牛肉SGなお課題 TPP新規加盟は加速

ソムキット副首相(右)と会談する西村経済再生相(左)(17日、東京都千代田区で)

 タイの環太平洋連携協定(TPP)加盟交渉入りに向けた動きが具体化してきた。8月のTPP委員会での交渉入りの正式決定を視野に入れるが、タイは農産品の輸出大国だけに、慎重な対応が求められる。TPPを巡っては、米国の離脱を受けた牛肉セーフガード(緊急輸入制限措置=SG)の調整なども積み残したままだ。日本が抱える課題は多い。

 「全面的に支援し、緊密に連携していく」。西村康稔経済再生担当相は17日、タイのソムキット副首相との会談後にこう述べ、タイの新規加盟を全面支援する考えを重ねて示した。4月に新規加盟方針の正式表明、8月にTPP委員会で正式承認という道筋にも何度も言及した。

 タイには日本の自動車メーカーなどの工場が多い。TPPに加盟すれば、完成車や部品の関税が優遇される供給網が広がるため、日本政府はタイの加盟を強く歓迎する。

 一方、農産品の扱いには懸念が残る。2007年に発効した経済連携協定(EPA)では、対日輸出が大きい米、砂糖は除外・再協議の対象にした。鶏肉や鶏肉調製品は関税を削減した。

 TPPの加盟国に対しては、こうした品目で日・タイEPAよりも市場を開放している。TPP加盟後の扱いは、今後の2国間交渉次第だ。

 西村氏は、副首相との会談で農産品の議論はなかったと説明した。ただ、今後の対応方針は「守るべきものは守り、攻めるべきは攻める。日本の主張はしっかりしていきたい」と述べるにとどめた。

 TPP委員会は、加盟国の閣僚らが集まり、新規加盟以外の論点も解決する場になる。日本が積み残しているのが牛肉SGの扱いだ。

 日本は米国との貿易協定を踏まえ、米国とTPP国からの輸入量の合計でTPPのSGが発動する仕組みになるよう、22年9月までに加盟国との調整を終える方針だ。

 昨年10月にニュージーランドで開かれた同委員会で日本は、日米協定の内容を説明するにとどまった。具体的な調整を進める場にできるかが焦点になる。
 

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