[未来人材] 31歳。双子で養豚農場 力合わせブランド化 経営改善販売伸ばす 長野県上田市 小川哲生さん 木島源太さん

青年部の仲間や地域への感謝を胸に養豚に打ち込む小川さん(右)と木島さん(長野県上田市で)

 長野県上田市の養豚農場「タローファーム」に、力を合わせて経営する双子の兄弟がいる。生産担当の兄、小川哲生さん(31)と、営業・販売担当の弟、木島源太さん(31)だ。就農時、父親から継いだ農場の経営は切迫していたが、JA信州うえだ青年部の仲間に支えられながら、生産効率の向上や自社ブランドの展開などで経営改善を進めている。現在、肉豚と子豚を合わせて年間6300頭を出荷。2人は青年部の仲間や地域への感謝を胸に、養豚に打ち込む。

 小川さんは大学卒業後に大阪の保険会社に就職。その後、実家の経営危機を知り、2013年にUターンして就農した。就農前には、成功している養豚農家の経営を視察した。「当時は素人だったが、やり方次第では稼げる業界だと実感した」と振り返る。

 就農後は餌のロスを少なくするなど基本的な経営の体質改善に着手。その後、4週間に1回のサイクルでまとめて交配や分娩(ぶんべん)を集中させる仕組みを導入して、生産効率の向上や豚舎の衛生環境の改善などに注力した。

 木島さんは16年に就農。就農前は県内の食品卸売会社で食肉の営業・販売を担当し、食肉流通の世界の人脈とノウハウを築いた。

 前職の経験から、長野県の養豚は複数の生産者でブランドを支えているケースが多いことに注目した。「県内の情勢を逆手に取り、農場単独で品質が安定したブランド豚を育てることができればチャンスはある」と考え、元々自社で販売していた豚を16年に「信州太郎ぽーく」として商標登録を取り、本格的に販売を始めた。

 「信州太郎ぽーく」は地元飲食店や上田市のふるさと納税返礼品などに採用。商標登録前には年間100頭ほどだった自社販売の肉豚は、現在1700頭まで拡大した。

 16年にはNHK大河ドラマ「真田丸」の放映に合わせて、JA青年部有志が「信州太郎ぽーく」を使った「信州おやき みそぽーくまん」を開発。1年間で約20万個が売れて、認知度向上などにつながった。

 小川さんと木島さんは「経営的に一番しんどかった時に、JA青年部の仲間に支えてもらった。今後は青年部の仲間や地域への感謝を生産という形で返したい」と力を込める。
 

農のひととき


 地域の催しなどで、豚の丸焼きを振る舞うことがある。今年は新型コロナウイルスの影響で実施回数は少ないが、丸焼きを見た消費者は驚きを含めてさまざまな感情を抱くようで、農や食、命について考えてもらう大切な機会だと思う。
 

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