農地特区 特例2年延長決定 「全国展開前提でない」 担当相
2021年01月16日
政府は15日の国家戦略特区諮問会議で、兵庫県養父市で認めている企業による農地取得の特例について、8月末の期限を2年間延長する方針を決めた。2021年度中に特例のニーズや問題点を調査し、全国展開の可否について調整する。坂本哲志地方創生担当相は同日の閣議後記者会見で、調査は「全国展開を前提にしたものではない」と述べた。期限の延長を盛り込んだ同特区法改正案は、18日召集の通常国会に提出する。
書面開催した同特区諮問会議で政府は、同市の特例措置について、「ニーズと問題点の調査を特区区域以外においても来年度中に実施し、その結果に基づいて全国への適用拡大について調整し、早期に必要な法案の提出を行う」との方針を提示した。……
書面開催した同特区諮問会議で政府は、同市の特例措置について、「ニーズと問題点の調査を特区区域以外においても来年度中に実施し、その結果に基づいて全国への適用拡大について調整し、早期に必要な法案の提出を行う」との方針を提示した。……
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20年度全国農大校プロジェクト 大臣賞に田中さん(大阪)
全国農業大学校協議会は24日、2020年度全国農業大学校等プロジェクト発表会・意見発表会の結果を発表した。最高位の農水大臣賞には、大阪府立環境農林水産総合研究所農業大学校2年の田中麻綾さんの「『高齢者生きがいづくり』につながる、高齢者によるぶどう栽培方法の検討」が輝いた。
田中さんは生きがいを持った高齢者が減少する現代で花蕾(からい)から大きな房ができる喜びは心を豊かにするきっかけになると考えた。……
2021年02月25日
〈役人の骨っぽいのは猪牙(ちょき)に乗せ〉という川柳がある
〈役人の骨っぽいのは猪牙(ちょき)に乗せ〉という川柳がある。猪牙は吉原に通うのに使った足の速い小舟のこと。お堅い役人も色で骨抜きになるということらしい▼色ならぬ飲食接待で籠絡できるとみられたか。鶏卵生産大手の前代表から接待を受けたとして、農水省の枝元事務次官らが国家公務員倫理規程違反で処分された。次官は、代金は「大臣(同席していた吉川元農相)が支払ったと思っていた」と話していたが、実際には利害関係者である前代表が負担した▼倫理規程ができたきっかけは、23年前に発覚し、大蔵官僚の接待汚職が暴かれた「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」。官僚の皆さんに〈李下(りか)に冠を正さず〉という言葉を贈ろうと思ったが、直近の総務省をはじめ、倫理規程ができた後も違法接待は繰り返され、問われるはむしろ学習能力か▼元農相と前代表の関係は贈収賄事件に発展。政官業の癒着で鶏卵行政がゆがめられたのではないか。国民の厳しい目が農水省に注がれている。心配なのは農政全体に不信感が広がること。政策遂行に支障が出れば農家にも影響が及びかねない▼元農相の在職中の政策決定過程を農水省は検証中だ。傷を治すにはうみを出し切ることが先決である。そして政策で成果を上げる。国民共通の願いは食料自給率の向上だろう。
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2021年02月27日
きょうは茂吉忌
きょうは茂吉忌。医者にしてわが国を代表する歌人である。斎藤茂吉の代表作は「死にたまふ母」の連作であろう▼〈みちのくの母のいのちを一目見ん一目みんとぞただにいそげる〉。山形県の農家の三男に生まれ、早くして養子に出された。東京で精神科医として名を成したが、母への思慕はやみ難い。母危篤の知らせを受け詠んだ歌である。死の床にある母への絶唱歌は〈死に近き母に添寢のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる〉。カエルの鳴き声は茂吉の慟哭(どうこく)である▼コロナ禍で、親の死に目にも会えない人の心中はいかばかりか。茂吉は若い頃、スペイン風邪にかかった。発熱や肺炎に加え、せきや倦怠(けんたい)感の後遺症に悩まされた。同郷の歌人に宛てた手紙は医者らしい予防策をつづる。「直接病人に近づかざること」に始まり、マスク着用、塩水うがいなどを列挙。熱が出たら絶対安静とある▼茂吉のもう一つの顔が旺盛な食欲。作家の嵐山光三郎さんは「もの食う歌人」と称した。大のウナギ好きで知られた。病院の焼失、夫婦関係など私生活では苦労が絶えなかった。嵐山さんは、食べることを生きる力に変えたと書く▼〈あたたかき飯(いい)くふことをたのしみて今しばらくは生きざらめやも〉。食べて生きて歌に昇華させた70年の人生だった。
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2021年02月25日
21年産麦 供給過剰に 需要拡大が課題 農水省・食糧部会
農水省は26日、2021年産の国内産麦の需給状況を示した。小麦について、生産者の販売予定数量は86万4000トンで実需者の購入希望数量を5万トン以上上回る。大麦・裸麦でも販売予定数量が購入希望数量を上回る。国産麦は豊作傾向で余剰感が課題となっており、同日の食料・農業・農村政策審議会食糧部会では、国内麦の需要拡大が課題に挙がった。
小麦の販売予定数量が、購入希望数量を上回るのは6年ぶり。……
2021年02月27日

古里の食知って 6校に広島菜漬 JA広島市
JA広島市は、広島菜の主要産地である安佐南区川内地区近郊の6小・中学校に広島菜漬約1・5トンの提供を始めた。初日は職員や生産者を代表してJA YOUTH広島市佐東支部の倉本守支部長、広島菜委員会の溝口憲幸会長らが市立川内小学校を訪問。広島菜本漬2500袋(1袋180グラム入り)を贈った。
JAは例年、食農教育の一環として近隣の学校に、広島菜漬センターで工場見学や住民を中心に収穫を祝う広島菜まつりを開く。だが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となった。
小・中学校への提供は、郷土愛を育んでもらおうとJA共済連広島と初めて企画した。本漬とは一般的な浅漬けと異なり、半年以上漬け込んだ独自の製法で調味した広島菜漬で常温保存が可能だ。JAは、2月末までに6校へ8520袋を届ける予定だ。
営農経済部の橋岡由夫副部長は「家庭で広島菜漬のおいしさを知り、広島菜を後世につなげてほしい」と話す。
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2021年02月27日
農政の新着記事
米作付け意向 28都道府県 前年並み 農相「一層の転換必要」
農水省は26日、2021年産主食用米の作付け意向の第1回調査結果を発表した。1月末現在で28都道府県が前年並み傾向、19府県が減少傾向を見込み、増加傾向の県はなかった。21年産米の需給均衡には過去最大規模の転作拡大が必要だが、一部の米主産地は前年並み傾向。野上浩太郎農相は同日の閣議後記者会見で「需要に応じた生産の実現には、より一層の作付け転換の推進が必要な状況だ」と訴えた。
20年の作付面積との比較で、同省が都道府県や地域の農業再生協議会に聞き取ってまとめた。……
2021年02月27日

[米のミライ](3) 複数年契約 価格変動リスク回避 実需にもメリット JAあいち経済連
JAあいち経済連は、県内JAと協力して、県産銘柄米「あいちのかおり」の5年間の固定価格長期契約取引を推進している。農家は米価の変動リスクを抑えて収入を確保、実需者は業務用米の調達コストを平準化でき、共に経営の安定化につながる。新型コロナウイルスの影響で米需要が見通しにくい中、生産・消費双方から改めて注目が集まっている。
契約期間は2018~22年産の5年間。……
2021年02月27日

米需給緩和 強い懸念 JA外へ働き掛けを 自民政策検討委
自民党は26日、農業基本政策検討委員会(小野寺五典委員長)を開き、2021年産米の需給対策について議論した。議員からは需給緩和や価格下落への懸念が噴出。JAグループ以外の転作推進に向け、行政の対応を求める意見が目立った。20年度第3次補正予算と21年度当初予算案で計3400億円を計上した転作支援策が活用されるよう、現場への浸透を訴える声も相次いだ。
小野寺委員長は、同日公表された1月末時点での主食用米の作付け見通しでは価格下落の懸念があるとして、「危機感を持って対応しなければならない。本当に重要な時期だ」と述べた。……
2021年02月27日
21年産麦 供給過剰に 需要拡大が課題 農水省・食糧部会
農水省は26日、2021年産の国内産麦の需給状況を示した。小麦について、生産者の販売予定数量は86万4000トンで実需者の購入希望数量を5万トン以上上回る。大麦・裸麦でも販売予定数量が購入希望数量を上回る。国産麦は豊作傾向で余剰感が課題となっており、同日の食料・農業・農村政策審議会食糧部会では、国内麦の需要拡大が課題に挙がった。
小麦の販売予定数量が、購入希望数量を上回るのは6年ぶり。……
2021年02月27日
農水省、次官ら6人処分 減給3人 鶏卵大手と会食で
贈収賄事件で在宅起訴された吉川貴盛元農相と鶏卵生産大手「アキタフーズ」前代表の会食に農水省の幹部職員が同席していた問題で、同省は25日、枝元真徹事務次官ら6人に対し、減給1カ月などの処分を行った。調査の結果、利害関係者に当たるアキタフーズが費用を支払ったことを確認。利害関係者からの接待を禁じる国家公務員倫理規定に違反したと認定した。
野上浩太郎農相は責任を取り、閣僚給与の1カ月分を自主返納する。……
2021年02月26日
米需要喚起最優先に 転作財源確保も要望 自民水田議連
自民党の水田農業振興議員連盟(小野寺五典会長)は25日、2021年産米の需給緩和の懸念を受け、今後の対応方向について議論した。出席議員からは米の需要拡大に向け、輸出だけでなく、国内需要の喚起にも本腰を入れる必要があるとの声が改めて上がった。転作支援の財源確保が引き続き重要になるとの意見も相次いだ。
農水省によると、21年産米の需給均衡には、作況指数が100だった場合の20年産の生産量と比べ36万トン、面積換算で6万7000ヘクタール(5%)の減産が必要。需給と米価の安定に向け、作付面積を抑えられるか、「正念場」(野上浩太郎農相)を迎えている。
上月良祐氏は議連で、米の輸出拡大だけでは年間10万トンとされる主食用米の需要減少ペースに追い付かないとし、国内需要喚起の必要性を改めて提起した。「需要の落ちを抑えない限り、(水田農業には)未来がない」との危機感も示した。
進藤金日子氏は「安心感を与えないと、(生産者が)経営安定を図れない」と強調。今後も水田活用の直接支払交付金などの財源を確保することが重要だとし、財務省も含め「共通認識」にするべきとの考えを示した。
宮崎雅夫氏も、予算維持には国民理解が欠かせないとし、国土保全や食料安全保障への貢献といった農業の意義を説明する必要があると訴えた。
同日は、東京大学大学院の安藤光義教授が水田農業政策について講演した。転作助成金が水田の維持や規模拡大などを支えているとし、助成金の削減は「構造改革のはしごを外すことになりかねない」とした。
今後の水田農業について安藤教授は、コスト削減を基本に、輸出だけでなく国内需要拡大を進めるべきだと指摘した。低所得者への提供など、政府備蓄米の活用方法の拡大も検討課題に挙げた。
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2021年02月26日
農作業安全検討会の初会合 農機対策待ったなし 農水省
農水省は25日、農作業事故防止の取り組みを強化するため、関係団体を集めて対策を議論する「農作業安全検討会」の初会合をオンラインで開いた。特に死亡事故の多い農機が焦点の一つで、安全対策のルール化や安全性検査について、既存の仕組みの見直しも視野に話し合う。農家側の意識向上も柱とする。4月までに3回の検討会を開いた後、具体的な対策に向けた中間取りまとめをする。
農業団体や業界団体、識者らが集まり、農水省が現状を報告した。報告では、……
2021年02月26日
農業の豪雨対策強化 ハザードマップ作成へ 福岡県
福岡県は2020年の7月豪雨をはじめ、県内で4年間連続して豪雨災害が発生したことを受け、農業の減災対策に本腰を入れる。降雨による浸水想定区域や農業被害予測を地図に「見える化」し、関係市町やJAと情報を共有。水害リスクが低い地区に農業用ハウスを移転する際に経費を助成するなど、全国でも珍しい取り組みを進める。
21年度予算 ハウス移転費助成
続発した豪雨災害では特に、河川の氾濫で農業に大きな被害が出た。……
2021年02月25日

[米のミライ](2) 政策フル活用 飼料用軸に安定経営 10アール15万円めざす 青森県五所川原市豊心ファーム
転作の要となる飼料用米は、高収益を実現できるのか──。全国的に飼料用米の生産量が減少する中で、青森県五所川原市で大規模水田農業を展開する(有)豊心ファームは、飼料用米を基幹作物に位置付け、生産を拡大している。
同社の経営面積は水稲70ヘクタール、大豆50ヘクタール。……
2021年02月25日
今季狩猟期前半 鹿、イノシシ捕獲14%増 集中キャンペーン奏功
今シーズンの狩猟期の前半に当たる2020年秋から20年末までに、鹿とイノシシの捕獲頭数の合計が前年より14%増えたことが農水省の調査で分かった。20年度から始めた、重点地域を設定して捕獲への取り組みを強化する「集中捕獲キャンペーン」に一定の効果があったとみられる。鹿の捕獲数は全国的に増えたが、イノシシには地域差もある。対策を一層強化し、捕獲頭数を底上げできるかが課題になる。
半減目標へ強化課題
同省が20年秋の狩猟期開始から20年末までの鹿、イノシシの捕獲数を都道府県から聞き取った。……
2021年02月25日