泰平の眠りをさます上喜撰、たった四杯で夜も寝られず

 「泰平(たいへい)の眠りをさます上喜撰(じょうきせん)、たった四杯で夜も寝られず」。上喜撰とは宇治の高級ブランド茶のことをいった▼1854年、2度目の来航で上陸を果たしたペリーは、米大統領から将軍への土産を持ってきた。友好の証しは建前、文明の利器で遅れた日本人の度肝を抜いてやろうの魂胆だった。献上品披露の模様を描いた写生図には、ミニチュアの蒸気機関車ともう一つ、侍たちをびっくりさせたものが映っている。電信柱である▼横浜の応接所と900メートル先で電信機のデモンストレーション。瞬く間に通信文が届いた。日ごと日本人がもう一回とせがみに来、飽きずに面白がったと『ペリー提督日本遠征記』にある。それから15年後の1869年、東京―横浜間に電信回線が敷かれる。電信は西南戦争の戦況を東京の政府指導部に伝えるのに大いに活躍した▼きょう電信電話記念日。スマホの普及でペリーも驚く便利な世の中になった半面、家族1人に1台、通信費はやはり重い。値下げに菅首相が力こぶを入れる。首相肝いりの政策は「スガ案件」と呼ばれる。巨大企業への黒船となるか▼成果を心待ちにする人の一方で、カンの民業圧迫の声も。コロナ禍で消費が苦戦する茶をすすりながら、行く末を見守ろう。いやしくも茶を濁すことのなきよう。

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