“楽器の街”から小松菜デビュー ピアノ曲を聴かせ「音響栽培」 主婦層対象に販促へ 静岡県浜松市

音響栽培用スピーカーを設置したハウスでポーズを取る宮本さん(左)ら「コマツ~ナ」のPRチーム(静岡県浜松市で)

 静岡県浜松市西区の農業法人、じゅんちゃんファーム社長の宮本純さん(45)は、小松菜の「音響栽培」に成功した。モーツァルトのピアノ曲を聴かせて育て、増収と栄養素の増加効果を確認。手応えをつかみ「コマツ~ナ」と名付けて「楽器の街・浜松市産の音楽育ち」としてブランド化を始めた。売り込む対象を20~60代の主婦層に絞り、独自の販売促進活動を展開する。

 宮本さんは2018年にサラリーマンをやめて父親の水田農業を継承し、小松菜栽培を始めた。4カ所のハウス50アールで年間50トンを生産。JAとぴあ浜松のファーマーズマーケットやドラッグストアなどの産直コーナーに出荷する。

 「これからの農業は付加価値のある商品を開発し、直接店に卸す販売方法が必須」と考え、作物に音楽を聴かせて育てる音響栽培に着目した。同市は約200の楽器関連企業が立地する“楽器の街”で、「他地域にない魅力あるオリジナル商品になる」と確信。音源も装置も地元にこだわり、市内に本社があるヤマハの最上級モデルのグランドピアノでモーツァルトを演奏しているCDを探した。

 19年3月、15アールのハウスを防音壁で区切り、午前8時~午後5時に音楽を流し試験。収量は自分でデータを取り、栄養成分は厚労省認可の第三者機関に依頼して分析した。その結果、20%増収し、鉄分が3・45倍、ビタミンCが1・41倍になった。

 実験の結果に手応えを感じ、4月にヤマハ製アンプとスピーカー18台を15アールのハウスに導入。同県農業振興基金協会と同県農業法人協会などの支援事業を利用しプロモーションに乗り出した。

 PR資材作りでは、女性の目を引くデザインや好かれるキャラクターを目指した。インターネット交流サイト(SNS)でのPRは、若い女性の閲覧が多いインスタグラム主体に展開。ホームページやPR動画、店頭用POP(店内広告)、パンフレット、のぼり旗の他、静岡県立大学の学生の協力でレシピ動画も作った。

 大学の音響栽培研究者の協力を取り付け、学術的な研究も進める。「楽器の街浜松音響栽培振興協議会」を立ち上げ、仲間づくりも始めた。宮本さんは「高収益化の可能性を視野に、フェラーリやランボルギーニのような“小松菜の高級車”を目指したい」と力を込める。
 

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