[新型コロナ] 日英FTA交渉へ 輸入枠の扱いが焦点

 英政府は12日、日本との自由貿易協定(FTA)交渉を始めると発表した。日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)の内容を基盤に、年内の協定締結を目指す。農産物では輸入枠の扱いが焦点。日欧EPAで日本が輸入枠を設けた品目で英国向けにも枠を新設すれば、日欧EPAの枠数量を超えることになるためだ。新型コロナウイルスの感染拡大で食料安全保障の確立が課題になる中、一層の市場開放にならないか、政府の姿勢が問われる。

 英国は1月に欧州連合を離脱。年末までは貿易ルールの激変緩和のための「移行期間」で、日欧EPAの関税率などが引き続き適用される。両政府は移行期間終了までの協定締結、年明けの発効を目指す。

 新型コロナの影響を踏まえ、交渉はテレビ会議方式を採用する。英政府は日英FTAで両国間の貿易額は152億ポンド(約2兆円)増えると見込む。英国のトラス国際貿易相は声明で「環太平洋連携協定(TPP)への参加に向けた重要なステップになる」とし、将来的なTPP加盟にも意欲を示した。

 農産品を巡り、日欧EPAではソフトチーズなどの乳製品や小麦製品、加糖調製品など25品目に枠を設けている。麦芽など、英国からの輸入が多いものもある。日欧EPAで焦点だったチーズも英国からの輸入がある。

 こうした品目で英国枠を新設すると、EU向けの数量を削減しない限り日欧EPAの市場開放を上回ることになる。1月に発効した日米貿易協定の交渉ではTPP全加盟国向けの「ワイド枠」を設けたバター・脱脂粉乳などの扱いが同様に焦点になったが、米国枠を新設しないことで決着した。

 英国の貿易協定交渉の最優先課題は、離脱したEUとの関係だ。交渉を重ねているが難航しているもようだ。

 新型コロナの感染拡大が収まらない中で、英国とEUの交渉の先行きは不透明感が増しており、日英の交渉もどう進むか見通せない状況にある。
 

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