あさって予定の閉会式を前に、本来なら国中が興奮していたに違いない

 あさって予定の閉会式を前に、本来なら国中が興奮していたに違いない。日本選手の大活躍に感激しながら▼少し1964年の東京五輪前後の社会を振り返ろう。〈あの時〉の記憶が鮮明なのは小学生になっていたからか。同世代の作家・泉麻人さんの近著『1964』(三賢社)は、当時を生き生きと再現し懐かしい▼NHKで午前中に子豚3兄弟「ブーフーウー」、夕方は井上ひさしさん脚本の人形劇「ひょっこりひょうたん島」を欠かさず見た。アニメのテレビ放映が一大ブームに。「鉄腕アトム」を皮切りに「鉄人28号」「8マン」など名作が続々。忍者人気にも火が付く。「忍者部隊月光」が印象深い。駄菓子屋で銀玉鉄砲や手裏剣、少量の火薬が入った2B弾を“武器”に忍者ごっこに興じたのを思い出す▼一方で、若き恋人の悲運を描く日活映画「愛と死を見つめて」が話題を集め社会現象になった。マコ役に浜田光夫さん、ミコ役に吉永小百合さん。五輪開催の前月に封切られ、同名の曲も大ヒット。青山和子さん歌う〈マコ、甘えてばかりでゴメンね〉の詞は忘れがたい▼きょう「立秋」。〈今朝の秋扇のかなめ外れたり〉正岡子規。閉会式直後に池田勇人首相(当時)が退陣表明。掲句に現政権が浮かぶ。五輪と政治、昔も今も一体なのか。
 

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