鶏肉輸出拡大狙うブラジル 対日協定締結めざす サボイア駐日大使に聞く 

サボイア大使

 日本にとって最大の鶏肉輸入元であるブラジルは、日本での消費税増税を契機に、対日輸出拡大をもくろむ。安価・安定供給が強み。環太平洋連携協定(TPP)など日本が他国と貿易協定を結んで関税を下げる中、同国がどう対応するか、エドゥアルド・サボイア駐日ブラジル大使に聞いた。(聞き手・齋藤花)
 

安定供給が強み 日本製品も歓迎


 ──ブラジルは鶏肉輸出に力を入れています。

 ブラジル産鶏肉は日本の全輸入量の8割を占める。ブラジルでは一度も高病原性鳥インフルエンザが発生したことがない。飼養施設で衛生管理を徹底している。強みは広大な国土で飼料を増産し、一層の鶏肉増産ができることだ。安定した調達先として日本の需要に応え、輸出を増やしたい。TPP参加国に比べ、生産能力が高いと自負している。

 ──日本はTPPや日米貿易協定、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)を進め、関税の削減・撤廃を進めています。

 ブラジルも日本と鶏肉などについての関税引き下げを協議し、貿易協定を結ぶ必要があると実感している。ブラジルの生産者と日本の消費者の相互利益となる協定が必要だ。

 私たちは農産物の対日輸出に意欲的だ。日本の消費者のための特別栽培茶も生産している。ブラジルの農産品は日本の外食需要を満たす。日本に近い方法で生産され日本の農産物と競合する、EU諸国の農産品とは違う。

 一方、日系移民の歴史を背景に、ブラジルには日本の食文化が根付いている。和牛や日本酒の消費拡大はたやすい。日本の乳製品もブラジルに輸出してほしい。共存共栄を目指したい。

 ──日本との二国間協議を望みますか?

 ブラジルが設立メンバーとなっている南米南部共同市場(メルコスール)は、欧州連合との貿易協定で合意した。アジア数カ国と貿易・経済協定を結ぶことにまい進し、既にシンガポール、韓国と協議を始めた。日本とも近い将来、EPAに向けた協議をして、相互利益を得られる協定を結ぶことを目指す。

 ──アマゾン大規模森林火災の原因に注目が集まっています。

 火災はブラジル政府が農業振興している地帯に起きたものではない。「政府が大規模農業のために森林開発計画を推し進めたのが火災や森林破壊の原因」との見方は誤解だ。政府は消火のために軍を派遣し、火災件数を減らしている。

 火災原因の一つは、小規模農家の違法な伐採や焼き畑に極度の乾燥が重なったこととされている。ブラジルには違法な伐採や焼き畑を禁じる森林法がある。森林法や環境保護の重要性を過疎地の小規模農家にまで浸透させ、違法行為を徹底的に取り締まることが今後の課題だ。

■この記事の「英字版」はこちらをクリックしてください。

おすすめ記事

経済の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは