国際協同組合デー 助け合いの原点 今こそ

 4日は国際協同組合デー。気候変動や新型コロナウイルスの脅威に直面する中、「協同組合は、これらの課題に立ち向かう主人公に」と呼び掛ける。助け合いの原点に立ち返り、協同組合の地平を切り開く時だ。

 この日は、国際協同組合同盟(ICA)の呼び掛けで1923年に始まり、今年で98回目。国連の国際デーの一つだ。共通テーマは「協同組合の力で気候変動に立ち向かおう」。そこにコロナ禍である。世界12億人の組合員は、この未曾有の複合危機に対し英知を傾け連帯する時だ。多くの協同組合は既に、食料生産、医療や介護、金融や共済、貧困支援など多くの分野で課題解決に動き出している。

 今年、設立125年を迎えるICAは、この非常事態下にあって「協同組合運動は地域社会を守るため、力の限りあらゆることを行っている」(グアルコ会長)と称賛。協同組合の価値と原則を世界に発信しよう、とメッセージを寄せた。

 ICA会員の全国団体などで構成する日本協同組合連携機構(JCA)は独自に、アイデンティティー(協同組合らしさ)の再確認と、国連の持続可能な開発目標への貢献をサブテーマに掲げた。JCA会長の中家徹JA全中会長は「コロナ後も見据え、人々が助け合い支え合う持続可能な社会づくり」を呼び掛けた。それには、組合員の参加、民主的なガバナンス(組織統治)、協同組合間協同、地域社会への関与など協同組合らしさの発揮が大事だとした。

 こうした概念を、協同組合原則として定めたICA声明から今年で25年。来年3月ソウルで開催予定のICA大会では、協同組合の深化をテーマに新たな戦略を確認する運びだ。JCAもそれに合わせ、日本版戦略づくりを進めている。幅広い組合員の声を反映したビジョンづくりを大いに期待したい。

 だから今年の国際協同組合デーは、協同組合の将来像を考える上で大きな意味を持つ。地球環境問題への国際的協調、格差と貧困の解消、食料安全保障の確立、そしてコロナ対応など、来る社会・経済を展望しながら、どう協同の輪を広げていくのか。日本の協同組合に加入する組合員は延べ1億500万人。ここに集う全ての人々が考え、実践する契機にしたい。

 JAグループでいえば、地域に根差した協同活動の実践こそが重要になる。身近な困りごと、地域社会が抱える課題に向き合い、多様な主体が協働しながら「解」を導き出していく。その積み上げと広がりが、より良い社会を築く一歩になる。それには、組合員一人一人が当事者意識と使命感を持つことだ。一方、JAは、不断の教育活動を通じて、協同組合の価値と役割を発信することが、これまで以上に求められる。

 混迷の時代にあって、協同組合が確かな羅針盤の役割を果たすためには、たゆまざる「深化と広がり」が欠かせない。

おすすめ記事

論説の新着記事

検索

e農サーチ e農サーチとは