南九州で豪雨 農業広範被害

牛舎も浸水


 24時間雨量が観測史上最多を更新した熊本県湯前町の畜産農家、勘米良高宏さん(64)の牛舎では、3棟のうち最も大きい1棟が浸水した。全体で肥育牛160頭、繁殖牛23頭を飼養している。「近くの川の水が逆流し、流れ込んでいる。水に漬かって牛が寝られない状態。かわいそうで仕方ないが、どうしようもない」と嘆く。同県人吉市で経産牛230頭を飼う酪農家の中村俊介さん(45)の牛舎でも、子牛の小屋に水が流れ込んだ。搾乳機は動くが、午後4時現在で集乳業者が来られない状況という。

 同県あさぎり町の西実良さん(61)の水田では、一部のあぜが切れて土砂が流入する被害が出た。「半月ほど前に田植えを終えたばかりだった」と話す。近くを流れる球磨川の水位は「かなり上がっていた」と言い、「これほどの雨は初めて」と驚く。

 氾濫した球磨川付近が管内のJAくまは4日午前、災害対策本部を設置。豪雨の影響で電話が不通となる中、役職員が集まり、今後の対応を検討した。午後からは状況調査を開始。浸水や土砂流入があった地域の農家や選果場などの様子を確認し、土砂などの撤去作業も進めた。だが、大雨による被害が大きい人吉市と球磨村の調査は断念。水が引き次第、5日以降、調査に当たる。

 球磨村にある同JA人吉支所球磨村店では浸水被害が出た。八代市のJAやつしろ坂本支所も周辺の道路が通行止めになり、孤立。芦北町のJAあしきたの本所の一部が冠水した。
 大雨被害を受けて熊本県は4日、災害対策本部会議を開き、農業の被害状況を発表した。県南の球磨川流域などを中心に大きな被害が出ているもようだが、道路が寸断するなどして現場に入れない所もある。本格的な現地調査は5日以降になる。

 県によると4日午後3時現在、八代市では野菜や葉タバコの畑が水に漬かる被害が出ている。芦北地域では牛舎数件の冠水を確認。球磨地域では、球磨川沿いのほとんどの水田に水が流れ込んだ。球磨地域などに5カ所ある農業関係ダムは、現時点で被害の報告はない。
 

北~西日本 大雨警戒を


 気象庁は4日、梅雨前線の影響で、西日本から北日本の広い範囲で5日にかけて、局地的に雷を伴う非常に激しい雨が降る恐れがあると発表した。3日から続く大雨で、西日本や東日本では河川の氾濫や土砂災害の危険度が非常に高くなっている所があるとし、厳重な警戒を呼び掛ける。

 同庁によると、低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、前線の活動が活発な状態が続く見込み。5日午後6時までの24時間に降る雨の量は、多い所で九州南部で200ミリ、東海で150ミリ、近畿と関東甲信で80ミリなどの見込み。

 低い土地の浸水や、落雷などにも注意を呼び掛けている。梅雨前線は8日ごろにかけ西日本から東日本に停滞するため、大雨が続く恐れがある。
 

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