女優オードリー・ヘプバーンとアンネ・フランク

 女優オードリー・ヘプバーンとアンネ・フランク。片や『ローマの休日』で有名な銀幕の妖精、片や『アンネの日記』で知られる悲劇の少女で、その生涯は異なるが、共通点がある▼2人は同じ1929年生まれ。第2次世界大戦中、ナチスドイツに占領されたオランダで過ごした。オードリーはバレリーナを志したが、飢餓でチューリップの球根を食べてしのいだ。レッスン中に栄養失調で倒れたことも。叔父はレジスタンス容疑で殺された。それでも秘密の公演でバレエを踊り、資金面で抵抗運動に協力した▼アンネの夢は作家になることだった。日記を本にしたいと願った。だが隠れ家が見つかり、強制収容所で飢えと病のため15年の生涯を閉じる。アンネの思いは戦後、父オットーが日記を出版することで実現した▼2人の運命を分けたのが、ユダヤ人の市民権を否定するニュルンベルク法だった。制定されたのは1935年のきょう。第1次世界大戦の痛手から立ち直れないドイツ、議会制民主主義への国民の失望。それが、ホロコーストにつながった▼今年はアンネらの生誕90年。香港では、「民主の女神」周庭(アグネス・チョウ)さんが民主化運動の最前線に立つ。自由と自治を求める女性たちの闘いは、地下水脈のように今も続く。
 

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