢者まで幅広い年齢層に人気の催しで、1日で1000匹近くを販売することもある。
餌やりは水温の高い時期は1日2回、水温が下がると1日1回ほど。200以上もの養殖おけがあるため、1カ月半に一度の水交換は一番大変な作業という。中にいるメダカを別の容器に移し、底に敷いた赤玉の土を洗うなどし、専用の井戸水を注ぎ込む。
3月には産卵期を迎えるため、シュロの皮の繊維を丸めたものを水槽に入れ、産卵を促す。ある程度に成長したら、稚魚の種類や良しあしを選別する。これも、細かく時間の掛かる作業だ。
勝間田さんはメダカの魅力について「特別な装置がなくとも、簡単に育てることができ、雄、雌がいれば産卵させて増やすことができる。小さくてかわいいし、いろいろな種類がいるのも楽しい」と話す。
日本農業新聞の購読はこちら>>
