知り合いの幼稚園の経営者の元へ、匿名の電話がかかってきた

 知り合いの幼稚園の経営者の元へ、匿名の電話がかかってきた。「休業要請が出ているのに何でまだ開けているんだ」。捨てせりふは「役所に言うぞ」▼その園は学童保育を開き、働く親たちの救いの場になっているというのに。コロナ禍で「自粛警察」とやらが監視の目を光らす。公園や店に人が集まる写真をネットに上げ非難する人。ライブハウスがネットで音楽配信をしただけで警察に通報すると脅す人。感染者の特定に躍起になる人▼「自粛しなければ通報します」。心配や不安のあまり、とげとげしい言葉が日常に忍び込む。緊急事態宣言の有無に関わらず、第2波を恐れ、監視が過熱することを危ぶむ。同調圧力が「正義感」となって自警団と化すのか。戦前の「隣組」も国民総動員体制の下、思想・経済統制を強いる末端の住民組織だった▼ <歌詞> とんとんとんからりと隣組。戦時歌謡「隣組」は、向こう3軒両隣、助け合いの尊さを歌う。〈互いに役立つ用心棒 助けられたり助けたり〉。だが戦時下では、頼りになるお隣さんが密告者にも豹変(ひょうへん)する。見えない敵への不安が、市民を「自粛警察」へと駆り立てる時代が再び来ようとは▼偽善を嫌った辛口の随筆家・山本夏彦さんは言ったものだ。「汚職は国を滅ぼさないが、正義は国を滅ぼす」
 

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