[千葉・JAちばみどり移動編集局] 飾るから食べるへ パセリ意識改革?! 消費増へ調味料開発
2020年11月05日

「金目鯛のパセリバターパン粉焼き」を試食する農家ら(千葉県銚子市で)
千葉県のJAちばみどりは、全国屈指のパセリ産地だ。JAとJAパセリ部会は「“飾る”から“食べる”へ」をテーマに、パセリを使った料理や加工品開発に力を入れる。今秋には第1弾として、地元料理人がパセリを使ったソースなど調味料を考案。試食会を開き、商品化への可能性を探った。
パセリ部会は現在、約100人が周年栽培し、年間425トン(2019年度)を首都圏の市場などに出荷する。新型コロナウイルス禍で、2月下旬から料亭やホテルなど業務用需要がほとんどなくなり、JAと部会は危機感を持った。パセリは添え物という印象が強く、需要を回復するには新たな利用方法を開発して、消費の裾野を広げる必要があると判断した。
管内の銚子プラザホテル(銚子市)の漆原秀樹料理長に、パセリを使った調味料の開発を依頼した。9月にはピンクペッパー、タマネギ、オリーブオイルを使った「パセリソース」と、バターに塩と練り込んだ「パセリバター」が完成した。
「プロの味を誰でも使える調味料に仕上げた。栄養価を考えれば、パセリは魅力的な食材だ」と漆原料理長。10月に開いた試食会では「マグロのカルパッチョ パセリソースがけ」「金目鯛(きんめだい)のパセリバターパン粉焼き」など4種類を用意。JA職員や部員が、見た目やおいしさ、風味などを確認した。アンケートを取り、今後の商品化に生かす考えだ。
部会長の浪川甚一郎さん(53)は「とてもおいしい。調味料として道の駅などで販売し、パセリの消費拡大につなげたい」と期待をかける。
パセリ部会は現在、約100人が周年栽培し、年間425トン(2019年度)を首都圏の市場などに出荷する。新型コロナウイルス禍で、2月下旬から料亭やホテルなど業務用需要がほとんどなくなり、JAと部会は危機感を持った。パセリは添え物という印象が強く、需要を回復するには新たな利用方法を開発して、消費の裾野を広げる必要があると判断した。
管内の銚子プラザホテル(銚子市)の漆原秀樹料理長に、パセリを使った調味料の開発を依頼した。9月にはピンクペッパー、タマネギ、オリーブオイルを使った「パセリソース」と、バターに塩と練り込んだ「パセリバター」が完成した。
「プロの味を誰でも使える調味料に仕上げた。栄養価を考えれば、パセリは魅力的な食材だ」と漆原料理長。10月に開いた試食会では「マグロのカルパッチョ パセリソースがけ」「金目鯛(きんめだい)のパセリバターパン粉焼き」など4種類を用意。JA職員や部員が、見た目やおいしさ、風味などを確認した。アンケートを取り、今後の商品化に生かす考えだ。
部会長の浪川甚一郎さん(53)は「とてもおいしい。調味料として道の駅などで販売し、パセリの消費拡大につなげたい」と期待をかける。
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2021年01月15日
米生産の目安削減 合意形成 国は後押しを
道府県の農業再生協議会などが定める2021年産主食用米の「生産の目安」がほぼ出そろった。需給均衡水準を上回り、大幅な価格下落が懸念される。目安の削減や、目安よりも生産を減らす「深掘り」が全体的に必要だ。県行政を中心とした関係者の合意形成と、国の強い後押しが不可欠である。
農水省は、需給均衡には21年産で6・7万ヘクタール(生産量36万トン)の作付け転換が必要だと指摘する。だが日本農業新聞の調べでは、41道府県の目安の合計で削減は約17万トンにとどまる。
20年産の需給は過剰作付けと、新型コロナウイルス感染拡大の影響を含めた大幅な消費減で緩和。相対取引価格は下がり、60キロ平均で前年より600円超低い水準で推移する。このままでは、2年で同4000円台半ばの下落となった13、14年産の二の舞いになると危惧される。
そこでJAグループは、20万トンを翌秋以降に販売する長期計画的販売を実施。最大規模の作付け転換などを支援するため政府・与党は、20年度第3次補正予算案と21年度予算案の合計で3400億円の財源を確保した。JAグループは、主食用と非主食用の手取り格差が縮小・解消されると評価する。また品代と助成金から経営費を除いた10アール所得に着目し、主食用と非主食用を組み合わせて所得を確保することを改めて提唱する。
作付け転換をやり切るには支援策の最大限の活用と併せ、県によっては目安の削減や深掘りがまず必要だ。行政やJAグループ、稲作経営者、農業法人、集荷業者や各団体などによる合意形成が鍵を握る。県行政の指導力の発揮が求められる。
野上浩太郎農相も昨年12月の記者会見で目安について「農家の所得向上の観点から、見直しが必要かどうかも含めて関係者で十分な検討を行ってほしい」と述べ、再考を促した。目安や作付け意向の調査、需給動向の分析、営農計画書のとりまとめなどあらゆる機会を捉え、目安の削減を含め作付け転換を強く働き掛けてもらいたい。
消費拡大対策も強化しなければならない。JAグループは国の事業を活用し、コンビニをはじめ事業者と連携した商品開発と販売促進、パックご飯の製造強化、学校給食への提供拡大などを行う。組合員・役職員が1日3食ご飯を食べる運動も展開。系統外への消費拡大策も検討・実施する。消費拡大が官民挙げた取り組みとなるよう同省にもけん引してほしい。
新型コロナの影響による需要の減少を、同省は約9万トンと推計。緊急事態宣言の再発令でさらに減る恐れがある。消費拡大に努めてもコロナ禍による減少分を補いきれなかった場合を想定し、対応を検討すべきだ。
生産・消費両面での取り組みにはスピード感が重要だ。20年産の価格は低下し始めている。需給均衡が見通せる状況を官民一体で早期につくり、市場に示すことが大切である。
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2021年01月11日

新潟・北陸地方 記録的大雪 農業被害相次ぐ ハウス・物流影響大きく
冬型の気圧配置が強まり記録的な大雪となった新潟県や北陸地方では12日、懸命の除雪作業が続いた。ただ、生活道路や農道の多くは除雪が追い付かず、農家やJA職員が農地や農業施設に近づけない状況。被害の全容を把握するには、時間がかかる見通しだ。
新潟県上越市のJAえちご上越本店では、雪の影響で職員の出勤が通常の半分以下に限られる中、午前7時半ごろから職員約30人が雪かきに追われた。JA総務課の高橋一彦次長は「数日で2メートル超の大雪が降ったのは驚いた」と明かす。
管内の農業被害の把握はこれからだが、既に育苗ハウス8棟が雪による重みでつぶれたという報告が上がっている。県内では7日からの暴風雪により18市町村でパイプハウスの損傷などの被害が出ている。被害はさらに拡大する見込みだ。
福井県では、農産物の物流が滞るなどの影響が出た。
花き卸の福井中央花卉(かき)市場(福井市)は主要な道路が軒並み通行止めになった影響で11日のせり取引を中止。13日から通常通り行うが、入荷量は例年の5分の1以下になる見込みだ。
JA福井県直売所「喜ね舎愛菜館」(福井市)は8日ごろから出荷者が来られない状況が続き、12日には入荷も途絶えた。商品が少なく、短縮営業を続けている。
石川県でも、11日時点でビニールハウスなどの被害を確認した。
気象庁によると、日本海側を中心に降り続いた大雪で、新潟県上越市高田では10日午後2時までの72時間に187センチの雪が降った。この他、岐阜県白川村白川や富山県砺波市砺波など、6県13地点で72時間降雪量が観測史上1位を記録した。
富山、石川、岐阜の3県では、倒木や積雪で集落の孤立が発生した。
育苗間に合うか…岩手
雪の重みでハウスがつぶれ、ぼう然とする農家(12日、岩手県奥州市で。高内杏奈写す)
岩手県では県南地域を中心に農業被害が出ている。奥州市では園芸用や水稲育苗用のハウスなどが倒壊した。同市をエリアとするJA岩手ふるさと、JA江刺によると、直近10年では最も大きな被害。規模によっては、ハウスの撤去・再建を考えると、春の育苗作業に間に合うのか心配する農家もいるという。
JA岩手ふるさとの農業被害金額は、4億5700万円余り(8日現在)。雪が一気に降り、その後断続的に降り続いたという。JAは雪が消えなければ支援に動けず、全容把握を第一に取り組む。
JA江刺は6日時点での農業被害予想額は、2億4700万円余り(解体撤去費用を含まず)。積雪のため、現場に立ち入れない所があるため、さらに増えるとみている。
12日も市内で早朝にまとまった雪が降り、降ったりやんだりを繰り返した。雪の重さにつぶれたハウスに農家は一様に落胆していた。
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2021年01月13日
初のノウフク・アワード 優秀賞にJA松本ハイランド(長野)など 16団体 先進事例を評価
農水省は12日、農業と福祉の連携(農福連携)の優れた事例を表彰する「ノウフク・アワード」の初の受賞団体を発表した。優秀賞に長野県のJA松本ハイランドやJA全農おおいたなど、16団体を選んだ。受賞団体の中からグランプリと特別賞を選び、2月10日に東京都内で開催する表彰式で発表する。……
2021年01月13日

実習生ら対象 外国人入国停止 人手不足深刻化も
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は14日、ビジネス関係者らに例外的に認めていた外国人の新規入国を一時停止した。この例外措置の対象には技能実習生も含まれており、昨年11月から今月10日までにベトナム、中国などから実習生約4万人が入国していた。入国制限で生産現場の人手不足に拍車がかかる可能性があり、農水省は影響を注視している。
農水省 支援活用促す
政府は、コロナの水際対策の入国制限を昨年10月に緩和し、全世界からのビジネス関係者らの入国を再開。感染再拡大を受けて12月28日には一時停止したが、中国や韓国、ベトナム、ミャンマーなど11カ国・地域のビジネス関係者らの入国は例外的に認めていた。だがこの措置も14日から、宣言解除予定の2月7日まで停止した。……
2021年01月15日
JAの新着記事
全農TAC大会 JAぎふ最優秀
JA全農は14日、地域農業の担い手に出向くJA担当者(愛称TAC=タック)の活動成果を共有する2020年度の「TACパワーアップ大会」をオンラインで開いた。全国のJAが、TACによる新型コロナウイルス禍での労働力支援やスマート農業の推進など、環境変化に柔軟に対応した活動や提案を報告。最優秀のJA表彰全農会長賞に岐阜県JAぎふを選んだ。
大会は13回目。コロナ対策として発表も含めオンラインで行った。全農によると19年度は全国235JA、1644人のTACが活動を展開。6万9000人の担い手を訪問し、面談は58万7000回に達した。……
2021年01月15日

農家に“ありがとう” みんなで伝えよう 全農 「食の応援団」 虹のコンキスタドール 的場華鈴さん
JA全農の「食の応援団」を務めるアイドルグループ、虹のコンキスタドールのリーダー、的場華鈴さん(20)が、日本農業新聞のインタビューに応じた。応援団の活動で国産農畜産物のおいしさを知る一方、農家が消費者の感謝の気持ちに触れる機会が少ないことに驚いたという。得意なインターネット交流サイト(SNS)を通じ「農家や食への『感謝』を盛り上げたい」と力を込める。
農業の経験はなく、小さい時の帰り道に畑で作業している農家に「こんにちは」と声を掛けたくらい。……
2021年01月15日
環境・所得に配慮を みどりの食料システム戦略 意見交換で全中会長
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ドラレコ記録を提供 犯罪解決へ県内初協定 宮城・JA古川と県警
JA古川は、業務車両に設置したドライブレコーダーの記録データを宮城県古川警察署に提供する。地域の犯罪や事故の早期解決に協力して、安全・安心な地域社会の実現を目指す。14日、JAと同署は協定を大崎市の同署で締結した。同署によると、県内で同様の協定を締結したJAは初。同署が事業所などとこのような協定を結ぶのも初めて。
JAがドライブレコーダーを設置するにあたり、同署に協定締結を提案した。……
2021年01月15日

「農業男子×総選挙」広報大使 初舞台Bリーグ会場 JA東京グループ
JA東京中央会は、男子プロバスケットボールのBリーグに所属する「アルバルク東京」と協力して東京農業PRの強化に取り組む。東京都立川市のアリーナ立川立飛で開かれたホームゲームでは、「農業男子×総選挙」で東京農業広報大使となった3人の若手農家が、初舞台として試合前のコートに登場した。
JA東京グループは今シーズン(2020年10月~21年5月)、ホームゲーム開催時に同チームの選手ら……
2021年01月14日

茶 需要増へ奔走 JA京都やましろ
京都府最大の茶産地を抱えるJA京都やましろが、茶の需要拡大に奔走している。新型コロナウイルス禍などで茶価が大きく低迷する中、苦境に立つ生産者を支えようと、主力の碾茶(てんちゃ)を使う抹茶で、大手食品メーカーや地元菓子店などへの売り込みを強化する。担当部署だけでなく支店の信用共済渉外担当も営業活動を展開。二十数件の契約につなげるなど、販路を徐々に広げている。(加藤峻司)
コロナ禍で価格低迷 ブランド「抹濃」商品化
京都は玉露、碾茶といった高級品の生産量が多いが、茶の需要は高級品を中心に減少している。……
2021年01月12日

直売所がネット通販 朝取り翌日配送 和歌山・JA紀の里
全国有数の取り扱い規模を誇るJA紀の里のファーマーズマーケット「めっけもん広場」は、インターネット通販を始めた。朝に採れた農産物を、通常なら翌日に自宅へ届ける仕組み。新型コロナウイルス下で買い物に出掛けることを控えている人に新鮮な農産物を届ける。
同直売所は青果(野菜・果実)の2019年度の……
2021年01月11日

コロナ禍 密避け家でできる バケツ稲 農体験に重宝 JAグループ配布
JAグループが配布し稲の栽培を手軽に体験できる「バケツ稲づくりセット」が、新型コロナウイルス禍でも食育を継続する手段として注目されている。「3密」を避けるため多くの農業体験が中止となる中、距離を取ったり、家庭に持ち帰ったりして体験できるのが特徴。JAが農業体験の代わりに活用したり、学校が新たに導入したりする事例が出てきた。……
2021年01月10日

キュウリで全農実証施設 収量断トツ 10アール55トン超 高軒高×環境制御 未経験でも成果
JA全農は6日、佐賀市にある大規模栽培実証施設「ゆめファーム全農SAGA」で、国内最高記録となり、全国平均の4倍のキュウリの収量、10アール当たり55・6トンを達成したと発表した。栽培は土耕、養液の両方で成功。特に養液栽培では従来より簡単な仕立て法を採用し、経験が浅くても多収を実現できる。成果を基に既存農家、新規農家の双方にノウハウを提供し、農家手取り向上につなげる考えだ。
同ファームは各地にある全農の「ゆめファーム」の第3弾で2019年12月に開始。……
2021年01月07日
15日に和牛甲子園 今回はオンラインで
JA全農は15日、高校生が和牛肥育の取り組みや成果を競う和牛甲子園をオンラインで開く。大会は動画投稿サイト「ユーチューブ」で中継し、誰でも見ることができる。対面の交流が難しい中でも出場各校が動画を作るなどして、生徒同士の交流につなげる。
2021年01月07日