伸びる木材自給率 供給安定で9年連続

 日本の木材自給率が9年連続で上昇している。林野庁が発表した2019年の木材自給率は、前年比1・2ポイント増の37・8%。9年間で11・5ポイント上昇し、19年度のカロリーベースの食料自給率とほぼ並んだ。食料自給率が横ばいを続ける中、まだ低いとはいえ、なぜ木材自給率は上がるのか。同庁は、国産材が戦後に造林した人工林から安定供給可能となったことや、輸入材より価格変動が小さく、扱いやすいことなどが背景にあるとみる。

 木材自給率は、木材の総需要量に占める国内生産量の割合を示す。10年は26・3%だった。1960年には89・2%だったが、木材輸入自由化の影響などで下落を続け、2002年には18・8%に。だが、その後は長期的に上昇傾向にある。一方、10年度に39%だったカロリーベースの食料自給率は、19年度に38%。かつては上回っていた木材自給率に並ばれた。

 同庁は、需要量が多い建築用を中心に、輸入材から国産材への切り替えが進んだことが木材自給率を上げた一因と分析する。近年、国内の人工林の多くが利用期を迎えたことで安定供給が可能となり、需要に応えられるようになったという。

 為替などの影響で価格変動が大きい輸入材が高騰した際に、価格が比較的安定している国産材の利用が増えた可能性もあるとみる。輸出税の引き上げや森林資源の枯渇といった主要な輸出国の事情で、長期的に輸入量が減少傾向にあることも国産材の利用増加につながっているという。

 ただ、新型コロナウイルスの影響で、主要な需要先となる20年の住宅着工数は前年同月比で1割程度減少。同庁は「今後の木材需要にも確実に影響は出てくる」(企画課)と想定しており、自給率の下落につながる可能性もある。


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