阪神大震災25年 「助け合い」 語り継ごう

 阪神・淡路大震災の発生から17日で25年がたつ。死者6434人という未曽有の惨事をもたらした。震災の記憶を風化させず、命を守る備えを再確認することが重要だ。昨秋の台風禍をはじめ、災害が頻発している。ボランティアによる助け合いや食のありがたさを語り継ぐ日にもしたい。

 地震発生は午前5時46分。兵庫県の淡路島北部を震源とし、マグニチュード7・3を記録した。戦後初めて大都市を襲った直下型地震だった。淡路島から神戸・西宮市にかけて多くの活断層が走り、断層のずれが大きな揺れをもたらした。神戸市や北淡町(当時)などで、初めて震度7が適用された。

 多数の死者の他、負傷者も4万3792人を数えた。全半壊した住宅は約25万棟に及び、多くの人が避難所や仮設住宅での不便な生活を強いられた。ピーク時に水道は約130万戸で断水し、停電も約260万戸に及んだ。

 巨大な地震は、今起きるかもしれない。命を守るには何よりも備えが肝心だ。東京消防庁は「地震に対する10の備え」をホームページで公開する。家具は金具で固定し、本棚やたんすの上など高い所に危険な物を置かない。風呂水をため置き火災に備える他、避難場所など被災時の行動を家族で話し合うことも大事だ。水や食料、ラジオ、懐中電灯など非常用品もまとめておこう。

 地震が発生した1995年は、1年間で延べ130万人以上のボランティアが活躍し「ボランティア元年」とも言われる。避難所での炊き出しや救援物資の配布、被災した家屋の片付けなどにとどまらない。医療や暮らしの見守り・相談など、被災者の心と体に寄り添う活動でもボランティアが重要な役割を果たす認識が広まった。

 阪神・淡路大震災をきっかけに、災害対策基本法の改正や特定非営利活動促進法(NPO法)の制定などで、災害ボランティアを行う環境整備が進んだ。近年は、被災地での活動を円滑に進める拠点として、自治体や地域の社会福祉協議会、NPOなど関係団体が災害ボランティアセンターを立ち上げ、被災者のニーズと支援参加者を仲立ちする形が定着している。

 いざという時に全国からボランティアが駆け付け、地域を越えて互いに助け合う仕組みは社会の安全網として重要だ。2016年にできた全国災害ボランティア支援団体ネットワークなどで取り組みが始まっている。支援の漏れやむらを防ぐため、関係団体が一層連携し、効率的に支援する努力が欠かせない。

 震災時にJA女性部員らが炊き出しでおむすびを配り、地域の人たちを励ました。それをきっかけに1月17日は「おむすびの日」として登録された。生きる糧としての食のありがたさは、非常時にこそ痛感するのではないか。きょうは、当時を思い食の大切さもかみ締めたい。

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