[新型コロナ] コロナはね返せ 「父の日」へ日本酒 アイデア続々

写真上=「父の日 早期割りキャンペーン」を紹介する白鶴酒造のネットショップ(神戸市で)左=日本酒と高濃度アルコール酒がセットの商品(宮下酒造提供)右=リニューアル販売した「父の日限定 日本酒飲み比べ5本セット」(月桂冠提供)

ネット早割り 消毒液代替セット “映える”仕掛け

 
 新型コロナウイルスの影響で日本酒の消費が落ち込む中、酒造メーカー各社が来月21日の「父の日」に向け、動きを活発化させている。期間限定の割引キャンペーンを展開したり、「父の日」に照準を合わせた新商品を投入するなど販売を強化。「父の日」を「夏場の数少ない商機」(業界大手)と位置付け、需要の巻き返しを図りたい考えだ。(北坂公紀)
 
 白鶴酒造(神戸市)は今月15日から、「父の日 早期割りキャンペーン」を展開中だ。来月1日までの期間中、同社ネットショップで対象商品を予約すると価格が1割引きとなる。こうした取り組みは今回初めてで、同社は「外出自粛ムードの中でも、ネットだと気軽に購入できると考えて企画した」と話す。

 対象となるのは、日本酒の飲み比べセットや、日本酒とグラスのセットなど20商品。2513~2万2000円の通常価格から1割引となる。同社は「父の日は夏場の数少ない商機の一つ。コロナの影響で販売が落ち込む中、巻き返しを図りたい」と意気込む。

 新商品を投入するのは宮下酒造(岡山市)だ。同社は今月中旬、「お父さまありがとう」とラベルに記した純米酒(720ミリリットル)と、消毒液の代わりになる高濃度アルコール酒(500ミリリットル)をセットにした新商品を発売。同社ネットショップで3980円で販売する。

 消毒液が不足する中、同社は4月中旬から、代替となる高濃度アルコール酒の生産に乗り出した。同社は「母の日でも高濃度アルコール酒のを求める問い合わせが多かった。親の健康を気遣う消費者から人気だ」と話す。

 月桂冠(京都市)は「父の日限定 日本酒飲み比べ5本セット」(300ミリリットル5本入り3500円)をリニューアル販売する。包装箱を一新し、箱を開けると感謝の言葉とともに、花束のイラストが飛び出す仕掛けにした。同社のネットショップ限定で、同社は「写真撮影にもぴったり」とPRする。
 

プレゼント上位人気


 日本生命保険が2019年に実施した調査によると、「父の日」に贈るプレゼントについて、日本酒を含む「酒類」を選んだ人の割合は25%。「食事・グルメ」(31%)に次いで2番目に人気だった。

 同社は「酒類の回答は近年、増加傾向にあり、父の日のプレゼントとして人気が高まっている」と指摘する。
 

3月出荷量13%減少


 新型コロナウイルスの感染拡大で日本酒の消費量は落ち込んでいる。

 日本酒造組合中央会によると、宴会やイベントの自粛が相次ぐ中、全国の日本酒の出荷量は2月下旬から減少。2月の出荷量が前年同月を9%下回り、3月は同13%減となった。4月については集計中だが、緊急事態宣言の影響で一層、落ち込んだとみられている。

 こうした中、原料となる酒造好適米の需給環境への影響も懸念されている。産地関係者は「20年産の酒造好適米の販路を確保できるか心配だ」「出来秋に相場が下落しないか不安だ」と、メーカーの動きを歓迎する。

 同中央会は「地方の中小規模の酒蔵を中心に、かなり厳しい。父の日で日本酒の需要が盛り上がれば」と期待を寄せる。

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