[未来人材] 36歳。改良農機具で高品質アスパラ 体験伝え若者に夢を 庄山和孝さん 佐賀県有田町

収穫用台車でアスパラガスを収穫する庄山さん(佐賀県有田町で)

 佐賀県有田町のアスパラガス農家・庄山和孝さん(36)は、農機具を自作し収穫時の労力負担を大きく軽減している。独自に配合した堆肥で高い品質も保つ。庄山さんはL・2L級を安定出荷している。

 「身の回りの道具で工夫することは得意」という庄山さん。アスパラガス栽培で最も大きな負担なのが、収穫作業。そこで小型の自動三輪車を改造し収穫用台車を自作した。台車は座ったまま移動し、収穫作業ができる。台車には日よけネットや扇風機も備えており、夏場も快適だ。通常、収穫作業はハウスの中をしゃがみながら移動して、適期の芽を摘む。長時間しゃがむため、腰に大きな負担がかかっていた。

 庄山さんは16アールで栽培する。最盛期には朝夕2回、1日6時間近く収穫作業をする。台車導入前は腰を頻繁に痛め、治療が欠かせなかった。導入後は「ほとんど通院しなくなった」と実感する。

 JA伊万里アスパラ部会の2020年産春芽アスパラガスは、暖冬の影響でS・M級の細身が目立つ。だが、庄山さんの出荷はL・2L級が中心だ。JA伊万里野菜園芸係の落合李沙さんは「庄山さん部会でも特筆して太めで高品質だ」と認める。

 こだわりは堆肥。稲わらや食品残さを活用する。海水を加え、ミネラルが豊富な堆肥を作り上げる。アスパラガスの株の養分転流が進み、太く育つというのが庄山さんの見立てだ。

 庄山さんは「今は農業以外の仕事を考えられない」と笑顔で語る。高校入学後、人間関係に悩み16歳から引きこもりになった。当時を「後悔しかない」と振り返る。20歳の時、小松菜農家の親戚から誘いを受けた。「これを期に変わろう」。意識が変わった。いつの間にか農業にのめり込んだ。工夫や発想を生かせる農業は自分に合っていた。

 庄山さんは「自身を変えてくれた農業の活性化に貢献したい」と話す。さらに経験を積み、将来は就農者を育成することが夢だ。「自分の経歴をさらけ出しながら、将来に悩む若い子たちに農業の選択肢を広めたい」と夢を思い描いている。
 

農のひととき


 農業を通じて幅広い年齢層の人と交流している。10代の時には考えられなかった。人との付き合いが増えたことが本当にうれしい。

 日常生活の中に意識的に農の要素を取り入れる。作業の合間には不要な木材を燃やした上に網を敷く。網でとれたてのアスパラガスを焼いて食べるのが何よりの楽しみだ。外の皮が焦げるまで焼くのがポイント。
 

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