規制改革を連呼する方である

 規制改革を連呼する方である。きのう菅義偉政権が誕生した▼先週末の自民党総裁選討論会後にも「自助、共助、公助、そして絆 規制改革」と揮毫(きごう)した。理不尽さも伴う農協改革の“悪夢”を思わず想起してしまう。官房長官時代にはトップダウンの官邸農政を推し進めた。規制改革の名の下に実態にそぐわない改革も断行した。実効性ある農政改革には生産現場の理解と納得が欠かせまい▼愛読書にパウエル元米国務長官の『リーダーを目指す人の心得』。この中の〈記者には質問する権利がある。私には答えない権利がある〉を胸に刻む。だからか、菅さんのフレーズに「いずれにせよ」。正面から答えず、話題を転換し自説を展開する時などによく使う▼菅政治力学の肝は官僚の人事権掌握である。だが行き過ぎた官邸主導は、政治と政策をゆがめかねない。本紙2面「今よみ」で元農水省官房長の荒川隆氏は生乳制度改革を「協同組合原則に基づく優れた制度に岩盤ドリルで穴が開けられたことは誠に残念だ」と述懐し、官邸圧力に官僚が抗せなかった無念さも示す。〈制度改悪〉で指定生乳団体機能弱体化へ懸念は増す。規制改革の負の側面を直視すべきだろう▼あくまで国民目線で、名の読みの通り“すがすがしい”政治こそ目指す方向ではないか。

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