新米販売本番 需給緩和影響じわり 定番銘柄=前年並み 関東産=小幅下げ

 2020年産の新米の販売が本格化してきた。日本農業新聞が今月中旬に首都圏の主なスーパーの販売価格を調べたところ、定番銘柄の新潟「コシヒカリ」、秋田「あきたこまち」は前年並みの水準でスタート。一方、関東産などは小幅に下げており、需給緩和の影響が出ているとみられる。新型コロナウイルスの影響で需要の動向は不透明で、価格引き下げの動きが広がる可能性もある。
 
 首都圏に展開する主要なスーパー13社の東京都内と一部埼玉、千葉県内の店舗で今月10~12日、主な銘柄の価格を店頭とちらしで調べた。前年の価格は、全国1000店舗以上のスーパーを対象にした農水省公表の昨年10月の小売価格と比較した。

 20年産の定番2銘柄の平均価格(5キロ、税込み)は、新潟「コシヒカリ」が2230円、秋田「あきたこまち」が1960円。いずれも、前年と同水準だった。一方、千葉「コシヒカリ」の平均は1760円で、前年より200円ほど安い。関東産の銘柄は、茨城「あきたこまち」の平均が1740円(前年データ公表なし)など、1500~1800円台で販売される商品が目立つ。

 コロナ禍による業務用の需要急減で、米の需給は緩和。農水省が16日に示した21年6月末の民間在庫量は221万~227万トンの見込みで、適正水準の180万トンを大きく上回る。この状況を見据え、20年産の新米が出回る9月の相対取引価格は6年ぶりに前年同月より下がった。全銘柄平均価格は1万5143円で、676円(4%)安い。

 中でも関東産は他地域産より下げ幅が大きく、多くが1000円以上下げた。これを受け、店頭価格も下がっているとみられる。関東ではJA以外の集荷業者も多く価格競争が激しいことや、19年産を含めて在庫を抱え切れず、価格を下げて売り急ぐ動きも一部に出ていることが影響しているもようだ。

 一方、前年並みの価格でスタートした新潟・秋田産については、首都圏の卸は「相対価格の5キロ当たりの下げ幅は50円ほど。小幅に安くなっても現状では店頭価格に反映させないスーパーもある」と指摘する。

 ただ家庭用米は、コロナ禍で内食需要が高まっているものの、需要が失われた業務用が振り向けられ、余剰感が出ている。今後は「全体の需要量は決まっている。現状では価格が前年並みでも、売れ残れば価格競争になる可能性がある」(同)。

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