ダイアモンド☆ユカイさん(歌手) 妻の料理でキレずに健康

ダイアモンド☆ユカイさん

 生まれは今で言う西東京市。当時の田無です。小学校2年生までそこで過ごし、埼玉の東大宮に引っ越しました。青春時はずっと大宮の外れで育ちました。当時のごちそうと言えば、なんと言ってもすき焼きですね。子どもって肉が好きですから。それにしらたきがいいんですよ。なんだか分からないけど、まるでラーメンみたいで面白がって食べました。

 うちは両親とも働いていたんです。働く女性への圧力が強い時代でしたから、おふくろは大変だったと思います。一生懸命家事もやってくれましたけど、どうしても仕事で忙しかった。

 悲しかったのは、お弁当でしたね。周りの連中のを見ると、色鮮やかにいろんなおかずが入っている。自分の弁当はと言うと、サケがポンと丸ごと入っていて、その1点だけ。自分はサケが好きだからいいんですけど……。それしかないということで、おふくろを恨んだと言うか。
 

母の弁当に感謝


 その頃は気付かなかったけど、サケはかなり高級なものだった気がするんです。おふくろとしては手間や時間をかけられない分、良い食材を使うことで気を配ってくれてたんですよね。事情が分かる年齢になってからは、感謝の気持ちでいっぱいです。

 おふくろは公務員を定年になるまで勤め、その後は悠々自適に家庭菜園を始めました。もともと農家育ちだっただけに、農作物を育てるのにたけていたんですね。たっぷりと時間をかけられるようになったので、料理もしっかりやって。自給自足に近い生活をするようになりました。

 実家に帰った時はすき焼きで迎えてくれたんですが、その野菜が自家製になりました。「一日何十品目を取らないといけない」と言って、体のことを考えた料理を作るんです。それだけでなく、自分が作った野菜を東京で一人暮らしの俺のもとに送ってくれました。

 俺は若い頃は健康的とは言えない食生活を送っていました。

 幸いなことに下積みはほとんどしないでデビューできたので、ひもじい思いをしたことはないんです。いろんな人にごちそうしていただきました。一流のすしとか一流のフランス料理だったり。とてもおいしいけれど、そればかり続いてはヘルシーとは言えませんよね。偏食ばかりだし、それに酒もたくさん飲む。まさに暴飲暴食の生活でした。

 そのせいでしょうかね。若い頃はキレやすかった。ちょっとしたことですぐ怒り出しました。年を取り、結婚もしたことで、生活習慣が変わり、飲食もずいぶんと改善されました。
 

郷土料理楽しみ


 妻が作る郷土料理が大好きなんです。全国各地に行くたびに郷土料理を食べるんですが、自分にとっての「ベスト1郷土料理」は、栃木県のしもつかれです。栃木出身の妻がよく作ってくれます。サケの頭と大豆と根菜を酒かすで煮込み、冷蔵庫で冷やしたものです。栃木の人はそれぞれ家庭で作るのが当たり前なんだそうですね。

 しもつかれはとてもおいしいんですが、見た目は良くない。妻が最初に作ってくれた時は「なんだよ、これ」と驚きました。「こんなものを食わせるのか!?」と。だまされたと思って一口食べてみたら、予想に反してめちゃくちゃおいしくって。五臓六腑(ろっぷ)に染み渡るというか、ヘルシーな料理だと体で感じ取れた。それくらい滋味深い味です。おかげでとても健康的。もうキレることもありません。(聞き手=菊地武顕)

 だいあもんど☆ゆかい 1962年東京都生まれ。86年にロックバンド・レッドウォーリアーズのボーカルとしてデビュー。翌年には日米合作映画「TOKYO POP」に準主役として出演。90年にソロデビュー。映画「トイ・ストーリー」日本語版主題歌「君はともだち」を歌うなど、多彩に活躍。2010年、栃木県佐野市に移住した。

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