全農営業開発2年 全農営業開発2年

 JA全農の営業開発部が今月で発足2年を迎えた。国産農畜産物にこだわった商品開発と販売を戦略的に強化するためで、今年度からの3カ年計画で「食のトップブランド」も明記した。商品の高付加価値化を進め、農業者の所得増大につなげることが重要だ。

 営業開発部新設で大きく変わったのは理念から実践へのスピード感。キーワードは「つながる」。新たな視点で商品開発を加速する。まず明日へ、さらに未来へ農業者と消費者が「つながる」。そして双方が笑顔で「つながる」関係を築く。結果的に食料自給率、自給力の向上に「つながる」ことになる。

 山崎周二理事長は日本農業新聞のインタビューで「販売力強化へさらに一歩踏み出し、今後は全農版SPA(製造小売り)を目指す。重要になるのは他分野との連携だ」と強調した。

 SPAの典型はユニクロやニトリなど。自社工場を持たず、さまざまな製造部門と連携しながら自社商品を企画提案、製造、販売する一貫体制の仕組み。高い商品力と販売競争力を持つことができる。元々、低価格商品を展開した国際的な衣料メーカーを指す。SPAのAはアパレルだが、全農版SPAのAはアグリカルチャー、すなわち農業を意味するといえよう。

 農政推進で、プロダクトアウトからマーケットインへの転換が強調される。だが、考え違いをしていないか。生産と需要は本来、一体で捉えるべきものだ。問題は、まず生産ありきで、肝心の需要が後回しになっていたことにある。全農が元イトーヨーカ堂社長の戸井和久氏を、新設ポストのチーフ・オフィサー(CO)に招き営業開発部を設けたのも、「食のトップブランド」実現に照準を据えたからに他ならない。戸井COは「出口(売り先)を見つけてから商品開発を行う。積極的に実需に近づき商品化する納得させる企画力が問われる」と強調する。現地にも出向き、地場原料を使った商品開発などの相談にも応じている。既存商品のリニューアル化の助言も行う。

 今春、全農が立ち上げたMD(マーチャンダイジング=商品化計画)部会は、その実践部隊だ。コンビニエンスストアやインターネット販売のeコマースなど販売先と連携し、国産農畜産物を使った高付加価値の商品開発を次々と形にし「見える化」してきた。例えば、100円ショップのダイソー。全農マーク表示の産地指定国産果汁を使ったグミなどを共同開発した。年間取り扱いは400万パックに達する見込み。eコマースのアマゾン向けに新商品作りも進む。伸長著しいドラッグストアとの連携も強めていく。

 ただ、注意すべきは、販売重視の一方で、安売り競争に巻き込まれないようにすることだ。全農は「出口」を明確にし、産地力を強め適正価格を実現する高付加価値の商品づくりこそ求められる。
 

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