ながら運転厳罰化 年末へ 気引き締めよう

 社会問題化した「ながら運転」が厳罰化された。政府は「あおり運転」でも予定する。ルール違反はあってはならない。交通事故は被害者だけでなく加害者にもなり得る。しかも人生を狂わせかねない。慌ただしい年末年始、農村では自動車が生活に欠かせない。気を引き締めてルールの順守を徹底しよう。

 自動車の運転中にスマートフォン(スマホ)などを持って通話したり、画面を操作したりする「ながら運転」。同運転が原因の交通事故は増加の一途にある。警察庁によると2018年は2790件で、13年の約1・4倍になった。

 ドライバーがメールの確認に意識が向かい横断中の歩行者に衝突、また携帯電話の着信に気を取られて路肩を走る自転車をはねた死亡事故の事例がある。高速道路を運転しながらスマホで読んでいた漫画に気を取られ、前方を走るバイクに追突して犠牲者が出たケースもある。

 自動車の運転中に2秒間スマホに見入った場合、時速40キロなら22メートル、60キロなら33メートル進む。その間、画面に意識が集中して周囲の危険を発見できなくなる。「直線道路だから」「一瞬だけ」といった考えで運転中にスマホなどを操作すると、重大事故につながりかねない。事故防止に向けて12月から厳罰化され、違反点数は3倍、反則金も高額になった。事故を起こした場合には一発免停の場合もある。

 「あおり運転」も厳罰化の動きが進む。同運転に罰則を設けるため政府は、来年の通常国会に道路交通法改正案を提出する予定だ。通行を妨害する目的で車間距離保持義務や、急ブレーキ禁止などに違反し交通の危険を生じさせた場合を「あおり運転」と定義。違反点数は15点以上で即、免許取り消しとなる。

 厳罰化で事故抑止に効果があるか。それは飲酒運転で示されている。東名高速で飲酒運転のトラックが乗用車に衝突して、幼児2人が亡くなるなどの事故が発生。危険運転致死傷罪の創設や、飲酒運転とその助長行為の厳罰化などが講じられた。その結果、飲酒運転による死亡事故は1998年の1268件から、18年には198件まで減っている。

 また警視庁は今月、「ながら運転」で摘発されながら、出頭要請にいつまでも応じなかった38人を逮捕したと発表した。

 ただ、「ながら運転」の罰則強化について、警察庁や政府広報が特設コーナーをホームページに設置して啓発しているが、ドライバーに周知されているか疑問だ。摘発するだけでなく法制度の変更を知ってもらい、「駄目なものは駄目」と強く訴える仕掛けが必要だ。

 トラクターやコンバインに乗って農作業をする場合はどうか。田畑は公道でないため道路交通法の適用は受けない。しかし、スマホを凝視するような使い方は、周囲への注意を散漫にし転落などのリスクを高めるので控えるべきだ。
 

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