Aコープ系など3社合併へ 4月発足、事業拡大
2021年01月19日
JA全農は18日、全農グループの全農クミックス(神戸市)、Aコープ東北(岩手県矢巾町)、エーコープ関東(横浜市)の3社が合併契約を結んだことを発表した。4月1日に合併し「Aコープ東日本」として発足する。効率的な要員体制などによる運営コスト減や、農作業用品の供給体制強化、事業拡大を進めるのが狙いだ。……
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米の転作深掘り 飼料柱に官民で強化を
2021年産主食用米はこのままでは過剰作付けになりかねない。相対取引価格(消費税・包装代を除く)が、60キロ平均1万1000円程度となった14年産水準に下落することも懸念されている。農家の経営安定には飼料用などへの転換が求められる。生産の目安の深掘りが必要で、行政の指導力発揮が不可欠だ。
主食用米に過剰感があり、需給均衡には、20年産が作況100だった場合と比べ21年産は生産量で36万トン、作付面積で6・7万ヘクタール、割合でともに5%の減産が必要と農水省は見通す。過去最大規模の転作拡大となる。
しかし、JA全中のまとめでは、各県の生産の目安を合計すると減産は約20万トンにとどまる。また、同省がまとめた作付け意向では28都道府県が前年並みの傾向で、一層の転作推進が必須だ。県によっては目安の削減や、目安よりも生産を減らす深掘りも必要だといえる。
一方、20年産の相対取引価格(同)は19年産を毎月下回り、下げ幅も拡大。1月は60キロ1万3600円強で6%安だった。前回の米価下落が始まった13年産よりも低い価格で推移している。前回は13、14年産の2年間で同約4600円と大幅に下がった。繰り返さないためには、種もみや作付けの準備が始まる中で、非主食用米への転換が現実的であろう。用途別の需給状況を見ると飼料用が柱になる。
主食用米の過剰作付けは農家の経営に二重の損失を与える。生産過剰になれば米価が下落、それに見合うほど需要が増えなければ所得が減る。助成金を含め、作付け転換していれば得られたであろう所得もない。
作付け転換は個別農家の経営判断の問題というだけはない。地域の水田農業全体から得られる所得を増やすには、団地化によるコスト削減など産地ぐるみでの計画的対応が必要だ。課題は、JA以外に出荷する農家や集荷業者への推進である。JAグループの集荷率は4割程度だからだ。2月26日の自民党農業基本政策検討委員会では、行政に対応を求める意見が出た。
野上浩太郎農相は同日の記者会見で「都道府県がイニシアチブを発揮して、産地や農家・生産法人など全ての関係者が一丸となって、(6月末が期限の)営農計画の検討を進めてほしい」と訴えた。「産地の後押しをしていく」との決意も表明した。地方組織を含め同省にも、地方行政と共に、集荷業者・団体や大規模農業法人などへの一層強力な働き掛けを求める。
また転作拡大面積に対し国が県と同額(上限10アール5000円)を助成する支援策に、15県(2月22日現在)が取り組む方針だ。他県も活用してほしい。議会の影響力にも期待したい。
農家の所得減少は地域経済も冷やしかねない。主食用米と、助成金を合わせた転作作物の手取りの見通しなど経営判断に役立つ情報も提供しながら、作付け転換への農家の理解を得る官民挙げた取り組みが重要だ。
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2021年03月04日
農高では基礎固め 農大校で課題研究 即戦力を育成 5年一貫教育へ 和歌山県
和歌山県は、農業系高校と農林大学校で5年間の一貫教育に乗り出す。2022年度の高校入学生から開始。高校のうちに栽培などの基礎知識や技能を身に付けてもらうことで、大学校では果樹などについての課題研究に力を入れられるカリキュラムを検討する。担い手の減少が進む中で、即戦力となる人材の育成を急ぐ。
県によると、こうした一貫教育は全国でも珍しい。……
2021年03月08日

日本型アニマルウェルフェア開発へ 集まれ“応援団” 鶏肉販売始める 信州大農学部
信州大学農学部(長野県南箕輪村)は3日、アニマルウェルフェア(快適性に配慮した家畜の飼育管理)の飼育施設で育てた鶏肉の販売を始めた。研究の一環で飼育した肉用鶏を販売することで、消費者へのアニマルウェルフェアの認知度向上につなげる考えだ。
同大によると、アニマルウェルフェアの畜産物を大学の農学部が販売するのは全国初。販売するのはモモ肉、ムネ肉、手羽元の3部位で、いずれも冷凍している。
同学部では2020年7月に、アニマルウェルフェアに対応した研究用鶏舎を完成させた。鶏は1平方メートル当たりの飼育数を日本の一般的な飼育数の15、16羽より少ない11羽で飼育し、飼育密度を下げた。この他にも、鶏舎内で終日照明を点灯させずに、1日2時間連続で照明を消すなどしてストレスを軽減させ、快適な環境をつくった。
今回販売する鶏肉は、昨年12月下旬にひなから育て、2月上旬に山梨県笛吹市の加工業者に出荷した310羽分。
研究に取り組む竹田謙一准教授は「販売を通じて、消費者がアニマルウェルフェアの考え方を知り、応援団になってもらいたい」と説明する。
キャンパス内の直売所で発売。モモ肉1袋(2キロ)2000円、ムネ肉1袋(同)1500円、手羽元1袋(同)1300円。
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2021年03月04日

イネもみ枯細菌病を抑制 4種の 「善玉菌」 発見 農研機構
農研機構は3日、稲の重要病害、イネもみ枯細菌病=<ことば>参照=の発症を抑える微生物を発見したと発表した。稲自身から見つかった4種類の細菌で、稲の体内の微生物のバランスを取り、病原菌を抑える「善玉菌」と考えられる。同病は決定的な防除方法がないため、微生物農薬など有効な防除資材の開発に役立つとみる。
善玉菌は、イネもみ枯細菌病に感染した稲の幼苗から見つかった。……
2021年03月04日

1月農産物輸出40%増 家庭向け好調 過去10年で最高
2021年の農林水産物・食品の輸出は好調な滑り出しとなった。農水省がまとめた1月の輸出額は前年同月より40%増の758億円で、1月としては過去10年で最高だった。新型コロナウイルス下、牛肉やリンゴ、緑茶などの引き合いが家庭向けで強まった。飲食店の規制が続く地域もあり、輸出拡大には家庭用需要の開拓が重要になっている。
前年からの伸びが特に大きいのは、リンゴで185%増の40億円。最大の輸出先の台湾では、春節向けの需要がピークを迎えた。コロナ下で家庭用需要が高まったことや、昨年は春節が早く1月には輸出のピークを過ぎていたことで増加幅が大きくなった。青森県は、「台湾や香港で小売りの伸びが大きい。リンゴは日持ちも良く、巣ごもり需要で選ばれた」(国際経済課)と指摘する。
牛肉、豚肉、鶏卵など畜産物も軒並み、家庭での需要の高まりを受けて好調だった。牛肉は、69%増の23億円。カンボジア、香港、台湾などアジア向けが伸びた。「香港向けは、家庭用に日本産の牛肉需要がある」(日本畜産物輸出促進協議会)という。
緑茶も25%増の14億円と勢いがある。日本茶輸出促進協議会によると、家庭でも手軽に飲める粉末茶が支持されている。担当者は「緑茶のおいしさや効能が認知されて、繰り返し購入する人が増えている」と話す。
その他の青果物も巣ごもり需要で好調だった他、米は31%増の5億円。日本酒も64%増の23億円と大きく伸びた。
政府は30年に農林水産物・食品の輸出額を5兆円にする目標を掲げる。海外のニーズや規制に対応し、輸出向けに生産する輸出産地を選定して、支援している。
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2021年03月03日
JAの新着記事

受診結果アプリで 推移グラフ化再検査通知も 健康維持へ期待 鹿児島厚生連
鹿児島厚生連病院健康管理センターは、健康診断と人間ドックの受診者を対象に、健康管理アプリ「CARADA健診サポート」を使った情報提供のサービスを始めた。スマートフォンでいつでもどこでも結果が見られるため、日頃からの健康管理に期待がかかる。
アプリは無料で使える。……
2021年03月08日

「祇園パセリ」料理の主役に キッチンカーで発信 JA広島市
JA広島市が事務局を務める祇園町農事研究会パセリ部会は、特産「祇園パセリ」のキッチンカーでのPRを始めた。2月に広島市で開かれたマルシェでデビューして「祇園パセリ」やパセリスムージーを販売。栽培の歴史やレシピなどを掲載したリーフレットを配った。県内のイベントなどにも出店を予定し、メニューを増やして料理の主役としてパセリをアピールする。
「祇園パセリ」は、葉が柔らかくて細かく縮れ、濃い緑色が特徴。……
2021年03月08日

重点項目実践JA最多 自己改革着実に 20年度活動報告
JA全中は、JA自己改革の成果をまとめた「JAグループの活動報告書」の2020年度版を公表した。20年度は、重点6項目に取り組むJAの割合がいずれも過去最高。「営農・経済事業への経営資源のシフト」は63・2%が実践し前年比8ポイント増、「生産資材価格の引き下げと低コスト生産技術の確立・普及」は93・5%で同1・4ポイント増などの成果が出た。
活動報告書は18、19年度に続く3冊目。……
2021年03月07日

日本農業賞 ネットで表彰式
JA全中とNHKは6日、第49回・50回日本農業賞の表彰式をオンラインで開催した。新型コロナウイルス感染拡大により表彰式を延期していた昨年の第49回の大賞7組、特別賞3組と、第50回の大賞7組、特別賞3組へ、事前に送付していた表彰状を読み上げた。国内農業のトップランナーをたたえ、地域農業のけん引役としての一層の活躍に期待を寄せた。
全中の中家徹会長は「コロナ下で国消国産の重要性が広く認識された」と指摘。……
2021年03月07日
全中、「不断の改革」決議
JA全中は5日、東京・大手町のJAビルで臨時総会を開き、「JAグループの『不断の自己改革』の実践に関する特別決議」を採択した。農業者の所得増大、農業生産の拡大、地域の活性化という三つの基本目標の実現に向けて、自己改革を継続することを表明。持続可能なJA経営基盤の確立・強化に取り組むことも確認した。……
2021年03月06日

震災10年 教訓つなぐ 東北産品 東京で発信 中金や全農 丸の内周辺
東日本大震災から間もなく10年を迎えることを受け農林中央金庫やJA全農、三菱地所などは、東京中心部で東北地方の食材をPRするイベントを始めた。4月4日まで、新幹線やバスの空きスペースも活用して運んだ食材の販売会や、料理を飲食店で提供する企画などを展開する。5日、開会式典を東京・丸の内で開いた。
農林中金など3者の他JR東日本や河北新報などでつくる「あれから10年、これから10年」コンソーシアムの主催。復興に向けた10年間を振り返り、地域の活力ある姿や震災の教訓などを未来につなぐことが目的だ。
6日から14日まで東京・丸の内で、スイーツを販売するホワイトデーの催事に合わせて東北産のイチゴを販売。8日から14日まで、東京駅で特産品を販売する。
8日から4月4日まで大手町・丸の内・有楽町にある約50の飲食店で、福島県の魚介類を中心に東北の食材を使った限定メニューを提供する。復興に関するワークショップやシンポジウムなども企画する。
5日の式典には各組織の代表者が出席。農林中金の奥和登理事長は「復興したところもあれば、復旧にとどまっているところ、復旧にも至っていないところがある。(イベントを通じて)そのような現実を共有したい」と述べた。
この日は、東北6県の銘柄米のパック(1パック 300グラム)を詰め合わせた全農の「絆米」、宮城県産のイチゴ「とちおとめ」などを販売した。
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2021年03月06日
大型特殊免許350人合格 技能講習会が人気 希望者多く支援継続 JAグループ鳥取
JAグループ鳥取は、トラクターなど農耕車の公道走行に必要な大型特殊免許(農耕車限定)の技能講習会を開き、2020年度は合格者が350人に上った。県や農機メーカーが講習場所やインストラクターの養成を支援。JA組合員には受講料の3分の1を助成した。受講希望者が多いため21年度も支援し、免許取得を後押しする。……
2021年03月06日
アグラボ・JR東日本など 農業データ活用で実証実験 経営高度化めざす
JAグループが開設したアグベンチャーラボと農林中央金庫、JR東日本スタートアップなどは4日、ハウストマトなどを栽培する福島県いわき市の農業法人で、データを活用した農業経営の効率化に関する実証実験を始めると発表した。データの活用、分析サービスをするベンチャー企業と連携。収益改善や農業経営の高度化を目指す。農業経営の発展を促すサービスの開発などにつなげる狙い。……
2021年03月05日
[震災10年 復興の先へ] 東北3県JA 統一活動 未来への思いを共有
震災の記憶を風化させない──。岩手、宮城、福島の各県JA中央会が、東日本大震災から10年の節目に合わせJAグループ統一活動を展開する。JAグループ役職員、生産者、消費者らが復興の歩みを振り返り、残された課題、その解決のために必要な支援、未来への思いを共有する。
岩手 トークリレーを配信
JAいわてグループは復興への取り組みや、一人一人の思いをトークでつなぐ「震災復興トークリレーション」を、10日午前9時から動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信する。JA岩手県五連の小野寺敬作会長と県内7JAの組合員が復興の現状と取り組み、今後の復興ビジョンなどテーマに沿って、話し手と聞き手による対談形式で意見交換した内容を収録した。県内テレビ局のアナウンサー、県にゆかりのある著名人も応援メッセージで登場する。
宮城 マルシェとパネル展
JAグループ宮城とJA宮城中央会は8日、「復興マルシェ」をJR仙台駅前の仙台アエル1・2階アトリウム特設会場で開く。県内9JAとJA全農みやぎ畜産部、パールライス宮城、農協観光が計16のブースを出展する。米をはじめ新鮮な野菜や果実、花き、JA独自の加工品などを販売する。
時間は午前11時から午後4時半。震災復興パネル展示も行う。この日、JAビル宮城で開く追悼行事を終えたJA組合長も会場を訪れ、JAのキャラクターと販売を応援してマルシェを盛り上げる。
福島 会場とネットで大会
JAグループ福島は13日、郡山市の「ユラックス熱海」で東日本大震災復興祈念大会を開催する。県内の農林水産業者と生協組合員ら約700人が参加する予定だ。会場参加できない組合員・役職員らのため、インターネットで同時配信する。地域や農業・漁業・林業の復興・再生の状況を動画で紹介。被災地の生産者、台風19号被災者、新規就農者、女性農業者、農業高校生の各代表が決意表明する。大会決議も採択する。
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2021年03月05日
米価14年産並みも 産地全体で危機感共有を 全中が水田農業対策委
JA全中は3日、水田農業対策委員会を開き、2021年産主食用米の需給について議論した。20年産の相対取引価格が13年産と同様の動きをしていることから、続く21年産では米価が大幅に下落した14年産並みの低水準になる恐れがあると確認。概算金にも大きな影響が出かねないとの危機感を共有した。
全中やJA全農が情勢を報告した。……
2021年03月04日