貯金通帳を見て、ため息がでる

 貯金通帳を見て、ため息がでる。申し訳程度に1桁で記載された利息。低金利政策を恨めしく思う瞬間である▼無駄遣いをしているわけではないが、通帳の残高はなかなか増えない。収入は増えないし、消費税引き上げや生活必需品の値上げで、なんやかやと生活費はかかる。還暦を過ぎての医療費はばかにならない。〈金は三欠くにたまる〉と聞くが、義理、人情、交際を欠く生活は、至難だろう▼貯金が減っているのは、庶民の財布だけではない。新型コロナ禍で都道府県の貯金「財政調整基金」も激減している。いざというときのために都道府県がためた。今年3月には2兆円近くあったが、休業対策などの財源に使い、半分以下に。これから冬にかけて「第3波」など来れば、底を突くところが続出する▼企業がため込んだ460兆円ともいわれる内部留保は当てにできないし、やはり自己防衛である。ここに来て貯蓄志向が高まってきた。日銀によると、先月の預金残高の伸び率が前年の9%増と過去最高を更新した。出費を切り詰めて、危機に備える。まさに、コロナ戦時下である▼きょうは「貯蓄の日」。伊勢神宮の神嘗祭(かんなめさい)に由来する。ためることの大切さをかみ締めながらも、こちらは一向に増えない通帳の数字を見て、長大息である。
 

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