JA全組合員調査 対話と改革継続しよう

 JAグループの全組合員調査の最終結果がまとまった。JAの自己改革を8割が評価。また多くが総合事業の必要性を認め、准組合員規制は不要と答えた。対面で調査し、回答者は約390万人に上った。JAグループは、調査を契機に拡大した組合員との対話を続け、自己改革の深化に生かすべきだ。

 調査は自己改革の評価を聞くのが狙いで、2018年に始めた。原則全ての正・准組合員を対象に、訪問して聞き取ることを想定。組合員との関係強化にもつなげる。約606万人に調査票を配り、回答率は6割を超えた。国勢調査に次ぐような異例の規模と言えるだろう。

 最終結果は、昨年夏の中間報告と傾向は変わらなかった。JAの営農関連事業に対し、正組合員の8割以上が「改善した」「もともと良い」などと自己改革を評価した。総合事業を継続すべきだとの回答と、准組合員の事業利用規制は不要との回答は、いずれも9割に上った。

 改正農協法に基づいて政府は、施行5年後の21年4月をめどに准組合員の事業利用規制の在り方を検討する。与党は、規制の在り方は組合員の判断や意向に基づくと決議し、公約に掲げた。江藤拓農相も「(与党の決議を)受け止めた上で検討を進める」との考えを表明している。政府・与党は、調査結果を最も重要な検討材料にすべきだ。

 調査結果で、准組合員の大半がJAの重要性を指摘したことにも注目したい。JAは地域農業や暮らしに必要との回答と、総合事業は必要との回答はいずれも、正組合員だけでなく准組合員でも9割を超えた。

 JAは今回の調査に大変な労力と時間をかけた。だが、その価値はあったと言える。

 多くのJAでは、職員を挙げて調査するため研修会を実施。事業や自己改革の進み具合を理解し、協同組合を改めて学ぶ機会となった。調査を契機に組合員との対話運動も始まった。組合員宅を定期訪問するJAはあったが、調査を機に拡大。組合員のニーズをJAの運営や自己改革に生かす動きも広まった。集まった意見を、組合員を含めJA内で共有し優先順位をつけて実践するなどの手法の具体化も進んだ。組合員が主人公である協同組合らしさを改めて見直すきっかけになったと言える。

 かつてない大規模な調査と対話運動により、組合員との関係を強化できた。これを維持するためにも、対話を途切れさせないことが重要だ。ただ、新型コロナウイルス禍で訪問や会合を行いにくい状況が続いている。感染状況などに応じたJAごとの工夫が求められる。

 調査結果から課題も見えた。営農関連の各事業に期待する正組合員は7、8割に上るが、満足度は6割程度。また、営農指導の満足度に比べて販売や生産資材はやや低い。今回の調査の取り組みを自己改革の継続・深化につなげるため、対話と組合員ニーズの把握を続けたい。
 

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