TPP 再協議動き見えず 加盟国拡大を加速 委員会あす初会合

 環太平洋連携協定(TPP)参加11カ国は19日、東京都内で閣僚級のTPP委員会を開く。新規加盟国の拡大を目指す意思を共有し、共同声明を発表する方針だ。日本は離脱した米国と2国間の貿易協定交渉を始めるが、米国からの輸入量を織り込んで設定された牛肉セーフガード(SG=緊急輸入制限措置)の発動基準見直しなど、協定に盛り込まれた再協議の動きは見えない。課題を残したまま、協定の拡大に乗り出す。

 昨年12月のTPP11発効を受けて開く。協定の運営の最高意思決定機関で、議会承認などの国内手続きを完了し、60日たった「締約国」が正式なメンバー。初会合では7カ国が該当する。メキシコと日本、シンガポール、ニュージーランド(NZ)、カナダ、オーストラリアに加え、1月14日にはベトナムが新たに締約国に加わった。

 委員会では新規加盟の手続きなどを正式決定する予定。加盟を希望する国が協定窓口国のNZに通知し、全締約国が合意すれば手続きが始まる。農産物などの関税は、希望国と各締約国の2国間交渉で決める。新規加盟にはタイなどが意欲を示しており、年内の早期に手続きが始まる可能性もある。

 11カ国の首席交渉官らは委員会に先立つ18日、会合を開き、委員会での決定事項や共同声明案などを調整する予定。

 一方、TPP11に盛り込まれた再協議規定は、依然として課題になっている。11カ国の交渉では、米国のTPP復帰が見込まれない場合、牛肉SGの発動基準やバター・脱脂粉乳の輸入枠などを見直すため、日本が中心となって再協議をする規定を盛り込んだ。

 日本と米国が貿易協定交渉の開始で合意したことで、TPP復帰は遠のいた。だが、今回の委員会では日本を含め、再協議規定についての議論を提起する動きはない。

 発効後、輸入量は既存加盟国が満たしていく見通し。発効から年月がたつほど、既存加盟国が再協議に応じるか不透明さが増す。半面、米国以外の国からの輸入が必要以上に増え、SGも基準数量が実態と合わず機能しない可能性が高くなるなど、日本にとっての問題点は多い。

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